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解説!ホワイトペーパー活用術

ホワイトペーパーの作り方と同じくらい大事な「届け方」のコツ

成果を出す届け方②“お役立ち”資料をメルマガ一斉送信

 次に、特定のターゲットに対して作成したホワイトペーパーをメルマガで配信する、という定番の届け方について紹介します。

 「ホワイトペーパーをメルマガで配信する」と聞けば、そうだよねと思う方も多いかもしれません。思い浮かぶのは以下のようなプロセスではないでしょうか。

  1. ホワイトペーパーを作る
  2. 特定のターゲットに配信する
  3. クリックをした顧客に架電する
  4. 商談打診 or セミナー誘導

 このプロセスで商談化することは難しく、インサイドセールスの工数が無駄になってしまうだけです。

 営業資料を送りつけてこちらから架電するのではなく、“お役立ち”資料を提供してお客様からの相談を待つのがホワイトペーパー施策です(もちろんMAツールでのスコアリングがホットリード基準に達していたら営業アプローチをしても良いでしょう)。

メルマガでホワイトペーパーを一斉送信するケースの図です

 お役立ち情報を定常的に提供して、第一想起を獲得し、相談に備えるには、「テーマ」と「頻度」が重要になります。

テーマ

 お役立ち情報になるテーマは大きく分けて以下の4タイプです。

  • 常日頃営業担当が、既存顧客や見込み顧客から聞かれること
  • 他の企業がうまくいっている事例
  • 該当業界の最新情報
  • 終了したセミナーの内容

 実際に弊社がクライアントから依頼を受けて作成し、CVRが高かったホワイトペーパーのタイトル例を挙げておきますので参考にしてみてください。

  • △△法対応のための〇〇の作り方
  • 〇〇対象 XX名調査。△△を伸ばす〇〇の方法
  • 〇〇社のリード獲得XX%を実現した△△活用術

頻度

 また、頻度としては月1~2本を目標に取り組むことをおすすめします。この頻度を継続するためには「ネタ切れ」と「コンテンツ制作リソース不足」が課題になります。コンテンツ制作リソースは外注や採用で対応するしかありませんが、ネタ切れについては、以下のようなトリガーを設定することで解決できます。

  • セミナー開催
  • オウンドメディア記事更新
  • 営業チームとの定例会議
  • 導入事例追加

 たとえば、セミナー開催後にセミナー内容を整理したホワイトペーパーを制作したり、営業チームとの定例会議で「既存・見込み顧客からの質問・疑問」を回収し、その回答をホワイトペーパー化したり、といった具合です。

成果を出す届け方③インサイドセールスが1to1で送付

 最後は、インサイドセールスが対1顧客に送付するというもの。1対多数への情報提供によるリード獲得以上に、1顧客にとって役に立つ情報を提供することでの商談獲得の重要性を改めて説明します(このホワイトペーパーを提案資料・営業資料と呼ぶ場合もあります)。

インサイドセールスがホワイトペーパーを送付するケースの図です

 ホワイトペーパーの公開や、メルマガでの送付を行って成果がでないときは、既存リードの1顧客向けにカスタマイズしたホワイトペーパーを制作・送付しましょう。

 ホワイトペーパーの役割は「『信頼できる会社』だと認知され、第一想起を獲得し、中長期での大量の商談化を目指すもの」が基本になります。

 信頼できる会社として認知される最も有効な手段は「あなたが一番欲している情報を届ける」ということ。過去獲得したリードの中で、相談内容に質問が記載されているものがいくつかあるはずです。その相談内容に答える形でホワイトペーパーを制作し送付します。

 たとえば「内製か外注で迷っているので料金が知りたい」といった相談内容で未商談のリードには「内製の場合と外注の場合のコスト・期待効果シミュレーション」をまとめた資料を制作・送付します。

 このように、知りたいことに100%合致する“あなた向け”の情報を提供することで、信頼を得ることができ、商談化の可能性が生まれます。見込み顧客が知りたい内容が想定できない場合は、以下のテーマで作成すると良いです。

  • 〇〇円を△△に投じた場合の、コストシミュレーション
  • 〇〇社向け 類似事例集

 以下の画像は実際に弊社が「インサイドセールスが送付する資料」としてクライアントに作成した資料フォーマットです。

筆者の企業が実際に送付している資料のフォーマットの図です

すべてのホワイトペーパーは顧客起点

 ここまで以下の3つのホワイトペーパーの使い方を紹介してきました。

  1. オウンドメディアの各記事に設置
  2. “お役立ち”資料をメルマガ一斉送信
  3. インサイドセールスが1to1で送付

 これらに取り組む際は、3→2→1の順をおすすめします。理由は「潜在顧客のニーズを捉えるのは難しい」からです。1や2は見えない多数の潜在層のニーズを想像しないといけないのに対して、3は目の前の一人の顕在層のニーズを聞けば良いだけです。

 1顧客向けに作成したホワイトペーパーを、他の同じような状況の見込み顧客に送付すれば、ニーズが満たせる可能性があります。そうして、評価の高い/成果につながったホワイトペーパーを、メルマガで送付したり、オウンドメディアのテーマが合致する記事に設置することができ、無駄のない施策実行を実現することができます。

 本記事が、ホワイトペーパー施策で悩んでいたマーケティング担当の参考になれば幸いです。

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この記事の著者

佐藤 立樹(サトウ リキ)

立命館大学卒業後、2019年株式会社Coneを設立。資料作成代行サービス「c-slide」、 記事作成代行サービス「c-blog」などのBPO事業を展開し、BPOサービス比較サイト「b-pos」をリリース。BPO事業は累計支援企...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/01/29 08:00 https://markezine.jp/article/detail/48131

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