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第106号(2024年10月号)
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Next Leaders' Hint

「ブランディングは短期で成果が出ない」と思いますか? Brandism木村さんに聞いてみた【前編】

 ベテランの層が厚いマーケティング業界で活躍する、次世代のマーケティングリーダーに焦点を当てた本連載。ホストを務めるsusworkの田岡さんが、世代の近いゲストとの対話を通じて、ブランディングやキャリアプランニング、マネジメントのヒントを20代の読者に提示します。第一回のゲストは、Brandismの木村さんです。対談が大いに盛り上がったため、前後編に分けてお届します。前編にあたる本稿のテーマは、お二人の専門領域であるブランディングです。

日本企業に多いブランディングの誤解

田岡:木村さんはユニリーバ、僕はネスレとWeWorkを経て、今は企業のマーケティングを支援する立場じゃないですか。グローバル企業と日本企業でブランディング観にギャップって感じますか?

suswork 代表取締役 田岡凌さん
suswork 代表取締役 田岡凌さん

木村:グローバル企業では、ブランディングとマーケティングをニアリーイコールで捉えていると思います。一方の日本企業では、なぜかマーケティングの“後に”ブランディングを実行する考え方が浸透している印象です。

Brandism 代表取締役社長 木村元さん
Brandism 代表取締役社長 木村元さん

木村:たとえばグローバル企業の場合、テレビCMを流すにしてもWeb広告を配信するにしても店頭で施策を打つにしても、そのマーケティング施策が「ブランディングとして成立するかどうか」「ブランドとして間違っていないか」「ブランディングの効果が見込めるか」などの視点で検討します。

田岡:確かにそうですよね。

木村:日本企業、特にスタートアップ企業では「マーケティング施策をひととおり実行して効果が頭打ちになってきたから、そろそろブランディングをやったほうがいい」といった言説が多いので、その点が大きく異なる気はします。

田岡:「ブランディング=ブランド認知を高めること」みたいなイメージは強いですよね。ただ、マーケティングとブランディングは本質的に表裏一体。あらゆる活動はブランディングでもあり、マーケティングでもあるかなと。

木村:日本ではブランドという言葉にラグジュアリーやプレミアムな印象を持つ人が多いからか、その印象に引っ張られた結果、ブランディングのアウトプットが「かっこいいロゴをつくる」「価格を上げる」「今あるものを洗練させる」になってしまうのかもしれません。

 お金の使い方としては決して間違っていないと思うんです。マーケティングをしっかりやって、営業もしっかりやって、その先でブランドイメージを確立していく──そういうアプローチもナシではありませんが、最初からブランディングを意識してサービス・プロダクトを開発したほうが効率はいいと考えます。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/10/29 08:30 https://markezine.jp/article/detail/47276

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