SNSの雄「mixi」が「エコー」を導入!
この夏、国内ではWassrがTwitterを追うという構図が完全にできかけていたところに、8月4日これまた突如として、国内最大のSNSサービス「mixi」を運営する株式会社ミクシィが、インディーズ機能として「エコー」というミニブログサービスを開始した。インディーズ機能なので9月1日までの試験的な公開だが、ユーザーの反応によっては正式サービスとしても検討するとしている。
エコーは、「マイミク」というmixiの既存のコミュニティに乗っかった形でのミニブログサービスで、まだ様子を見ているためかもしれないが、驚くほどに単機能である。自分がいまなにをしているかを150文字の短い文章で書き込む。それをマイミクが読んだり、返信することができる。ただそれだけだ。
たとえばmixi日記の更新情報を通知するといった、RSSあるいはボットのような利用方法も考えられるが、そういったオプションは用意されていない。mixiの「コミュニティ」などの他の機能との連携もない。実にシンプルなミニブログである。
それどころか、アクセス制限やプライベート機能のようなものもなく、エコーで発言したつぶやきは、mixi内に全公開されている。ただし、mixi全体での新着エコーを一覧するようなパブリックタイムラインが無いため、無制限に公開されているという感じはない。自分のタイムラインで、誰かが自分のマイミク意外に返信をしているときに、そのハンドル名をクリックしてマイミク以外のタイムラインを見に行くというのが一般的だろう。
このようなシンプルなつくりでは、Twitterに張り合うことはできないのではないかと考えてしまうが、意外とそうでもないようだ。なぜならミニブログの既存ユーザーよりも、mixiの利用者のほうがはるかに多いからである。
Twitterが今年2月に発表したブログ記事によると、Twitterの国別のトラフィックのうちアメリカが全体の4割を占めている。残りの米国外からのアクセスのうち日本が約4割で、最も多い。計算すると、全トラフィックの約1/4が日本からということになる。Twitterはユーザー数を公開していないが、Twitterのディレクトリサービスを提供するTwitDirによると、約200万ユーザーが確認されており、単純計算では日本のユーザーは50万人強と推測される。
一方で、mixiのユーザー数はこの夏なんと1,500万人を突破している。規模の上ではまったく勝負にならないわけで、いままでミニブログを見たことも聞いたこともないユーザーや、Twitterにはどうも入っていけなかったというユーザーが、エコーを使いはじめている。mixiの公開日記を「エコー」で検索してみると、「これはいったい何?」「なにが面白かわからないけどはじめてみました」というような、2006年4月ごろにTwitterが流行りはじめたときと同じような反応が多数見られるのである。
エコーはまだ単機能の骨格しかない状態であるがゆえに、ユーザーの反応を見つつ、mixiに合った形にアップグレードしていくこともできる。1,500万ユーザーという基盤をミニブログに取り入れることができるかどうか。mixiの手腕が問われるところだ。
