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中山さん、コンマケのモヤモヤに答えをください。

“権威性”の演出、やりすぎていないですか?【誤解だらけのコンテンツマーケティング】

 コンテンツマーケターなら誰もが気にするE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)。Googleの評価基準として重要視される以上、「権威性のある記事を作らなければ」と考えるのは当然です。しかし、権威性を意識しすぎるあまり、「一次情報がなく、既視感のある情報の寄せ集めになってしまう」「専門用語やデータばかりで、読者が離脱する」「この情報は信頼できる!とアピールしすぎて、売り込み臭が出る」となっては本末転倒です。読者が求めている情報とはズレた記事になってしまう落とし穴を掘り下げつつ、“信頼される”コンテンツの作り方を考えてみます。

★前回はこちらから

なぜ“権威性”を重視しすぎてしまうのか?

 「権威性が高い=検索上位が上がる」という考え方は一見すると正しいです。医療や金融など、YMYL(Your Money or Your Life)領域では、権威性が高いサイトが評価されやすいのも事実です。

 問題は「権威性を重視すること」と「読者にとって価値のあるコンテンツを作ること」が一致しないこと。権威性だけを意識しすぎると、以下の問題に陥りやすいのです。

「権威性の演出」と「実際の価値」は別物

 SEOの観点でも、Googleが求めているのは、あくまで価値のある情報であり、「権威がありそうに見えるコンテンツ」ではありません。たとえば、医療系の記事で「医師監修」と記載されているだけでも一定のハッタリ効果はありますが、内容が浅かったり、実際の治療現場と乖離していたりすると、順位が下がるケースもあります。

“権威性だけ”では検索順位は安定しない

 もし「権威性が高い=検索上位に上がる」のであれば、常に大手メディアや有名企業のサイトが検索結果の上位を独占するはず。しかし、実際には小規模メディアの記事が上位表示されるケースもあります。これは「権威性」だけでなく、検索意図とのマッチ度やユーザー体験(UX)」を重視しているためだと考えられます。

 たとえば、

「公式サイトの説明は、網羅的だが難解すぎる」

「専門家の論文は正しいが、実際に何をすればいいのかわかりにくい」

 といった場合、よりわかりやすく、実用的なコンテンツが評価されることもあります。権威性はプラス要素にはなっても、それ単体ではSEOの決定打にはなりません

 読者が求めているのは「専門家の意見」そのものではなく、「自分の課題を解決するための情報」です。権威性が高くても、読者の課題を解決しない情報は離脱率が高まり、結果としてSEO的にも不利になります。検索上位を狙うなら「権威性」に加えて「読者のニーズを満たす」必要があります。

“権威性”を意識しすぎて陥る落とし穴

 「権威性のある記事を書かねば」と力むあまり、“権威性がありそうなコンテンツ”を作ってしまう本質的でないケースがあります。

 失敗例を三つ紹介しながら、それを避ける方法を考えてみます。

1.一次情報がない「どこかで見たことある記事」になる

  • 専門家の意見を引用する
  • データや調査結果を盛り込む
  • 公式機関の情報を多用する

 こうした手法に頼りすぎると、情報は正しいけれど、検索上位の記事と似たような構成・内容になり、「虎の威を借りただけ」の記事になります。

 たとえば、こんな記事になっていないでしょうか?

  • 「〇〇の専門家によると…」「△△大学の研究では…」と引用が並ぶが、筆者の視点や解釈がない
  • 既存データを組み合わせただけで、新しい発見や読者の疑問に対する答えがない

 権威ある情報を活用するのはけっこうですが、「自分だから書ける視点」や「現場のリアルな課題」を組み込むことは忘れずに。

・データが示す通りだが、現場ではこういう例外もある

・専門家はこう言っているが、実際に試すとこんな課題がある

・この研究結果を現場で活かすなら、こういう工夫が必要

 といったアイデアを凝らしてみましょう。

次のページ
本当に“信頼される”コンテンツの作り方

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この記事の著者

中山 順司(ナカヤマ ジュンジ)

SEO・ソーシャル・動画の3領域でのコンテンツ企画と制作が得意な生粋のコンテンツクリエイター。ソフトバンク、楽天トラベル、Six Apart、freee、ファベルカンパニーを経て2024年に独立。コンテンツマーケティングを専業とし、オウンドメディアとYouTubeの設計 / 企画 / 執筆 / 編集 / 分析 / 改善 / SEO を幅広く行う。MarkeZine、Web担当者Forum、ねとらぼ、WorkshipMAGAZINE等で執筆しつつ、Content ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/03/05 08:00 https://markezine.jp/article/detail/48367

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