生成AIで変わる、インタビュー後の分析工程
ではここからは、以前公開した《「ペルソナ」を作ると失敗する? Z世代向けマーケティングの勘違い 》の元となったインタビューのテキストデータを生成AIに読み込ませ、実際に行った検証の結果を解説していきます。なお、今回のインタビューについては、インタビュー参加者から事前に「生成AIにデータを読み込ませる」ことについて同意を取得した上で実施しています。
定性調査のレポート作成は(1)デブリーフィング、(2)データの解釈、(3)レポートの全体構成の決定、(4)レポートの作成の4つに分けて考えることができます。それぞれの工程において、実際にどの程度まで活用が進んだのかを解説していきます。

【フェーズ1】デブリーフィング
デブリーフィングのフェーズでは、ディスカッションに使う手元資料を出力できると考えられます。生成AIは、テキストデータさえあれば、インタビュー終了後、対象者の発言を要約し、整理することが可能です。図のように対象者ごとの発言内容の要約を、各インタビュー項目に沿って出力することにも成功しています。

この要約は、インタビュー終了後に関係者でインタビューの振り返りをする時の手元資料として活用ができる可能性があります。今までは関係者が各々でとったメモを見ながら、インタビュー後の振り返りをすることが多く、すべてのインタビューを見られていない人との間に認識の差が生まれたり、メモを取り切れなかったところはディスカッションの際に漏れてしまうことがありました。この手元資料があることで、対象者の発言を関係者全員で改めて共有することができ、振り返りの際のディスカッションがより活性化することが期待できます。加えて、インタビュー中に関係者が細かいメモを取る必要がなくなるため、より対象者の話の内容に集中できるというメリットも考えられます。