LINEヤフー×タイミーのデータで「ワーカーへ最適な求人を届ける」精緻な広告配信を実現
MZ:Yahoo!広告の「アプリデータを活用した動的ディスプレイ広告」の特徴や強みを教えてください。
田中(LINEヤフー):ユーザーの行動履歴に合わせて最適な広告を自動生成する「ダイナミック広告」は他社にもありますが、Yahoo!広告ならではの強みは、やはり「データの質と量」です。LINEヤフーの膨大なユーザーデータを活用することで、精度の高いターゲティングが可能になります。
そして今回の取り組みの最大のポイントは、そのLINEヤフーのデータに、タイミー様が持つワーカーのアプリ内行動データを掛け合わせた点です。これにより、非常に精緻なセグメント設計と広告の出し分けが実現しました。
ビジネスデザイン統括本部 第二ビジネスコンサルティング本部 ビジネスコンサルティング5部 コンサルティング1チーム
田中いづみ氏(所属は取材時)
MZ:具体的に、どのように広告を設計・運用されたのでしょうか?
大西(CyberACE):LINEヤフー側、タイミー側のデータを有効活用しながら、3つのセグメントの掛け合わせで設計しました。
1つ目は「求人セグメント」です。これはタイミー様の求人データを活用し、「どの求人を」表示するかのセグメントです。エリアや職種といった求人情報に基づき、ワーカーのお住まいや現在地から通える範囲の求人を的確に届けます。
2つ目は「ワーカーセグメント」です。こちらはタイミー様のアプリ内行動データを基に、「どのユーザー層に」広告を配信するかを定義します。たとえば、アプリインストール後の日数や、最後にアプリを起動してからの日数でユーザーを分類し、私たちのターゲットである未稼働のワーカーへ効率的にアプローチできるようにしました。
3つ目が、両社の行動データを活用した「特定セグメント」です。これは、特定の興味・関心を持つユーザー層をさらに深く捉えるためのものです。「普段から軽作業系の仕事を探している方は、他にどんなことに興味があるか?」といったペルソナレベルまで掘り下げ、よりターゲティングの精度を高めていきました。

大西(CyberACE):この3つのセグメント設計で一貫して目指したのは、「ワーカーに、最適な求人を届ける」ことです。両社のデータを掛け合わせることで、ワーカー一人ひとりの状況やニーズに寄り添った、精度の高い広告配信が実現できたと考えています。
稼働転換率326%増!稼働率も4.7ポイント引き上げ、ダイレクトに事業成長に貢献
MZ:今回の取り組みで得られた成果について教えてください。
江崎(タイミー):条件やセグメントを変えながらABテストを重ねた結果、稼働率や稼働転換率の向上など大きく4つの定量的な成果が得られました。

1つ目は、未稼働ワーカーの稼働転換率増加です。従来のアプリTOPに遷移させる場合と、今回のディープリンクを使った求人TOPに遷移させる場合を比較したところ、求人TOP遷移の場合の稼働転換率が326%も高い結果になりました。

2つ目は、注力求人における稼働転換率向上です。当社では、業務直前になってもワーカーが集まりにくい求人や、特定の経験が必要な求人を「注力求人」と定義しています。今回は勤務地周辺のアクティブユーザーを増やして応募を促進するために、位置情報データを活用した既存ワーカー配信を実施。結果、広告を配信していないワーカーと比較して、広告を配信したワーカーの稼働転換率は164%となりました。

3つ目は、CPA(応募単価)の改善です。新規ワーカーより、既存ワーカーのほうが稼働につながりやすく、結果的に新規流入の場合と比較して、CPAを約3分の1にまで抑えることに成功しました。

4つ目は、全体の稼働率の向上です。新規獲得広告経由で創出できた稼働率と比べ、今回のダイナミック広告で創出できた稼働率は4.7ポイント高い結果となりました。稼働率が1%でも高まれば、事業に大きなインパクトをもたらしますので、4.7ポイントの増加は非常に価値ある数値です。


