国内最大級のハンドメイドマーケットの成長戦略
minne byGMOペパボは、主にハンドメイド作品を制作・販売する作家と、それを購入する消費者をつなげるECプラットフォーム。「ものづくりの可能性を広げ、誰もが創造的になれる世界をつくる」をミッションとして掲げている。
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2025年6月時点で、販売者である作家・ブランドは95万件、登録作品数は1,807万点、アプリのダウンロード数は1,554万件。2012年のサービス開始から着実に成長を続け、2024年の年間流通額は115億円に達したという。
GMOペパボの武尾氏は「minne byGMOペパボには、大きく分けて3度の転換期がありました」と振り返る。
まず、2018年頃までは認知拡大期にあたり、2019年頃の法人出品解禁によるコンテンツ拡充期を経て、現在は作家のビジネス活動を支援するフェーズに入っている。
これまでの「個人の趣味」が中心だったCtoCという枠を超え、法人やプロのクリエイターもビジネスを展開する「ものづくりの総合プラットフォーム」へと進化を遂げているのだ。
手数料モデルからの脱却。収益を還元する「還流モデル」
直近の転換期で特徴的なのは、従来の販売手数料モデルに加えて、広告費やサブスクリプション費用を直接徴収する新たな収益モデルを追加したことだ。
この背景には、ビジネスとして本格的に取り組む作家が増加し、「費用を払ってでもマーケティング機能を活用したい」という要望が寄せられるようになったことがある。
こうした声に応えるため、minne byGMOペパボはクリック課金型の広告機能で、minne byGMOペパボ内で作家・ブランドが自身の作品を広告として表示する「minne広告」や、作家・ブランドのマーケティングを支援するサブスクリプションサービス「minne PLUS」を提供している。
minne byGMOペパボ側が「minne広告」「minne PLUS」で得た収益は、マーケットのGMV(流通取引総額)向上や集客への投資に還元する「還流モデル」を構築しており、新たな収益柱で得た売上を既存事業の成長投資に活用し、全体の拡大を図っている。
minne byGMOペパボがS4シリーズを導入した理由
このようなminne byGMOペパボの成長を支えてきたのが、Supership Search Solution(S4シリーズ)だ。S4シリーズはECサイトのリテールメディア化を実現する広告プロダクトとなっており、中でもminne byGMOペパボが導入しているS4Adsは「検索連動型広告」や「レコメンド広告」によって、ユーザー情報を最大限活かした、高い広告効果を生む商品表示やレコメンドを実現している。
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この仕組みにより、ユーザーは求める商品に出会いやすくなり、出店者は自身の商品をより効果的にアピールでき、サイト運営者は広告収益を得ることが可能となる。購入者・出店者・プラットフォームの三者すべてが利益を得るこの「三方良し」の構造こそ、本セッションにおけるリテールメディアの定義だ。
GMOペパボの小松氏は導入理由について、「自社で開発する選択肢もありましたが、導入スピードの重視や価格面を考慮して、S4シリーズを選択しました。また、コミュニケーションを重ねる中で、Supership様となら、二人三脚で取り組めそうだという印象も大きな決め手になりました」と語る。
また、複数のECプラットフォームで利用されている外部の広告システムを導入することにより、他社ECサイトとのコラボレーションが実現しやすくなることも、自社開発にはないメリットだろう。
広告導入でユーザーは離れないか?懸念を払拭した方法とは
minne byGMOペパボは現在、2つの軸を持ってリテールメディアを展開している。1つは「minneとものづくりと」という名のオウンドメディアにおけるタイアップ記事広告で、もう1つは「minne広告」である。検索結果ページやトップページに広告枠を設け、作家が費用を支払って自身の商品を掲載できる仕組みだ。
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多くのEC事業者が懸念するのは「広告導入によってユーザー体験が損なわれるのではないか」という点だ。この懸念に対して、S4Adsは独自の配信ロジックによる、最適な広告表示で応えている。
