「望まれないコンテンツの大量生産」を防ぐために
生成AIの登場により、大量のコンテンツを手軽に生み出し、投稿できるようになりました。しかし、SNSアカウント運用担当者がただ闇雲に投稿をするだけでは「ユーザーから望まれないコンテンツ」を大量生産することになります。そうなればエンゲージメントは下がり、SNSのアルゴリズムにも評価されず、これまでの投下工数がすべて無駄になってしまうでしょう。
SNSアカウント運用のPDCAサイクルを回していくにあたって、最初のPlanの工程はとても大事です。仮説を立て(P)、実行(D)し、分析・チェック(C)と対策改善(A)を繰り返していくことではじめて「運用」となります。
今回は、PDCAサイクルのPの部分にあたる、ターゲットの策定とそれに適したコンテンツのアイデア・切り口の検討について、生成AIで効率的に進めていく方法とプロンプトを紹介します。
生成AIを使ったSNSアカウント運用で大事なポイント
具体的な手法やプロンプトを紹介する前に、「SNSアカウント運用で大事なポイント」と「生成AIを使う場合のポイント」をご紹介します。
(1)ユーザーに好まれるとインプレッションが増加する
TikTokのおすすめ欄に代表される、いわゆる「レコメンドメディア」の登場により、フォロワー数がインプレッション数に反映されるのではなく、アルゴリズムに評価される投稿がインプレッションを稼げるという構造にどのSNSも変化しています。
評価アルゴリズムはブラックボックスのため、具体的にどのアクションがあれば評価されるかはわからず、随時アップデートされていくため、一時的にアルゴリズムが判明したとしても対応し続けるのは難しいものです。
しかし、各SNSは滞在時間とアクティブユーザー数を広告で金銭に変換する、というビジネスモデルのため、いずれにしてもアルゴリズムは「ユーザーが好むコンテンツのシグナル(=エンゲージメントや動画視聴時間など)」を評価していると考えられています。
アカウント運用の心構えとしてまず重要なのは、「ユーザーに好まれるコンテンツを作る」ということです。
ハック的な手法で無理やり視聴やエンゲージメントを促す方法もありますが、ほとんどのハックは対策されてきました。ハック的な手法を否定はしないですが、依存するのは注意が必要です。
(2)ターゲットとコンテンツ案をセットで考える
SNS運用では、ターゲットユーザーに対して、相性の良いコンテンツを届けることが大切です。前述の通り、アルゴリズムはユーザーの関心に合う投稿を評価します。誰に向けた内容かを意識すると、評価されやすいコンテンツになる確率が上がります。
ターゲットをはっきりさせると、投稿の内容、口調などのトーン&マナー、クリエイティブなども一貫性を持たせることができます。ユーザーの特徴を理解し、それに合った内容を届けることで、反応が増え、アルゴリズムによる評価も上がり、結果として見てもらえる機会が多くなります。
(3)ステップを切り分ける
SNS運用で生成AIを使用する場合、ステップを切り分けることが重要です。AIを使って一気に投稿作成まで進めると、出力が一貫性に欠けたり、質が低下したりすることがあります。そのため、各ステップを明確に分けて人間が介入し、調整することで高品質なコンテンツが生み出せます。
STEP1.ターゲット案の策定
STEP2.コンテンツアイデア・切り口の策定
STEP3.コンテンツ作成
STEP4.分析・改善アクション
まずはターゲット案の策定を生成AIに手伝ってもらいましょう。次ページからは具体的なプロンプトを紹介していきます。