電通は、2024年1月に発表した次世代マーケティングモデル「Marketing For Growth」を、「Marketing For Growth Retail Media」としてリテールメディア領域にも展開。サービスの提供を開始した。
同サービスでは、国内電通グループ横断組織「dentsu retail unit」の専門スタッフが中心となり、各種購買データを統合的に分析してリテールメディアへの投資を拡大する企業のマーケティングを支援する。またグローバルでも、リテールメディアを活用する企業を対象にコンサルティングから運用、最適化までサポートし、新たな収益を創造する支援体制を整えていく。
具体的には、メーカー企業のリテールメディア活用に対して、以下のような統合支援サービスを提供する。
ID単位でのマーケティングPDCAの提供
「Marketing For Growth Retail Media」概念図の「1.Mechanism Resolving(市場構造解明・インサイト解明)」「4.ROI Management(管理と継続改善)」領域として、リテールごとのIDデータを活用し、3つのレイヤーでマーケティングPDCAの実行支援を行う。またPDCAを通じて、マーケティング投資対効果(mROI)の把握と向上を継続的に行っていく。
「単一リテール内におけるPDCA」のレイヤーではターゲットとKPIを設定し、小売企業とともにトライアルやリピートなどの施策を短期で回しながら、中長期で顧客を育成。「複数リテールメディアの統合PDCA」のレイヤーで各小売企業の特徴を踏まえつつ個別に課題を設定し、課題の優先順位などに基づき小売企業間の予算配分を行う。その上で施策効果を統合的に読み解きながら、効果の高いリテールメディアへの投資を最適化する。
「マスメディアと複数リテールメディアを統合したPDCA」のレイヤーでは、上記2つのPDCAフレームにマスメディア施策も統合し、効果の把握とメディア全体予算の最適化を実施する。
リテールごとに最適化されたシームレスな顧客体験の提供
概念図の「2.Value Designing(価値構造設計)」「3.360°Experience(体験設計実装)」の領域では、リテールごとのリテール施策(リテールメディア)、テレビやデジタル広告といったメディア施策、そして購買後のCRM施策などを連携させるため、国内電通グループ各社の強みと各施策の連携を強化しつつ、複雑なオペレーションを実現する体制を整えていく。これにより、日常の接点から店頭まで一気通貫したシームレスな顧客体験の提供を目指す。
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