広告表示は「入札単価」と「検索技術を用いた独自スコアリング」を掛け合わせて決定される。独自スコアリングの要素には、検索キーワードとの関連性、サイト内での販売・評価実績、ユーザーの閲覧履歴に基づくレコメンドなどが含まれる。
つまり、入札額が高ければ必ず表示されるわけではなく、ユーザーにとって本当に関連性の高い商品だけが広告として表示される。
Supershipの杉本氏は「ECサイトのユーザー体験を最優先に考え、独自ロジックでサイトとユーザー双方に最適な広告のみを表示する設計としています。これにより、広告がストレスになることなく、自然な購買体験を実現できています」と設計思想を説明する。
実際のユーザーからの反応について、GMOペパボの武尾氏は次のように説明する。「キーワード連動検索や、ユーザーの行動履歴・閲覧履歴に基づくレコメンド機能により、自然な流れの中で表示される広告となっているため、広告に対するネガティブな反応は想定よりも少なかったです」(GMOペパボ 武尾氏)
広告に不慣れなユーザーでも成果を出せるように
もう1つの重要な成功要因は、広告に不慣れな作家でも使いやすい管理画面の設計だ。GMOペパボの小松氏は「ヘルプやガイドの充実、セミナー開催などによるフォローアップに力を入れています」と語る。
管理画面では「貢献度(注文金額÷費用)680%」のような視覚的な指標を表示し、成果を実感しやすくしている。加えて、状況に応じた運用アドバイスや今月の注目トレンド情報を提供する。
数値としても成果は出ており、minne広告は毎年・毎月設定している目標数値を基本的に達成、右肩上がりで成長している。加えて、毎月の出稿者数も着実に増加している状況だという。
Supershipの野本氏は「検索のプロフェッショナルとして、データに基づくロジック最適化を継続的に行っています。minne byGMOペパボ様と二人三脚で、1to1で伴走しながら改善を重ねてきた結果です」と、パートナーシップの重要性を強調した。
また、リテールメディア導入において、多くのEC事業者が懸念するのが「広告導入により既存の自然検索からの売上が減少し、結果的に手数料収入が減るのではないか」という点だ。この点について、GMOペパボの小松氏は明確に回答した。
「minne byGMOペパボでは、広告費用がGMVに純増として加算される結果となっています。多くの企業が広告導入により売上が減少することを懸念していますが、minne byGMOペパボでは広告が純粋にプラスの効果をもたらしていることが確認されています」
これは、前述の独自スコアリングによって、ユーザーが本当に求める商品が適切なタイミングで表示されるため、購買意欲を喚起する効果が高いことを示している。単なる売上の付け替えではなく、市場全体のパイが拡大している状態だ。
AI活用やオフサイト展開も minne byGMOペパボのこれから
最後に、今後minne byGMOペパボがリテールメディアとして「進化」していく上で目指していく姿について語られた。
1つは、マーケットを超えた認知拡大ツールとして、minne広告を機能させること。作家・ブランドの魅力的な作品をminne byGMOペパボ外にも広げていく方針である。このようなオフサイト広告の取り組みは、この半年間で検討を進めている。
同一の広告システムを導入している他のECサイトとの相互広告展開も可能であるため、たとえばminne byGMOペパボとファッション通販サイトが相互に広告を出稿するような連携により、新たな顧客層へのリーチが期待できる。
もう1つは、作家・ブランドの広告利用支援の強化である。個人から個人事業主に転換した作家が多く、広告に不慣れな層も存在するため、個別データに基づくアドバイスや支援を拡充していく予定であるという。
また、AIを活用した取り組みにも注目している。今後はAI技術を活用したアドバイザー機能により、作家の作品情報や販売実績を分析し、個人に特化したアドバイスを自然言語で提供する仕組みを構築する予定である。
広告に不慣れな作家・ブランドのことを考え、まずはアドバイス提供に留め、慣れてきた利用者向けに段階的に自動運用機能を導入する計画だ。
SupershipのEC事業者向けソリューション「S4シリーズ」
「S4シリーズ」は、サイト内検索ソリューション「S4」を中核とする、ECサイトの売上向上を支援するソリューション群です。豊富な辞書データによる「検索精度の高さ」を誇るサイト内検索エンジン「S4」、検索と連動した広告配信を実現する「S4Ads」などを提供しています。 ECサイトの収益化や新たなマネタイズ手法を模索しているご担当者様など、この記事を読んでご興味を持たれた方は、ぜひお気軽に公式サイトよりお問い合わせください。

