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F2転換率に媒体比で2割超の差 さくらフォレストがSmartNews Adsに最注力の理由

 日用品や医薬品など約70種の商品を展開する通販サイト「さくらの森」を運営する、さくらフォレスト。同社では、スマートニュースが提供するSmartNews Adsの運用型広告「Standard Ads」を活用して、インハウスでのWeb広告運用を行い、高LTVユーザーの獲得効率を向上させているという。本記事では、Standard Adsを活用する理由とインハウスで高いパフォーマンスを実現する同社の広告運用ノウハウについて、さくらフォレスト企画部の吉田建人氏とスマートニュースで広告事業部のシニアアカウントマネージャーを務める佐藤長太郎氏に話をうかがった。

プラットフォームの仕様変更に備えた自社運用でノウハウを蓄積

MarkeZine編集部(以下、MZ):まず、お二人が担当されている業務やミッションを教えていただけますか。

吉田:さくらフォレストは、年商数十億円に上る通販サービス「さくらの森」を運営する企業です。私が所属する企画部では、現在、Web広告の運用や商品開発、コールセンターの運用など多岐にわたる業務に携わっています。Web広告分野では新規顧客獲得単価の改善と、高いLTVが期待できる集客媒体の発掘を目標にしています。

さくらフォレスト株式会社 企画部 吉田 健人氏

佐藤:スマートニュースでは、インダストリーセールスとして広告主様向き合いの担当をしております。前職のWeb広告代理店での経験を活かして、入社以来、通販コスメ・健康食品の領域の広告主企業、および代理店企業の運用型広告の効果最大化や、改善案の提案・実行までを担当しています。

スマートニュース株式会社 広告事業部 第三営業課 シニアアカウントマネージャー 佐藤 長太郎氏

MZ:さくらフォレストではStandard Adsをはじめとした複数のデジタル広告媒体を自社で運用されているそうですが、その理由を教えてもらえますか。

吉田:当社では現在、主に四つの媒体を利用しており、運用の組織体制としては自社と広告代理店で5:5の割合となっています。

 以前は、代理店に広告運用を一任し、リスティング広告のみで非常に高パフォーマンスが出ていた時代もありました。しかし、2021年ごろのGoogleのアップデート以降、成果が上がらなくなったことで、今後の仕様変更に対するリスク回避のために自社でノウハウを蓄積する必要があると考えました。これが、インハウスで運用を行うようになったきっかけです。

 インハウスでの運用開始当初は、動画広告や主要SNS広告をメインで運用し、CPAと新規開拓数の観点からは成果を出せていました。しかし、利益の向上にはうまくつながっていなかったことが後々わかったんです。獲得数は多くてもリピートにつながらず、LTVがなかなか上がらなかったことが原因でした。そもそも当時は、媒体ごとのLTVをしっかりと追えておらず、媒体の特性に合わせた広告運用も行えていませんでした。

 その後、Standard Adsでの広告運用をきっかけに、媒体によってパフォーマンスが大きく異なることにも、LTVの重要性にも改めて気が付きました。商品ごとにCPAと損益分岐点の確認を行ったところ、Standard Adsで獲得したユーザーのLTV、リピート率が非常に高かったため、メインで運用していくことに決めました。

SmartNewsで展開可能 Standard Adsが抱える三つの特長

MZ: Standard Adsのサービスの概要をお伺いできますか?

佐藤:Standard Adsは、利用者が日本最大級のニュースアプリ「SmartNews」上で展開可能な運用型広告で、認知から獲得までフルファネルでの活用ができます。

SmartNews上に表示されるStandard Adsのイメ―ジ(赤い点線で囲んだ部分)

佐藤:同サービスの特長は主に三つあります。一つ目は、広告の配信形態です。Standard Adsでは、広告をニュースフィードの中に配信するインフィード広告の配信形態を採用しています。そのため、通常のニュースコンテンツと調和したUIとなり、お客様が受容しやすい形で広告をお届けできます

 二つ目は、提携媒体の多さです。ニュースアグリゲーションサービスのメディアとの提携数は、多くとも800媒体程かと思います。しかし、SmartNewsは3,000媒体以上と非常に多いため、お客様のインサイトを多様な切り口で深堀が可能です。

