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Instagram広告から問い合わせが殺到!ソウルドアウト×マルコのMeta「ASC」攻略

 AIを活用した広告製品やツールへの投資および開発に注力しているMeta。その中でも熱い注目を集めているのが「Advantage+ショッピングキャンペーン(ASC)」だ。本企画では、ASCにより得られる効果を、既に大きな効率改善を実現しているマルコの事例を通して紹介。運用を支援しているソウルドアウトの大長睦実氏と石原大基氏、Facebook Japanの西川拓氏に、ASC活用のポイントや実際のメリットを伺った。

広告自動最適化の時代、SMBにとってASCは攻略必須

 デジタル広告の運用に携わっているマーケターにおいては、もはや知らない人はいないといった温度感になりつつある「Advantage+ショッピングキャンペーン(以下、ASC)」。AIを活用した広告製品やツールへの投資および開発に注力し続けているMeta社の中でも、とりわけ多くの広告主・広告代理店から注目を集めているソリューションである。

 ASCは、AIの活用による自動化を実現した広告製品群「Meta Advantage」の一つ。Webサイト上での購入やサービス申し込みをマーケティングのゴールとする場合、従来の広告運用ではターゲットとなるユーザーの年齢や性別、興味関心、広告の配信先などを個別に設定する必要があったが、ASCはそのプロセスのほとんどをAIで自動化する。

 最近は、広告パフォーマンスの改善事例が多数報告されているASCだが、2022年10月のリリース当初はどの程度の効果が見込めるかわからないということもあり、活用に踏み切れない広告主もいた。

 そのような中、いち早く広告主に向けて活用を提案してきたのがソウルドアウトだ。同社は地方を含む日本全国の中堅・中小企業といったSMBの成長をデジタルマーケティングを通して支援している。Meta広告を活用する上で「これからASC攻略は必須になる」と考え、早期から研究を進めてきた。今ではSMBのMeta広告運用には欠かせないと言えるほど、ASCの活用が進んでいるという。

 ASC活用のメリット、そして成果を出すための活用のコツはどこにあるのか? 2023年3月からASC活用に踏み切ったマルコの事例が紹介された。

少額からの検証も可能 ソウルドアウトとタッグを組んだマルコの事例

 MARUKO(マルコ)は、日本にボディメイクランジェリー(体型補整下着)の価値を広めてきた企業。ボディメイクランジェリーの販売だけでなく、ボディメイクにまつわるコンサルテーションを中心とした事業を展開している。全国に200以上の店舗を構える同社は、Web広告経由の「来店予約」を目指し、Instagramをはじめとする広告運用に取り組んできた

 新しいマーケティングソリューションが登場したら他社に先駆けて活用し、PDCAを回しながら攻略していく。そうすれば先行優位的な強みを得られる――マルコがASCをいち早く試した理由はここにある。さらに、Web広告の場合、少額からスタートして予算を調節しながら検証できるなど柔軟性が高いことも後押しした。

 マルコをはじめソウルドアウトのMeta広告全体を管理している大長氏は、同社の意思決定について次のように述べている。

 「広告予算が限られている場合、施策の実行には慎重な判断が求められます。特に新しく登場したばかりのプロダクトに関しては『興味はあるけれど、まだ様子を見たい』といった反応を示す企業様も少なくありません。当社としても当時ASCを活用する取り組みは初めてだったのですが、マルコ様の積極的な意思決定のもと、チャレンジすることにしました」

ソウルドアウト株式会社 プラットフォーム戦略推進本部 メディア推進第2グループ グループ長 大長睦実氏
ソウルドアウト株式会社 プラットフォーム戦略推進本部 メディア推進第2グループ グループ長 大長睦実氏

初動から数値に変化が! ASCがマーケティングの現場に与えた影響

 マルコのASC活用は、CV数増加とCPA改善の両方を目標に、既存の予算の範囲内でスタート。すると、比較的早い段階でクリック率や獲得率などすべての指標で従来のキャンペーンよりも高い水準を記録した。

 この結果について、ソウルドアウトの大長氏は、「従来のキャンペーンに比べて、最適化のかかるスピードや立ち上がりが早いと感じました。特に初期段階では、AIに学習させるために大量のデータを送る必要があり、ある程度の予算投下が不可欠になるものですが、ASCは予算規模に関わらず、しっかりと初動から成果が出やすいと見ています」と説明。

 加えて、Facebook Japanの西川氏は「ASCではジャンルのデータやアドアカウントの他のデータなども学習に活用されるため、比較的効果が出やすく、立ち上がりが早いという傾向が全体的にあります」と説明した。

 ASCによる自動最適化は、マルコのマーケティングに様々な影響をもたらした。大長氏と同じくマルコの支援に携わっているソウルドアウトの石原氏は「Meta広告施策は、データ、ターゲティング、クリエイティブの3つの側面から効率改善を試みます。このうち、データとターゲティングの2つの要素がASCで自動最適化されるようになったため、さらなる飛躍のためにクリエイティブの改善に注力できるようになりました」と振り返る。

ソウルドアウト株式会社 プラットフォーム戦略推進本部 メディア推進第1グループ 石原大基氏
ソウルドアウト株式会社 プラットフォーム戦略推進本部 メディア推進第1グループ 石原大基氏

縦型動画の広告も開始し、さらなる相乗効果が

 広告クリエイティブの改善を目指し、マルコとソウルドアウトがチャレンジしたのは「縦型動画広告」の制作だ。

 マルコの場合、Instagram広告では、顧客の悩みに寄り添ったリアルなクリエイティブが刺さることがわかっていたため、お客様や各店舗のスタッフのリアルな様子を撮影すべく、全国の店舗を横断して回った。また、広告のスキップ率やCPAを左右する冒頭2秒のクリエイティブ分析も行ったほか、ユーザーに飽きられないようコピーを抽象化し、別の表現に変えたりするとで動画の本数を増加。クリエイティブの鮮度を保ち、継続的に成果を出せるよう工夫した。

