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SEOからGEO/AEOへ “検索されない”生成AI時代、企業が取るべき3つの対策

企業が取るべき3つの対策

 こうした変化に対応するために、企業がすぐに実行できる3つの具体的なアクションを紹介する。

 第一に、FAQや製品情報の構造化が挙げられる。たとえば、JSON-LD形式で構造化されたFAQは、Googleのリッチリザルトにも対応しつつ、生成AIによる引用にも有効である。CMSによっては、簡単にスキーママークアップを追加できるプラグインもあるため、小規模な組織でも導入は難しくない。

 第二に、AIが処理しやすい文体と構成への配慮が必要だ。冗長な表現や曖昧な記述を避け、1センテンス1アイデアで構成された論理的な文章が好ましい。また、段落の冒頭に要点を置く「結論先出し」のスタイルは、生成AIにとって有益な構文となる。

 第三に、一次情報の公開とデータの透明性を強化することが鍵となる。たとえば、独自の調査結果や業界インサイト、自社で実施した実験結果などを掲載し、それに信頼できる出典や著者情報を添えることで、AIからの評価が高まる。これは、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)という観点でも効果がある。

日本企業はどう備えるべきか?

 既に海外では、HubSpotがAEOに早期から取り組んでいる。同社はナレッジベースをFAQ形式で整理し、構造化マークアップを徹底することで、生成AIに参照される確率を高めている。また、AdobeはAPI経由で製品情報を提供し、ChatGPT PluginやCopilot系のツールとの連携を視野に入れてコンテンツ戦略を設計している。

 日本企業も、こうした事例を参考にしつつ、次のようなステップから着手できる。まず、既存のFAQやお問い合わせページを棚卸しし、内容を明確化する。次に、Webページやブログ記事に構造化データを適用し、定期的に更新する運用体制を整える。そして、社内に蓄積されている独自ナレッジを文章化し、信頼性ある形式で発信する

 たとえば、地方の中小企業であっても、自社の技術やサービスにまつわる「よくある質問」を明確に整理し、構造化してWeb上に公開するだけでも、生成AIへの露出度は高まる。AIは情報の「大手発信者」だけでなく、構造的で信頼できる「専門的出典」を高く評価するため、ニッチな業種においてこそ差別化が可能になる。

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まとめ:検索の本質は「信頼される情報提供」へ

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この記事の著者

中井千尋(Livit)(ナカイ チヒロ)

大学卒業後、金融機関勤務を経て、イギリスへ留学。そこで培った語学力を活かし、帰国後は企業の語学研修コンサルティングに携わる。シンガポールに渡り、大手日系商社に転職。シンガポール人、インド人、オーストラリア人、モンゴル人、中国人など多国籍社員が集う場でのビジネスを経験。その後、オランダに渡り、ライターとして独立。分野...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2025/06/03 09:30 https://markezine.jp/article/detail/49118

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