今、改めて問われるインターネット広告の「質」
MarkeZine編集部(以下、MZ):「High Impact広告」は「アテンションの質」を重視して開発された広告とお伺いしています。まずは、フリークアウトがこうしたプロダクトに注力している背景から教えてください。
中島(フリークアウト):インターネット広告は効果を可視化しやすいがゆえに、CPCやCTRなど、追いやすい指標ばかりに偏重してしまう側面があります。
たとえば、意図しないクリックを誘発するバナーや、広告をクリックするとなかなか記事に戻れないメディアなどは、誰もが煩わしく感じた経験があるのではないでしょうか。いずれもクリックによる収益性を重視し過ぎた結果、ユーザー体験を損なっている例です。また、アダルト広告の棲み分けができておらず、未成年の目に触れてしまっていることも、社会問題となっていますよね。質の低い広告や不適切な配信面は、広告主やメディアのブランド毀損にもつながりかねません。
私たちフリークアウトは、長年インターネット広告に携わってきた企業としてこの課題を受け止め、解決のためのプロダクトを展開してきました。その一環として、特に「質」を重視して開発されたのが、この「High Impact広告」です。
MZ:社会全体としても、広告の質が問題視される時代になっていますよね。クライアント側の意識や課題感も変化してきているのでしょうか。
岩澤(電通デジタル):世の中の潮流にあわせて徐々に変化してきているものの、企業によって課題認識には依然として差が見られます。いまだにCPCやCPMを重視する企業が多いのは事実であり、その判断にも一定の妥当性があります。ただ「CPCやCPMが安ければ必ずしも適切とは言えない配信面に掲載してもよいのか」という点には疑問が残ります。私の担当する企業様では、この状況に課題感を抱えているケースが多く、解決手段として、多少CPMが高くても、より質の高い配信面をご提案するようにしています。そして、まさにこのニーズに応えるための選択肢のひとつが、フリークアウト社の「High Impact広告」だと考えています。
52%占有でも嫌われない秘密。『High Impact広告』の3つの設計
MZ:ここで、「High Impact広告」とはどのようなプロダクトか、特徴を教えてください。
中島(フリークアウト):「High Impact広告」とは、フリークアウトが選定した高品質なメディアで展開する、画面全体を使った広い表示領域の広告フォーマットです。画面ロード時は52%、スクロール後は43%の領域で表示される広告は、まさに圧倒的なインパクトを誇ります。これまで延べ2万人以上を対象に約100件のブランドリフト調査を実施した結果、コンテンツの邪魔をしないフォーマットであることから、平均88%のユーザーが「好感が持てる」または「気にならない」と回答した調査結果も出ています。アテンションの高さとユーザー受容性の両立によって、高いブランディング効果が期待できる点が特徴です。

MZ:画面の約50%を占めるほどのインパクトがありながら、ユーザーが「好感を持てる」と感じているのには、具体的にどのような秘訣があるのでしょうか。
中島(フリークアウト):本プロダクトは3つのポイントを重視しています。
1つ目は「良質なメディアを選定していること」。昨今は悪質なメディアも増えている一方、ユーザーの需要に向き合い、正しい情報を届けている誠実なメディアがあるのも事実です。フリークアウトでは、そのようなユーザーに誠実に向き合う質の高いメディアとの連携を第一に考えています。その中でも、最も大切にしているのは、広告とメディアとの「親和性」です。たとえば、家電の広告を、その情報をまさに探しているユーザーが集まるカカクコム様の購買支援サイト「価格.com」のようなサイトに掲載します。タイアップ広告のプランニングに通じる考え方です。このように、広告がユーザーの興味関心と自然に合致するメディアを厳選することで、広告を“押し付け”に感じさせることなく、価値ある情報の一部として届けています。掲載先が明確なためブランド価値や信頼が損なわれるリスクもありません。
2つ目は「コンテンツを邪魔しないこと」。「High Impact広告」は画面の約半分を占める大きな広告ですが、表示されるのはあくまでコンテンツの「外側」です。ページの背景や余白を活用し、コンテンツを見るユーザーの視線を邪魔しない設計となっている上、品質と表現力に徹底的にこだわることで、不快感なく自然と目を引くインパクトを実現しました。
3つ目は「クリエイティブの質」です。「High Impact広告」では動画と静止画を組み合わせた配信も可能です。たとえばスマホの新機種訴求の場合、アニメーションでデバイスを回転させて製品全体を見せたり、カルーセル形式で多彩な機能を見せたりといった表現が可能です。商材にあわせてクリエイティブを工夫すれば、自然にユーザーのアテンションを引くことができるでしょう。

