TBWA HAKUHODOのマーケティング組織「65dB TOKYO」は、「2024年 年間SNSムーブメント大賞」を発表した。
65dB TOKYOは、SNS上のソーシャルボイスを分析し、企業のマーケティングを支援する専門チーム。X、Instagram、TikTokなどのプラットフォームを横断的に分析し、最新トレンドを捉えている。
今回発表の2024年 年間SNSムーブメント大賞では、2024年のSNSで盛り上がりを見せたムーブメントを「Xムーブメント大賞」「X・TikTok横断ムーブメント大賞」「海外比較!消費ムーブメント大賞」の3つの視点で振り返り、それぞれの大賞を決定した。また、特徴的なトレンドをランキング化している。
Xムーブメント大賞「動物ネタ祭り」
2024年にX上で最も話題となった現象として、「猫ミーム」や「好きな○○発表ドラゴン」などの動物ネタが選出された。同チームは、自己発信における炎上リスクを回避しつつ、動物キャラクターを通して楽しく自己表現できるフォーマットが、多くのユーザーに支持されたと分析している。
X/TikTok横断ムーブメント大賞「○○界隈」
XとTikTokの両方で共通して盛り上がりを見せた現象として、「〇〇界隈」が選出された。「界隈」に関する投稿は、2022年から増加傾向にあり、同年に1,000万回を超え、2023年には1,200万回、2024年は10月時点でさらにこれを上回る伸びを示している。
「界隈」という表現は、2023年までは「トー横界隈」「水色界隈」などの所属を表す言葉として使われていたが、2024年はその範囲が拡大。Xでは、アンダーグラウンドな事象、TikTokでは動画に落とし込みやすい行動・アクティビティ系の「界隈」が広がったと、同チームは分析している。
海外比較!消費ムーブメント大賞「キンダーカルト」
海外の動向と比較し、日本独自の流行が見られたSNSトレンドを選定した「海外比較!消費ムーブメント大賞」は、グローバルトレンドとして注目された「キンダーカルト(大人が子どもに戻って楽しむ消費)」。日本市場では、「平成女児チョコ」に代表される懐古的消費、「セボンスター」のリメイクのような独自表現を加える消費、「フエラムネ」付属のおもちゃ人気など、低価格帯での気軽な消費が特徴となった。
一方、アメリカやシンガポールでは、「妄想体験」を重視する傾向と、昔懐かしい商品を楽しむよりも、新規開発の大人向け商品を好む特徴があると、同チームは指摘している。
これら3つのムーブメントから、同チームは「自己表現をリスクなく、土台があった上で表現したい」という共通のインサイトを見出している。また、表現の自由とリスク回避を両立させる選択肢がムーブメントとなる傾向は、2025年も継続すると予測している。
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