 三つ目は、ユーザーの行動特性です。SmartNewsは、ニュース配信を行うというアプリの特性上、情報感度やリテラシーの高いユーザーが日々利用しています。

 2023年12月にNielsenが行った調査によると、「SmartNewsを毎日利用しているユーザー(Androidユーザー)」は47%で、約半数のユーザーが毎日ニュースを見るためにアプリを利用しています。

【クリックすると拡大します】
※比較対象の媒体はスマートニュースで選定したチャート内にある媒体です。
※Nielsen Mobile NetView 2023年12月時点
YouTube、Facebook、Instagram、Yahoo! JAPAN、X(旧Twitter)、スマートニュースの各Androidアプリにおける、月21回以上利用した人数の割合

 このように、「情報収集をする」という目的を持って訪れたユーザーに対して、広告をお届けできるのも強みの一つとして挙げられます。

情報感度が高い人への効率的なリーチでLTVを向上

MZ:さくらフォレストがStandard Adsの導入を決めた理由を教えてください。

吉田:一番の理由は、国内の主要Web広告と比べてStandard AdsがLTVおよび再購入率が最も高かったためです。健康食品通販のようなビジネスモデルでは、たとえCPAが良くても再購入につながらなければ利益は出ないので、LTVが高い新規ユーザーの効率的な獲得が求められます。そんな中、Standard Adsは、情報リテラシーが高い新規ユーザー層に効率良くリーチができる媒体でした。

吉田:また、SmartNewsのユーザー層と当社の商品との相性が良い点も導入を決めた理由の一つとして挙げられます。当社の扱う商品は健康食品なので、比較的高い年齢層の方と相性が良いのですが、SmartNewsはまさにそんなユーザーの方が多く集まることも評価した点でした。

佐藤:SmartNews上には日本の人口分布に類似した幅広い年代層のユーザーが集まっています。そのため、狙いたい年代や性別、関心層へターゲティングできるといえます。

 年齢層が上がると当然、所帯を抱えるユーザーや高所得のユーザーの比率も高くなります。こうした方々は、衝動買いではなくしっかりと内容理解した上で購入をされる人が多いです。そのためSmartNewsの広告を攻略すれば、自社の商品をしっかりと理解したユーザーを獲得でき、その点もLTV向上につながりやすいポイントだと考えています。

【クリックすると拡大します】
SmartNewsユーザーの年代分布と世帯年収分布
※20代以下は18~29歳までの数値です  Nielsen Mobile NetView 2024年4月時点(スマートニュースをブランドレベルで集計)
※国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査より

他媒体と比べてF2転換率に最大22%の差も 「広告単位」で配信を最適化

MZ:さくらフォレストではStandard Adsをどのように活用されているのでしょうか。

吉田:訴求したいターゲット像にマッチした質の高いユーザーへのリーチによりLTVを向上させることが一番の目的です。しかし、実は「クリエイティブの検証」にも大いに役立っています。

 従来のデジタル広告では、キャンペーン単位で最適なセグメントに広告が配信されることがほとんどだと思います。しかしStandard Adsは、クリエイティブに最適なセグメントに配信されるため、広告成果が反映されやすいです。

 加えて、UIがシンプルな媒体なので、パフォーマンスが広告の配信面に左右されることもなく、クリエイティブの検証が非常にしやすいです。

 そのため、広告配信を行う際には、初めにSmartNewsで配信して成果を確認。そして良い成果が出た場合は、そのクリエイティブを他媒体に展開することで、当社が出稿する広告全体の価値最大化を実現しています。また運用面の改善についてもスマートニュース様と週に3~4回程MTGを実施しており、手厚いサポートに助けられています。

佐藤:一般的なアルゴリズムではユーザーの興味関心を機械学習していくのですが、当社のアルゴリズムは、広告単位で最適な配信を行います。そのためStandard Adsでは「広告に興味があるユーザー」を学習して配信を最適化できます。さくらフォレスト様ではこの特徴を活かしてくださっていますね。

