食生活に関する知見を集積して専門性を高め、新しい取り組みにチャレンジする国内電通グループ横断プロジェクト「電通 食生活ラボ」は、「食生活に関する生活者調査2024」を実施した。
同調査は、物価高騰などの社会的な潮流を踏まえ、日本の食生活における生活者の意識や実態・満足度・トレンドなどを把握する目的で行ったものとなる。
料理を面倒に感じる人は約6割に
まず、ここ数年の食生活の傾向や実態、食事に対する意識について質問。「料理をするのを面倒に感じる」人(「B(料理をするのを面倒に感じる)に近い」「どちらかというとBに近い」の合計)は62.8%となった。
料理をするのを面倒に感じる人について世代別に見ると、40代(73.0%)が最も多く、全世代で唯一7割を超えた。
一方で「料理をするのが好きだ」と考える人の割合は、2024年は16.8%に。2022年(21.8%)、2023年(20.4%)と、直近3年間で5.0ポイント減少している。また「我が家の味」があると考える人は約1割(12.1%)にとどまり、2022年(15.9%)、2023年(14.7%)と、こちらも直近3年間で減少傾向だった。
調理の時短を意識している人が、直近3年間で増加
次に、普段の食生活で意識していることについて尋ねた、すると、「自宅での調理の手間や時間」を意識している人は約3割(28.2%)に。2022年(24.3%)、2023年(26.8%)と、直近3年間で増加傾向が見られた。
物価高騰や食品価格の値上げが起きている中で、どのような消費意識・行動にあてはまるかを質問すると、「メニュー用調味料やミールキット」にお金をかけたい人(「値上げに関係なく、これまで以上にお金をかけたい・買いたい」「値上げをしても、これまでと同じくらいお金をかけたい・買いたい」の合計)は、約3割(29.4%)。前年調査となる2023年(23.8%)から、5.6ポイント増加した。
「おいしいものは一人ではなく、誰かと一緒に食べたい」「食べることに幸せを感じる」は直近3年間減少
続いて、回答者自身の「食」や「食生活」周りについて調査。「おいしいものは一人でなく、誰かと一緒に食べたい」と考える人は32.4%となり、直近3年間で減少傾向に。2022年(39.5%)と比べ2024年は7.1ポイント減少した。
「家族との食事は、ストレス緩和になる」と考える人は21.2%で、2022年(26.8%)より5.6ポイント減少する結果だった。また「友人との食事は、ストレス緩和になる」と考える人も、2022年(21.7%)より4.9ポイント減少した16.8%となり、いずれも直近3年間で減少傾向だった。
さらに、「食べることに幸せを感じる」と考える人は60.5%となり、同じく直近3年間で減少した。
「ヴィーガン」「グルテンフリー」の認知率は8割超え
最後に、「ヴィーガン」「グルテンフリー」「完全栄養食」の認知率およびその関わり方について調べた。
「ヴィーガン」について認知している人(「内容について理解していて、かつ自身の生活に取り入れている」「内容について理解している」「言葉は聞いたことがある」の合計)は85.1%、「グルテンフリー」について認知している人は84.0%で、ともに8割を超えた。「完全栄養食」について認知している人は74.8%と、8割に迫る結果だった。
「植物性の肉(大豆ミートなど)を食べたい」人(「A(植物性の肉を食べたい)に近い」「どちらかというとAに近い」の合計)」は37.8%であり、2022年(45.9%)、2023年(41.6%)と直近3年間で8.1ポイント減少した。
【調査概要】
調査対象:全国の15~79歳
サンプル数:1,300
調査手法:インターネット調査
調査期間:2024年8月23日(金)~8月26日(月)
調査機関:電通マクロミルインサイト
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