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第104号(2024年8月号)
特集「社会価値創出につながる事業推進の在り方とは?」

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社会価値創出につながる事業推進の在り方とは?

自社の資産を“人材”と定義しアクセンチュアが注力する企業市民活動 事業成長と両輪にする仕組みを聞く

 本特集のはじめに紹介するのは、アクセンチュアの「企業市民活動」だ。アクセンチュアでは、本業のコンサルティング事業を通じて社会課題の解決に取り組みつつ、本業を通して得た知見やスキルを、社会貢献活動のために無償で提供している。そんな同社の企業市民活動は、どのような考え方・仕組みで展開されているのだろうか?

時代とともに変化してきた、企業による「社会価値創造」の位置づけ

――はじめに、アクセンチュアの事業活動における社会価値創造の取り組みについて、その位置づけを教えてください。

 アクセンチュアは、社会貢献と自社の利益の両立を目指す取り組みを「Responsible Business」として掲げており、本業を通じた社会的価値の創出に取り組んでいます。私たちのお客様からも社会課題に対する関心の高まりを感じており、お客様のサステナビリティ施策を支援したり、多様性を力に変える組織づくりを支援したり、また、超少子高齢社会のまちづくりを支えるスマートシティモデルを構築したりと、社会課題の解決につながるコンサルティング事業に取り組んでいます。

 一方で、今回の特集のテーマである「社会貢献活動」にフォーカスすると、以前は本業と切り離されて行われることが一般的でした。アクセンチュアも15~20年前までは沖縄におけるサンゴ礁保全に実地で関わるなど、通常の仕事とは、あえて切り離した形で活動を行っていました。

 しかし、この流れは今日までに大きく変化しています。近年は、社会課題の根本的な解決には、継続的かつ比較的大きな規模での取り組みが必要であり、ビジネスの一環で取り組むことが解決を加速する鍵と考えられるようになっています。

アクセンチュア株式会社 執行役員 サステナビリティグループ日本統括兼 コーポレート シチズンシップ日本統括兼 アクセンチュア・イノベーションセンター福島 センター共同統括 海老原 城一氏25年以上にわたるコンサルティング経験の中で、行政、公共事業体の戦略立案から大規模変革プロジェクト、スマートシティの構想立案、サーキュラー・エコノミー戦略策定などの業務に従事。東日本大震災以降は自社の復興支援プロジェクトの責任者を務めるほか、Inclusion & Diversityプログラムのスポンサーなども担う
アクセンチュア株式会社 執行役員 サステナビリティグループ日本統括
兼 コーポレート シチズンシップ日本統括
兼 アクセンチュア・イノベーションセンター福島 センター共同統括 海老原 城一氏

25年以上にわたるコンサルティング経験の中で、行政、公共事業体の戦略立案から大規模変革プロジェクト、スマートシティの構想立案、サーキュラー・エコノミー戦略策定などの業務に従事。東日本大震災以降は自社の復興支援プロジェクトの責任者を務めるほか、Inclusion & Diversityプログラムのスポンサーなども担う

 たとえば、先ほどお話ししたサンゴ礁保全の取り組みを例に説明すると、以前は社員自身がダイバースーツを着用して実地で活動していましたが、現在はアクセンチュアがクライアントにも提供しているサービス・スキルを活かし、IoTセンサーなどのデジタル技術を活用したサンゴ礁の保全プロジェクトを実施しています。ただサンゴの育成環境を最適化するだけでなく、アクセンチュアの強みであるテクノロジーを活かし、さらに障がいのある方に従事いただく形でプロジェクト化しており、本業と地続きで取り組んでいるものです。

 まとめると、アクセンチュア含め、企業における「Responsible Business」は次の3 段階で変化してきたと考えられます。

レベル1:Compliance&CSR

 企業の義務として、社会の持続的な発展に貢献していく。本業のビジネスとは切り離されて行われるボランティア活動

レベル2:Performance & Shared Value

 企業戦略に沿ったESGの取り組み(自社の事業活動における環境負荷低減の取り組みや成果を開示することなど)

レベル3:Leadership & Social Impactat Scale

 Responsible Businessに該当。社会価値創造と事業成長が両輪になっており、相互に影響を及ぼしている状態

 Responsible Business は社会課題の解決をビジネスの中核として捉え、自社の利益との両立を目指していくという点で、本業とは切り離して考えていたレベル1のCSRや開示に重きを置いたレベル2のESGとは異なります。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/09/11 19:20 https://markezine.jp/article/detail/46053

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