コマースメディアを展開するCriteoは、リテールメディアがもたらす効果に関する調査レポート「The ROAS Trap」を発表した。
リテールメディアとは、小売業者のEコマースサイトまたはブランドが提供するアプリに配信される広告のことを主に指す。同レポートでは、4万4,000件を超えるリーテルメディアのキャンペーン調査結果と、リテールメディアの包括的なメリットに関する調査結果をまとめている。このレポート内で、重要なポイントを紹介する。
リテールメディアに広告を展開すると投資収益率がUP
リテールメディアにおいて、スポンサードプロダクト広告を展開した米国のブランドや広告主は、インクリメンタリティテストで投資収益率(ROI)が、平均で428%増加した。
新規顧客獲得につながりやすい商品の分野がある
リテールメディアは新規顧客に対しても、コンバージョンを効果的に促進していることが明らかになった。商品の分野別にリテールメディアの影響を見ると、アパレル&アクセサリー、アート&エンターテイメント、ヘルス&ビューティーの分野は、広告をクリックして購入した人の60%近くが、そのブランドにとっての新規顧客という結果となった。
※新規顧客とは、過去6ヵ月間にそのブランドで購入履歴がなく、キャンペーンでコンバージョンに至った買い物客を指す。
広告をクリックすると平均単価と購入総額が高くなる傾向がある
広告をクリックしなかった買い物客による購買商品の平均単価は31.16ドルで、平均購入総額は40.64ドルだった。その一方で広告をクリックした買い物客は、購買商品の平均単価が34.63ドル、平均購入総額は47.08ドルで、クリックしなかった買い物客よりも平均単価と購入総額が高くなった。
オンラインに予算を投下するとオフラインの売り上げ増加に貢献する
ブランドや広告主が、インターネット上での露出度を高めるためにオンラインへの投資を増やすほど、オフラインの実店舗での売り上げの増加に貢献することがわかった。
キャンペーン分析をオフラインアトリビューションを含めて拡張すると、オンラインアトリビューションのみを調べたキャンペーンと比較して、キャンペーンの平均ROASが42%増加した。
リテールメディア活用は消費者の製品レビューの改善にもつながる
またブランドの52%が、リテールメディアへの投資によって消費者の商品レビューが向上したと回答。これは、ターゲティングされたメッセージ配信、リアルタイムエンゲージメント、ロイヤルティプログラムなどを通じて、リテールメディアがオンラインでのポジティブな会話を促進できるためだと考えられる。
【調査概要】
期間:2023年10月~12月
調査対象:米国、英国、フランス、ドイツ、日本、韓国、ブラジル、シンガポール、インドの9ヵ国の282のブランドおよび116の代理店。
キャンペーンデータの集計期間:2023年Q1~2024年Q1
調査対象:米国、欧州、アジア太平洋地域における132の小売業者での4万4,000件以上のキャンペーンと6万6,000 以上のブランド。Criteoにて実施したリテールメディアキャンペーンからのデータとCriteoのリテールメディアのクライアントのオーガニックデータを参照している
【関連記事】
・Criteo、リテールメディア測定においてMRC認定を取得 広告指標の有効性・信頼性を確認
・Criteo、IM-UIDと連携 3rd Party Cookieなしで広範囲のユーザーにリーチ可能
・Criteo、リテールメディアの最新レポートを公開/自社サイト・外部サイト両方への投資がトレンドに
・ウエルシア薬局、公式通販サイトにCriteoのリテールメディアプラットフォームを導入
・Criteo、LINE上でのパーソナライズドメッセージ配信のソリューションを提供開始 計6社と連携