イベント前・中・後の体験設計が重要
道上:個人的な感覚ですが、近年イベントの体験設計が複雑化している印象があります。単純に来場して聴講して終わり以上のものを求められているといいますか。この点はいかがお考えですか?
土谷:オンラインイベントが広く普及し、多くのビジネスパーソンが「会場に行けなかったとしても後日オンライン視聴はできることが前提」と捉えるようになりました。一方で、アンケート結果では大型イベントへの参加目的として「ITツールの担当者から直接サービス説明を受けたり、質問できるから」(50.0%)、「ITツールを直接触ったり、体験することができるから」(44.4%)と、対面形式のリアルイベントならではの体験を期待する声が目立っています。
ある意味オンラインは「押さえ」として捉え、対面形式のリアルイベントでは開催企業側と来場者側の双方で「直接コミュニケーションを取りたい」という要望が前面に出ていると感じます。
阿久津:現在はさらに、イベント後の体験をいかに作っていくかも重要だと感じます。講演資料のダウンロード提供やオンデマンド配信は今や当たり前。さらにどのようなコミュニケーションができるか、企画段階から打ち手を考えておく必要があります
土谷:弊社のお客様では、講演を事後レポート記事にしてオウンドメディアや外部メディアに掲載したり、動画を配信したりといった二次活用をしたいと考えるお客様が多いです。イベントコンテンツを可能な限り流用するのは効率が良いと捉えていますが、MarkeZineさんはどのようにお考えですか?
道上:「イベントをやって終わりにしない」ための事後コミュニケーションは必要ですし、多彩になっていくと思います。
チャネルによるウケるものの違いという観点では、講演の場合は、業界のリーダーや企業など「誰」が話しているかが影響していると感じます。一方、記事は内容が充実していれば読まれる記事になります。たとえば、「難しい」などの感想が多かった講演の内容を丁寧に噛み砕いたレポート記事にすると、「勉強になる」と好評になることもあります。
私たちはテキスト記事が主戦場なのでこのような違いがありますが、動画が強いメディアさんではまた異なるコンテンツ化ができると思います。講演の特徴に合わせた流用が可能なのではないでしょうか。
土谷:たしかに、イベントにおけるソートリーダーシップは重要な要素ですし、事後も単にコンテンツを流用するわけではなく、レポート記事化する際にも工夫が必要というのは、メディア編集ならでは視点ですね。今後の参考にさせていただきます(笑)!
企画から運営まで一貫したサポート体制
道上:最後にイベント担当者様へアドバイスやメッセージをいただけますか。
阿久津:イベント施策は企業様にとって大きな投資となります。だからこそ、最大限の効果を得られるように、企画から集客、当日の運営、事後フォローまで、あらゆる面を考慮する必要があります。猿人では、イベントの規模や目的に合わせて、必要なサポートをワンストップで提供しています。ぜひお気軽にご相談ください。
土谷:「イベントの企画や運営は行うが、目的や戦略設計についてはまずそちらで決めてください」というスタンスのイベント会社も少なくありません。私たちは、「そもそもイベントを開催することが適切なのか」といった根本的な部分から一緒に考えてご提案できることが強みです。
そして何よりも、イベントの成功には、綿密なプランニングはもちろんのこと、当日の運営ノウハウや、不測の事態への対応力、つまり泥臭い「現場力」も必要不可欠です。猿人は、数多くのイベントを手掛けてきた経験と実績があるので、安心してお声がけしてもらえればと思います。
道上:本日はありがとうございました。
情報システム担当者300名に聞いた、参加したいイベントとは?
記事内でも紹介している、情報システム担当者に行った調査結果を実際にご確認いただけます。ぜひ、イベント企画の立案にお役立てください。