プライバシーテックの社会実装を目指す「プライバシーテック協会」は、7月24日に第1期賛助会員として7社が加盟したことを発表した。また、日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)とデータ社会推進協議会(DSA)の2団体も特別会員として加わった。
プライバシーテックとは、パーソナルデータの保護と適切な利用を両立する技術の総称。「PETs(Privacy-Enhancing Technologies)」とも呼ばれている。主な技術として、秘密計算や匿名化、差分プライバシー、合成データ、連合学習などがある。
同協会はプライバシーテックの社会実装を目指し、普及や啓発、現行法の関係整理、ルール作り、実証実験と事業推進のための環境構築などを目的とした任意団体だ。Acompany、EAGLYS、LayerXの3社によって、2022年8月に設立された。
今回、第1期賛助会員となった7社は、JMDC、博報堂DYホールディングス、KDDI、電通、TOPPANエッジ、デロイト トーマツ リスクアドバイザリー、日本電気(※入会承認順)。
同協会は今後、プライバシーテックの実用化に向けて、ガイドラインの策定、個人情報保護法の見直しタイミングでの提言、企業・団体との連携強化を進める方針だ。
Googleの3rd Party Cookie廃止方針の撤回の影響は
近年プライバシー保護の観点から、広告配信の最適化やユーザー行動の計測に活用されるCookieが規制の対象となってきたが、7月22日(米国時間)にGoogleが3rd Party Cookieの廃止方針を撤回したことが発表された。このニュースに関する質問を受け、協会会長の高橋亮祐氏は「協会としては、追い風にも向かい風にもならず、影響は受けないと認識している」と見解を述べた。
その理由として、国内ではCookie活用に関する規制は現行法の中で設けられており、新たな代替手段でも規制枠組みは大きく変わらないことを挙げた。その一方で、「広義の意味でのプライバシーテックである、Cookieに代わるIDを作成するようなソリューションなどを提供する事業者には、影響が出る可能性がある」と見方を示した。
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