 人によるクリエイティブの改善と、AIによる配信の自動最適化が相乗効果を発揮し、CVに繋がる。その広告結果をAIが学習することで、さらなる効率化が進んでいく。これによる効果はリアルに実感できるほど大きく、コールセンターに問い合わせが殺到したこともあったという。

 ASCの有効性を確信したマルコは、広告出稿額をASC活用前の1.3倍にした。予算を増加させたにもかかわらず、CPAは半分ほどになったそうだ。

 ソウルドアウトにとってマルコとの取り組みは、ASC攻略の先駆け的な事例として位置付けられている。社内でも縦型動画にもっと注力しようという機運が高まり、2023年11月からは企業のマーケティング施策における縦型動画を研究し、顧客の成果向上に向けた専門組織「TATE-AGE(タテアゲ)」を発足した。一定額以上のMeta広告を継続的に配信している顧客に対して、縦型動画を無償で一定期間提供するサービスも開始し、1回につき3本×PDCA計3回分の制作費が無料で試せるといったパッケージを提供している。

 予算に限りがあり、リスクを取りづらい広告主でも、実際に試してみて成果が出れば、投資の決断がしやすくなるだろう。

ASC活用で成果を出す広告主の特徴とは

 ソウルドアウトの支援により、マルコがここまで成果を出せた理由をFacebook Japanの西川氏は次のように分析する。

 「ソウルドアウト様もマルコ様も機動力の高さが特徴的です。効果を出す動画撮影のために全国各地の店舗を回ったとお話しされていましたが、クリエイティブの重要性を理解しても、実際に行動に移せる広告主様はそう多くありません。そもそも縦型動画の活用となると、静止画を動画化するだけで十分だと考える企業も少なくないのが現状です。そうした中で、両社は縦型動画にしっかりとコミットし、分析を重ねられたことに成果を出せた大きな理由があると考えます。また、“ASCに任せて終わりにしない分析努力”も功を奏していると言えるでしょう」(Facebook Japan 西川氏)

Facebook Japan株式会社 Agency Partner 西川拓氏
Facebook Japan株式会社 Agency Partner 西川拓氏

 加えて、両社が早期からASC攻略に取り組んでいたことも大きな意味を持つという。すでに「ASCを始めてみればよい」というスタンスでは優位性を得られない段階にあり、特に代理店においては実績の差が開いてきているのが現状だ。

 シグナルやデータの欠損をいかになくせるかという点も重要であり、コンバージョンAPIなどを用いて複合的かつ総合的に潰し込んでいくことで、ASCによる効果が最大化される。ソウルドアウトのように初期段階からMeta広告のソリューションを研究している代理店は、すでにその潰し込みがかなり進んでいるそうだ。

コンバージョンAPI(CAPI)の仕組み
コンバージョンAPI(CAPI)の仕組み

 「ASCはプロダクトの性能が高いため、こちらの努力次第でより多くの挑戦ができます。学習データを底上げすべく、コンバージョンAPIを導入したり、様々な地点でデータを取得できるようにイベントを設計したりすることで、クライアント企業に成果を還元できると感じています」(ソウルドアウト 大長氏)

導入するだけでは勝てない。攻略後も分析を重ね、知見を顧客に還元していく

 ソウルドアウトの石原氏は「大きな成果を出せたといえど、マルコ様の取り組みにはまだ改善の余地がある」と言及。たとえば、CV数最大化を自動的に目指すASCの特性上、どうしても実績のある首都圏に配信比率が寄ってしまう傾向があるという。日本各地にあるマルコ店舗におけるCV数獲得を目指すべく、今後はBid Multipliers(一部β版)と掛け合わせて、エリア別の最適化を進めることも考えているそうだ。

※Bid Multipliers:ディベロッパー向けに提供しているMetaのマーケティングAPI。年齢層や配信エリア、配信面などを細かい単位で入札をコントロールできる。

 ASCでは、従来のターゲットセグメントに依らないオーディエンスにアプローチできるというメリットがあるものの、予算が限られている広告主の場合、すべてを試せるわけではない。そこでBid Multipliersの活用が必要になってくる。ASCで配信の最適化をかけつつ、Bid Multipliersを活用してより重要度の高いオーディエンスに配信を寄せることで、より効率の良い広告運用が実現するASC×Bid Multipliersの活用に関しては、広告費用や人的リソースを十分に確保できないSMBこそ、大きな効果を期待できると言える。

 広告自動最適化が進む今後、Meta広告におけるASC攻略は必須となる。今回のソウルドアウトとマルコの事例からわかることは、ターゲティングの部分をAIにほとんど任せることができるようになると、変数であるクリエイティブの重要性が一層増していくということだ。広告主はよりフォーカスして取り組む必要があるだろう。

 成果を出せるか否かは、業種や予算規模に関係なく、いかに新しいプロダクトを積極的に取り入れ、知見を重ねていけるかにかかっている。すでに乗り遅れたと感じる広告主は、知見豊富な広告代理店を活用するのも一つの方法と言える。

 ソウルドアウトは「SMBならではの成功法をマルコ様をはじめ、皆様と常に模索していきたい」とし、今後の目標を次のように語った。

 「今後も新しいプロダクトがあれば積極的に挑戦して検証していきたいですし、縦型動画に関しても、もっと導入率を上げていきたいです。動画のクオリティやユーザーに刺さるポイントなども検証していきたいと考えています」

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:Facebook Japan G.K.

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/07/23 12:00 https://markezine.jp/article/detail/45900