プラットフォームの仕様変更に備えた自社運用でノウハウを蓄積
MarkeZine編集部(以下、MZ):まず、お二人が担当されている業務やミッションを教えていただけますか。
吉田:さくらフォレストは、年商数十億円に上る通販サービス「さくらの森」を運営する企業です。私が所属する企画部では、現在、Web広告の運用や商品開発、コールセンターの運用など多岐にわたる業務に携わっています。Web広告分野では新規顧客獲得単価の改善と、高いLTVが期待できる集客媒体の発掘を目標にしています。
佐藤:スマートニュースでは、インダストリーセールスとして広告主様向き合いの担当をしております。前職のWeb広告代理店での経験を活かして、入社以来、通販コスメ・健康食品の領域の広告主企業、および代理店企業の運用型広告の効果最大化や、改善案の提案・実行までを担当しています。
MZ:さくらフォレストではStandard Adsをはじめとした複数のデジタル広告媒体を自社で運用されているそうですが、その理由を教えてもらえますか。
吉田:当社では現在、主に四つの媒体を利用しており、運用の組織体制としては自社と広告代理店で5:5の割合となっています。
以前は、代理店に広告運用を一任し、リスティング広告のみで非常に高パフォーマンスが出ていた時代もありました。しかし、2021年ごろのGoogleのアップデート以降、成果が上がらなくなったことで、今後の仕様変更に対するリスク回避のために自社でノウハウを蓄積する必要があると考えました。これが、インハウスで運用を行うようになったきっかけです。
インハウスでの運用開始当初は、動画広告や主要SNS広告をメインで運用し、CPAと新規開拓数の観点からは成果を出せていました。しかし、利益の向上にはうまくつながっていなかったことが後々わかったんです。獲得数は多くてもリピートにつながらず、LTVがなかなか上がらなかったことが原因でした。そもそも当時は、媒体ごとのLTVをしっかりと追えておらず、媒体の特性に合わせた広告運用も行えていませんでした。
その後、Standard Adsでの広告運用をきっかけに、媒体によってパフォーマンスが大きく異なることにも、LTVの重要性にも改めて気が付きました。商品ごとにCPAと損益分岐点の確認を行ったところ、Standard Adsで獲得したユーザーのLTV、リピート率が非常に高かったため、メインで運用していくことに決めました。
SmartNewsで展開可能 Standard Adsが抱える三つの特長
MZ: Standard Adsのサービスの概要をお伺いできますか?
佐藤:Standard Adsは、利用者が日本最大級のニュースアプリ「SmartNews」上で展開可能な運用型広告で、認知から獲得までフルファネルでの活用ができます。
佐藤:同サービスの特長は主に三つあります。一つ目は、広告の配信形態です。Standard Adsでは、広告をニュースフィードの中に配信するインフィード広告の配信形態を採用しています。そのため、通常のニュースコンテンツと調和したUIとなり、お客様が受容しやすい形で広告をお届けできます。
二つ目は、提携媒体の多さです。ニュースアグリゲーションサービスのメディアとの提携数は、多くとも800媒体程かと思います。しかし、SmartNewsは3,000媒体以上と非常に多いため、お客様のインサイトを多様な切り口で深堀が可能です。
三つ目は、ユーザーの行動特性です。SmartNewsは、ニュース配信を行うというアプリの特性上、情報感度やリテラシーの高いユーザーが日々利用しています。
2023年12月にNielsenが行った調査によると、「SmartNewsを毎日利用しているユーザー(Androidユーザー)」は47%で、約半数のユーザーが毎日ニュースを見るためにアプリを利用しています。
このように、「情報収集をする」という目的を持って訪れたユーザーに対して、広告をお届けできるのも強みの一つとして挙げられます。