自然災害に対する年代別の「備え」の状況
図1は、全国20~79歳男女の自然災害に対する「備え」の状況を年代別に見た結果です(2024年5月調査時点)。

対象者:全国20~79歳男女 サンプルサイズ n=21501 調査実施時期:2024年5月
年代が高くなるほど「備えをしている」割合が高くなっています。60代以上では、67.2%の人が備えをしていますが、20代では45.7%と半数を下回ります。20代で備えをしていない人に注目すると、「備えをしていないが、今後は備えをしたい」と思っている人が35.2%、「備えをしておらず、今後も備えの予定はない」と答え、備えに対して意識が向いていない人が19.1%いることがわかりました。
若い世代の「備え」への関心を高めるためにはどんな工夫が必要でしょうか。年代別に備えている人のきっかけを見てみましょう。
きっかけの深堀りで「備え」のタイミングを探る
備える人を増やすヒントを得るために、「備え」を始めた複数のきっかけについて年代構成比を見ていきます(図2)。

対象者:災害に対して「備えをしている」と回答した人 サンプルサイズ n=12449 調査実施時期:2024年5月
まず、ライフイベントと関係する3つのきっかけを比較してみましょう。「引っ越しや家の購入」と「ペットを飼い始めた」が「備え」のきっかけになった人たちは、各年代とも20%前後とほぼ均等でした。一方で、「家族が増えた」では、30代が42.2%と最も年代構成比が高く、続いて40代が27.2%、20代が18.9%で続いています。
「引っ越しや家の購入」と「ペットを飼い始めた」のタイミングは、どの年代にも「備え」を訴求でき、若い世代に対しては、「家族が増えた」タイミングが「備え」を意識するタイミングになることがわかりました。
引っ越しや家の購入、家族やペットが増えるといったライフスタイルの変化時は、金額だけでなく「消費」のバラエティも増えます。各タイミングで生活者とのタッチポイントを持ち(例:引っ越し後の転入届の手続き時、家具や家電購入時、保険加入時、ペットフード購入時など)、備えの必要性を訴え、「備え」を導入しやすい商品やサービスの提案をすることで、備えている人の割合を増やすことに繋がります。
ライフイベント以外の「備え」のきっかけは、自然災害の経験と情報発信についてです。いずれも年代が高いほど年代構成比に占める割合が高くなる特徴が見られました。