吉田:加えて、Standard Adsに出稿する際のクリエイティブ審査の厳密さも、他媒体への横展開のしやすさに役立っていると感じています。

 SmartNewsは広告審査が厳しいともいわれているようですが、私はむしろ他媒体の基準がやや低いと思っています。Standard Adsくらい審査がしっかりとしていると、ブランドセーフティが担保された中で、リテラシーの高い良質なユーザーに届くクリエイティブを展開することができます。こちらで審査が通れば他の媒体で審査に引っかかることは基本的にありませんし、良い成果が出るクリエイティブの横展開が可能になります。

MZ:獲得ユーザーのLTVについては、他媒体に比べてどれくらいの差があるのでしょうか。

吉田:アイケア用サプリ「めなり極」の広告実績では、Standard Adsから獲得したユーザーの場合、F2転換率が他媒体よりも15%~22%ほど高いという結果が出ています。その差を2年間のLTV(購入金額)で換算すると、Standard Adsで獲得した場合は1ユーザーあたり3,000円〜5,000円ほど高いです。

LP流入時の商材理解の促進が解約率の低下につながる

MZ:Standard Adsを運用する中で得られた気付きや成功の秘訣を教えてください。

吉田:お客様が必要とする情報をきちんと届けることが大切だと思います。Standard Adsの利用開始当初、広告の誘導先LPには1,500字ほどの短めの記事コンテンツを掲載していました。この導線は、他の媒体ではうまくいっていたのですが、Standard Adsではあまり成果が上がりませんでした。

 そのためニーズを深堀し、お客様が抱えている健康上の問題と原因、その解決策を記載した、3,000字ほどの長めの記事を出したところ、獲得数が向上しました。現在でも記事に求められる内容の濃さを重視し、お客様の体験談を基に課題解決を行うメリットについて深堀するなどの工夫を行っています。

 また、Standard Adsを活用していると、お客様の商品に対するご意見が非常に少ないことも新たな気付きでした。広告の接触者が普段から記事を読むつもりで来訪している方であるため、最後まで記事を読んで商材を理解した上で購入してくれる人が多いのが理由だと考えています。

 事実、当社のコールセンターのスタッフから「Standard Ads経由で購買いただいたお客様は商品をご理解いただいている方が多い」という声が多く挙がってきています。こうしたユーザー特性があるからこそ、再購入率もLTVも向上しているのだと感じました。

目先のCPAに囚われず、長期的なLTV向上を目指す

MZ:さくらフォレストでは今後、Standard Adsをどのように活用していく予定ですか。

吉田:当社は運用している全媒体のLTVを平均で見るようにしています。平均LTVを上げるためにもStandard Adsへの出稿量は増やしていく予定です。いずれにせよ、目先のCPAだけに囚われるのではなく、長期目線で広告全体のLTVの向上を目指していきます。

MZ:スマートニュースでは、今後どのような広告商品や媒体価値を提供したいと考えていますか。

佐藤:今回ご説明したStandard Adsを含むSmartNews Adsでは、2024年に入り、二つのアルゴリズムのアップデートを行いました。一つは「目標CPA」というアルゴリズムについてです。これは、CPAの目標単価に応じた入札最適化の精度向上と学習強化を図っています。

佐藤:二つ目は、これまでの機械学習データを活用したターゲティングの自動調整機能です。一定のセグメントは守りつつも、広告パフォーマンスや配信結果に応じてリーチを拡大したり、パフォーマンス重視でターゲティングを絞ったりという調整が自動で可能になります。

 さらに、これらのアルゴリズムの進化に加え、NTTドコモ(以下、ドコモ)と提携して「SmartNews for docomo」の提供を2024年5月からスタートしています。これはドコモユーザー限定のSmartNewsアプリ上で、利用時にドコモのdアカウントでログインいただくことで、dポイントを蓄積・活用してコンテンツを楽しめます。この提携により、MAUの大幅な増加だけでなく、広告パフォーマンスのさらなる向上が期待できます。皆様には是非今のうちに当社広告を攻略いただきたいです。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:スマートニュース株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/14 12:00 https://markezine.jp/article/detail/45593