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指名検索スコアランキング

2025年第3四半期、視聴者が思わず検索したCMは?「食品・菓子」ジャンルの傾向を分析!

 スマートフォンの普及により、スマホを片手にテレビを視聴する「ながら視聴」が一般的な光景となっています。テレビCMの効果指標として「指名検索数」を重視しているノバセルでは、CM放映の前後数分間に増加したブランド名の検索数を、放映量で割った数値を「指名検索スコア」として設定しています。このスコアが高いほど、テレビCMが視聴者に強い印象を与え、ブランド名が検索されたと評価できます。本記事では、すべてのテレビCMの指名検索スコアを可視化できる「ノバセルトレンド」を活用し、2025年7~9月に放映されたテレビCMを対象に「業種別 指名検索スコアランキング」をご紹介します。今回は、季節要因などの影響が見られた「食品・菓子業界編※」に注目し、その中でランキング上位となったCMの傾向についても分析していきます。

2025年7月~9月の指名検索スコア【食品・菓子業界編】

 本記事では、2025年7月~9月の期間においてランキング上位のテレビCMを「ノバセルトレンド」で分析し、トレンドや傾向を見ていきます。

2025年7~9月 指名検索スコアの高いテレビCMランキング
2025年7月~9月 指名検索スコアの高いテレビCMランキング

※放映地域は関東/期間は2025/7/1~2025/9/30放映分のみ/放映回数30回以上/一部ブランド制限あり
放映回数・imp(単位:100万):「インテージ Media Gauge TV/エム・データ 全国CMマスタ」
※ノバセルトレンドによる業種分類に基づく
(出所)ノバセルトレンド

指名検索スコアとは

 ノバセルでは、テレビCMインプレッション100万回あたりの分間指名検索数を「指名検索スコア」と定義しています。スコアが高いほど、検索獲得効率が高いとされており、クリエイティブや放映枠を相対的に比較する際の指標として活用されています。

1位はハウス食品に Mrs. GREEN APPLE起用のCMやキャンペーンが話題

 食品・菓子業界において2025年7月~9月に検索数が多かったCM上位10ブランドには、旬のタレントを起用した定番商品のスペシャルキャンペーンや猛暑の健康対策、夏休みの子ども向け食品など、夏本番の「おうち時間」を彩るラインアップが並びます。多くがタレント起用のCMで、「飾らない日常における特別感」をテーマにしたクリエイティブが多い点も特徴です。

 1位のハウス食品は、同社の主力製品であるカレールウの中から「バーモントカレー」「ジャワカレー」「こくまろカレー」の3ブランドに焦点を当てたCMを展開。人気ロックバンドMrs. GREEN APPLEが森の中で「不思議なカレーパーティー」に遭遇する映像が印象的です。今年デビュー10周年を迎え、多方面で精力的に活動する同バンドですが、ミュージックビデオのような世界観や関連グッズをプレゼントするキャンペーンもSNSで話題になりました。

 また、6位の「ポッキー」は10年ぶりのリニューアルを記念して9月に新CMを公開。過去に俳優・新垣結衣さんが出演したCMが伝説として語られるなど、“スターの登竜門”ともされるポッキーのCM。本CMでは若手俳優の白本彩奈さんがイメージキャラクターに起用され、大きな注目を集めました。ヒップホップグループ・スチャダラパーとロックバンド・なきごとという新旧ミュージシャンと共に「ポッキーの革命」と題した赤を基調とするクリエイティブで、ポッキーの普遍性と進化をアピールしています。

2位以降は「明治プロビオヨーグルトR-1」「キャラパキ」「キリ」が続く

 2位の「明治プロビオヨーグルトR-1(俳優・仲間由紀恵さん、賀来賢人さん、永尾柚乃さん出演)」と8位の「恵 megumi(タレント・YOUさん、MEGUMIさん出演)」は、健康機能を打ち出したヨーグルト製品です。前者は猛暑対策として医師が薦める「体調管理に本気の乳酸菌」を訴求し、後者は中年期に向けた内臓脂肪の減少と善玉菌の増加をうたう「カラダの変わり目にガセリ菌」を提唱し、多くの検索を集めました。

 3位にランクインしたのは、バンダイから発売された“遊べるお菓子”「キャラパキ」です。パフ入りの板チョコレートをパキパキ割ってキャラクターやアイテムを取り出すスタイルが人気を呼び、様々なバージョンが発売されています。今回は“元祖”とも言える「発掘恐竜チョコ」のCMで、少年が冒険気分を体感する様子が描かれています。

 4位の「キリ」は「いつも私にやさしさを」というタグラインのもと、オフィスのランチタイムや自宅のリビングで「ふっと心が満たされる」女性の一日を表現しています。9位の「リッツ」も「飾らないって、最高のおもてなしだ。」というメッセージで、タレント・SHELLYさんがお昼どきの“おうち女子会”で仲間とリッツサンドを囲む姿を映しています。

 5位の「ぱくぱくプレキッズ」は、離乳食卒業後の1歳半~2歳ごろを対象とした幼児食。人気子ども番組『シナぷしゅ』とのコラボCMで、キャラクターと子どもたちが食堂ごっこをしながら食事を楽しむ番組仕立てのクリエイティブになっています。

 2025年のNHK連続テレビ小説主演や世界陸上アンバサダー、紅白歌合戦の司会抜擢などで目覚ましい活躍を見せている俳優・今田美桜さんを起用した「ミスタードーナツ」は7位にランクイン。ブランドタグライン「いつもあるのに、いつもあたらしい。ミスタードーナツ」のもと、「ミスド集合で」を合言葉に、オフィスでのランチタイムの至福の時間を描いています。

 他方で、10位の「パスタキューブ」のCMは人気ドラマ『きのう何食べた?』シリーズでカップル役を演じた俳優・山本耕史さんと磯村勇斗さんが共演。2人が家で楽しそうに料理をする掛け合いはドラマファンの反響も大きく、「勝手にパスタがうまくなる。」という簡単調理ながら「シェフを呼んでください!」と唸るほどの美味しさを想起させ、視聴者の興味をそそる作りになっています。

次のページ
「ハウス食品」「ポッキー」CMの反響を分析

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この記事の著者

ノバセル株式会社(ノバセルカブシキガイシャ)

 マーケティングの民主化をミッションに掲げ、テレビCMなどの広告動画の企画・制作・放映・分析までをワンストップで提供しています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/11/10 09:00 https://markezine.jp/article/detail/50044

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