SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第108号(2024年12月号)
特集「2025年・広告の出し先」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

中山さん、コンマケのモヤモヤに答えをください。

生成AIで作る記事…本当に読者に響いていますか?【コンテンツマーケティングの誤解】

 生成AIの活用は、コンテンツマーケティングにおいて欠かせない要素となりつつあります。しかし、「生成AIを使えば高品質な記事がパッと作れる」「全部AIに書かせれば楽ができる」といった誤解が、読者のニーズを見失う原因になっている……と想像したことはありますか? コンテンツマーケターが陥りがちな代表的な誤解を取り上げ、自己満足的なコンテンツを生み出してしまうメカニズムや、読者に響く本当に価値あるコンテンツを作るための改善ポイントを解説します。

★本連載の前回はこちら

生成AIを使えば質の高いコンテンツが簡単に作れる?

 生成AIは、調査や分析などの「与えられたデータを基に作業をスピーディーかつ正確にこなす」点では優秀であり、文章執筆でも一定のクオリティを担保する力があります。内容の正確性も、(プロンプトや指示にもよりますが)ジャンルによっては驚くほどの精度を披露してくれたりもします。

 とはいえ、それが「読者に響くコンテンツ」なのかどうかは、別問題です。AIは確かに効率的に情報をまとめ、一定の品質を備えた文章を生成しますが、読者の心に深く訴えかけるような「共感」や「感情」を生み出す能力には限界があります。読者が抱える悩みやニーズを理解し、それに応える本質的な価値を提供できるかどうかを判断できるのは(現時点では)人間です。

画像を説明するテキストなくても可

 品質はプロンプトや活用の方法にも依存します。適切な指示が与えられなければ、表面的な情報やありふれた内容に終始し、深みのある価値は提供できません。どれほど高性能なAIであっても、ユーザーの本質的な問題を理解し、それに合った解決策を示す「洞察」までは生成してくれないのです。

AIと人間の役割を分担する

 前述のような課題を解決するためのポイントは「AIの強みを活かしつつ、人間が補完する役割を担う」だと私は思っています。これを実現するためには、AIと人間の役割分担を明確にし、それぞれの得意分野を組み合わせる必要があります。

 たとえばこんな具合です。

1.AIの役割:調査、情報整理、骨子作り

 AIは膨大な情報を短時間で処理し、効率的に骨子を作る能力に優れています。このプロセスをAIに任せることで、人間が行っていた作業を大幅に効率化できます。

調査

  • キーワードに基づく関連情報の収集や、トレンド分析
  • SEOに最適化されたテーマや見出しを生成し、コンテンツの方向性を定める
  • 競合分析をし、自社に不足している視点や深みを特定する

情報整理

  • 膨大なデータや記事から関連性の高い情報を抽出し、要約する
  • コンテンツの土台となる構造やセクションを整理する

骨子作り

  • コンテンツの大枠や章立て、仮の見出しを提案する
  • 情報の流れをスムーズに設計し、後の執筆を効率化する

2. 人間の役割:独自の視点、経験、感情を加える

 生成されたコンテンツをそのまま使うのではなく、人間が感情の要素や経験、考察を加えることが読者に響くコンテンツを作る鍵です。

独自の視点を反映

  • 自社の強みや独自性、業界での経験を反映させ、他のコンテンツと差別化

  • AIが拾いきれない「現場の声」や「裏話」など、価値ある洞察を提供する

読者に共感を与える感情的な要素

  • 「人間らしい共感」を生むために、ターゲットの悩みや欲求に寄り添った表現を加える

  • 実際の読者の視点に立ち、「この情報は助けになるのか?」と自問する

クリエイティブな表現の工夫

  • 比喩やストーリーテリング、具体例を使った説得力のある表現

  • ユーモアや親しみやすさを感じさせる文章のトーン

次のページ
“AIっぽさ”の正体とは?

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
中山さん、コンマケのモヤモヤに答えをください。連載記事一覧
この記事の著者

中山 順司(ナカヤマ ジュンジ)

SEO・ソーシャル・動画の3領域でのコンテンツ企画と制作が得意な生粋のコンテンツクリエイター。ソフトバンク、楽天トラベル、Six Apart、freee、ファベルカンパニーを経て2024年に独立。コンテンツマーケティングを専業とし、オウンドメディアとYouTubeの設計 / 企画 / 執筆 / 編集 / 分析 / 改善 / SEO を幅広く行う。MarkeZine、Web担当者Forum、ねとらぼ、WorkshipMAGAZINE等で執筆しつつ、Content ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2025/01/17 07:00 https://markezine.jp/article/detail/47920

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング