SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究(AD)

属性・行動データだけで真の顧客理解はできるのか?「顧客データ×商品データ」で生まれる新たな価値

 モノ・情報があふれるこの時代、顧客を理解し、顧客一人ひとりに最適なアプローチを行うことの重要性は言うまでもなく、多くの企業において「顧客データ」の分析・活用が進められている。ところが、意外にも見落とされがちなのが「商品データ(プロダクトデータ)」の活用だ。本記事では、データ・AI活用推進パートナーとしての業界のパイオニアであるブレインパッド社のCEOである関口朋宏氏と、商品データ(プロダクトデータ)をデジタルビジネスに活用させるためのSaaS「Lazuli PDP」を提供するLazuli社で代表取締役CEO兼CTOを務める萩原静厳氏との対談から、消費者データと商品データの掛け算によって生まれる新たな価値を探る。

「そもそも分析できる状態になっていない」データ活用の現状

関口:本日は国内の流通企業(小売・メーカー)におけるデータ活用をテーマに話していきたいと思います。まず、現状と課題を整理しましょう。

 私は「データが分析できる状態に整理されていない」ケースが多々あると感じています。これではいかに優れた技術を持っていても、良質な分析を行うことは難しいでしょう。時間に制限がある場合、データ分析の仕事の約8割はデータの取得・整理に費やされ、実際の分析には2割程度しか時間が割けないと言われています。

株式会社ブレインパッド 代表取締役社長 CEO 関口 朋宏氏
株式会社ブレインパッド 代表取締役社長 CEO 関口 朋宏氏

萩原:データが整理されていない問題は、僕も日々感じています。商品データを例にあげると、同じ商品でも、仕入れ先が変われば、メーカーは商品コードを変えてしまうケースが多いもの。つまり、消費者はこれまでと変わらない商品を購入しているのに、メーカーが管理しているID-POSデータ上では別物として捉えられている。それまで10万個売れていた商品でも、データ上は売上がゼロになってしまうなんてことが普通に起きているのです。

Lazuli株式会社 代表取締役CEO 兼 CTO 萩原 静厳氏
Lazuli株式会社 代表取締役CEO 兼 CTO 萩原 静厳氏

関口:そのような状態では近年重要性が高まっている「デマンドチェーンマネジメント」への対応も難しいだろうと思います。日本は長きにわたってサプライヤー(メーカー)の視点で、いかに効率的に製品を作り、売っていくかに重点を置く「サプライチェーンマネジメント」の考えが浸透してきましたが、消費者の視点で、いかに顧客のニーズを満たすかに重点を置く「デマンドチェーンマネジメント」の重要性が増し、「デマンドチェーンマネジメント」で得られた顧客ニーズの情報を「サプライチェーンマネジメント」に戻して分析する流れが生まれています。

 ただ、萩原さんが説明された商品データ管理の状態では、消費者のデマンドを正確に把握することは難しいと思います。

萩原:そうですね。整理されていない状態から、データ分析に本気で取り組もうとすると、かなりの手間がかかるのが現実です。そこにいかに真剣に向き合えるかだと思います。

組織の垣根を超えた連携がより必要に

関口:業界構造の問題もボトルネックになっていると思います。メーカーと消費者の間には卸や小売が介在しているため、メーカーから消費者の顔が直接見えないことがあります。また、組織内を見ても、分業化が進んだ結果、部門の壁を越えてデータがマネージされていないケースがあります。データという観点から見ると、他部門と横断的に連携する機能が不足しているなと。

  それぞれの範囲では分析が非常に進んでいることが多いと感じます。ただし、それだけでは期待できる効果は限られたものになると思います。業界全体で見て最適化や効率化を進めるとなると、企業や部門の垣根を超えた連携が必要です。

 たとえばメーカーと小売の関係でいうと、個人情報の取り扱いなど様々な問題を除いた範囲で、可能な限り情報を共有し、メーカーが持つ商品情報と小売が持つ顧客情報を掛け合わせることで新たな可能性を生み出せると考えています。

次のページ
鍵を握る「顧客データ」と「商品データ」の掛け合わせ

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社ブレインパッド

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2024/08/01 12:00 https://markezine.jp/article/detail/46032

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング