Teadsは、6月26日、日本を含むグローバルパブリッシャーを対象に実施した2024年度Cookieレス調査の結果を発表した。
同調査は、Cookieレス時代への備えや現状を把握するため、2020年より調査を開始したもの。2024年度は同社とパブリッシャーパートナーシップを組むグローバルの555社が、Cookieレス対応への計画や状況、業界の代替技術採用について回答している。
日本でCookieレスに備えているパブリッシャーの割合は2年間で7pt増加
まず、Cookieレス時代に対しての準備状況について調査。その結果、「代替案テストなどを実施し積極的に備えている」と回答したパブリッシャーは、グローバル・日本ともに32%だった。
前回の2022年度調査ではグローバルが15%、日本では25%だったことから全体的にCookieレス時代に向けた準備が進んでいることがわかる。
日本のパブリッシャーの7割以上がソリューションの数に困惑
「Cookieレスソリューションの多さに戸惑っている」と回答したパブリッシャーは、グローバル全体で53%に対し、日本のパブリッシャーは76%だった。これにより、新しいソリューションの情報収集や開発への対応に疑問を抱えている様子が見受けられる。
Cookieレスソリューションに関しての興味関心は低下
「業界のあらゆる新しい取り組みとそのメリット・デメリットをしっかり理解している」と回答しているパブリッシャーはグローバル全体で28%、日本では18%だった。2022年の調査では日本は32%だったことから、日本のパブリッシャーはCookieレスソリューションに関しての理解に関心が薄れていることがわかる。
日本のパブリッシャーの7割以上が、ソリューション移行による収益減少を懸念
「Cookieレスソリューションへの移行により広告収入の大幅な減少を予想している」と回答しているバブリッシャーはグローバル全体で45%に対し、日本では76%となった。2022年度調査では日本は51%だったことから収益減少への懸念が比べ強まっているといえる。
一方、収益損失の可能性があるにもかかわらず、「広告機会の減少よりも新しい技術の導入や自社のファーストパーティデータを活用し差別化を図る機会」と捉える日本のパブリッシャーは61%おり、グローバル全体平均である44%を上回っていた。
ただ、「プライバシーの利点を評価し、新たな代替案を見つけることに自信がある」と回答したのは、日本では21%でグローバルの37%を下回ることから、日本のパブリッシャーは技術やデータ活用には積極的であるが、プライバシーに関する取り組みには慎重であると考えられる。
ログインを必要とした取り組みは今後苦戦の可能性
Cookieレスソリューションにおける最大の課題として挙げられるユーザーのログイン率では、グローバル全体では70%、日本では63%のパブリッシャーが25%未満であると回答。
さらに「月に3回以上記事内を閲覧するユーザーによるログインの割合が50%以上」と回答したのは、グローバルが24%、日本では8%となった。
このことから、Cookie廃止の代替案として、ログインユーザーを必要とした取り組みは今後苦戦する可能性が考えられる。
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