電通デジタルは、電通グループ、電通とともに、メタバースをはじめとする3D空間メディア、イマーシブ(没入型)メディアが生活者に与える心理的影響やマーケティング効果の分析を実施しており、第一弾として「ブランドイマーシブタイム」という指標を提唱した。
電通は、2023年に開催した「東京ゲームショウVR 2023」のメタバース空間での「実行動データ」と「アンケート調査データ」を、参加ユーザー単位で統合して分析できる環境を構築。メタバース空間で広告を展開するほとんどの企業が商品・ブランドの展示ブースを設置している状況を踏まえて、メタバースブースにおけるユーザー行動のより精緻な調査・分析を実施した。
その結果、「チャット利用」「アバター装着」「スタンプ使用」など10項目の中で、「ブース滞在時間の長さ」が商品・ブランドの「好意度」「購買意欲」向上に最も寄与する要素であることがわかった。
電通グループでは、この滞在時間(秒)に、没入度を左右するデバイスごとの係数を掛け合わせたものを「ブランドイマーシブタイム」と定義した。
デバイスごとの係数は、有効視野角(水平30度、垂直20度と仮定)に占める各デバイスの画面サイズと、画面との距離をベースに設定しており、VRはすべて覆うので100%(係数1.0)とし、PC70%(係数0.7)、スマートフォン40%(係数0.4)とする。
たとえばVRでの20秒のブース体験と、スマートフォンでの50秒のブース体験が、同等の「ブランドイマーシブタイム」となる(※実際のコンテンツ内容やインタラクティブ性、音など他要素も加わってくるため、今後も引き続き本係数の精緻化にも取り組んでいく)。
これまでは、企業がメタバース空間で何を基準にどのような施策を実施すべきかの判断材料がなかったが、「ブランドイマーシブタイム」を一つの基準とすることで、「滞在時間」が長くなるようなコンテンツ・演出の開発など、より効果的な体験設計が可能になる。
今後も、電通グループは「ブランドイマーシブタイム」を将来的な効果計測指標として、様々な3D空間メディアでの検証・測定を実施し、顧客企業の事業成長への貢献を目指す。
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