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生活者の心理はどう変化している?消費者行動&調査手法の最新動向(AD)

「n=1分析の限界」をAIで突破。“工数半減・解像度倍増”を実現したネスレ日本のソーシャルリスニング

 多くの企業がソーシャルリスニングに取り組む一方、「分析に工数がかかる反面、信頼性の高いインサイトが得られない」という課題も多い。食品・飲料メーカーのネスレ日本も同様の課題を抱えていたが、ソーシャルリスニングツール「Meltwater」が転機となり、意思決定の武器に変化した。「工数半減・解像度倍増」を実現したその活用術と、AI時代の顧客理解のヒントをネスレ日本の近藤健人氏、Meltwater Japanの田中怜緒直氏にうかがった。

ネスレ日本のソーシャルリスニングを支えるMeltwater

MarkeZine編集部(以下、MZ):まずはお二人の自己紹介と現在のご担当領域を教えてください。

近藤(ネスレ日本):私はコールセンターの部署や市場調査部を経て、現在はコンシューマーエンゲージメントサービス部でお客様の声を社内のステークホルダーにフィードバックする業務を担当しています。

ネスレ日本株式会社 マーケティング&コミュニケーションズ本部 コンシューマーエンゲージメントサービス部 近藤 健人氏
ネスレ日本株式会社 マーケティング&コミュニケーションズ本部 コンシューマーエンゲージメントサービス部 近藤 健人氏

田中(Meltwater):私はエンタープライズアカウントダイレクター として、企業様のサービス導入から活用までをすべて包括する統括責任者を務めています。ネスレ日本様とは3年ほどのお付き合いで、ツールの利用促進やマーケティング支援を長らく担当しております。

Meltwater Japan株式会社 エンタープラズセールス担当部長 田中 怜緒直氏
Meltwater Japan株式会社 エンタープラズセールス担当部長 田中 怜緒直氏

MZ:ネスレ日本は2021年よりMeltwaterを活用しているとのことで、導入にはどのような背景があったのでしょうか。また、現在の利用状況も教えてください。

近藤:当社は以前からソーシャルリスニングツールを使用していましたが、改めてどのツールを使うべきか検討したことがきっかけでした。国内はもちろん、グローバル展開している他社ツールとも比較するなかで、性能だけでなくMeltwaterの「サポート力の強さ」に優位性を感じ、導入に至っています。現在社内で15アカウントを利用しており、私は主にブランドマネージャーや役員へ消費者トレンドとインサイトを共有するために活用しています。

n=1もクラスターも、SNS上のインサイトを自在に分析

MZ:Meltwater導入前には、どのような課題があったのでしょうか。

近藤:以前はSNSでのキーワードボリュームを算出することしかできず、そこからの分析は私たちが時間を掛けて地道にやらざるを得ませんでした。その方法も「n=1」 をひたすら深掘りしていくというもの。特定の1ユーザーに着目し、SNS上での行動や発言を遡ることで、属性や興味関心、ライフスタイルを解き明かしていく手法です。

 限られたユーザー数しか分析ができませんし、社内のステークホルダーからは「あくまで特定の1人の分析に過ぎない」と言われてしまうこともしばしば。時間が掛かるわりに、説得力をもって説明することが難しいというのが従来の課題でした。

MZ:Meltwaterのツール導入によって変化したのでしょうか?

近藤:はい。Meltwaterの「オーディエンス<Audiense>」というツールを活用し、大きく変わりました。SNS上で共通の話題を発していたり、特定の興味関心を持っていたりするユーザーを何百、何千人規模で集め、クラスター分析できるツールです。「特定の1人」だけの分析から脱却し、膨大なデータから「このクラスターにはこの傾向がある」と機械的に分析できるようになったため、工数面でも説得力の面でも非常に助かっています。

MZ:改めてオーディエンス<Audiense>について詳しく教えてください。

田中:オーディエンス<Audiense>は、SNS上で発話されたキーワードのみならず、それを投稿したユーザーの年齢、性別、フォロワー、自己紹介文の内容まで、あらゆる観点から総合分析し、クラスター分けすることが可能です。投稿者の「数」だけでなく「グラデーション」が可視化できるツールと言えるでしょう。

オーディエンス<Audiense>を用いたユーザー分析(イメージ)
オーディエンス<Audiense>を用いたユーザー分析(イメージ)

 たとえば、「インフルエンサーAを中心としたクラスター」「ゲーム好きのクラスター」などの特徴を一瞬で導き、AIによってそのクラスターに属する人の性格、家族構成、職業などのペルソナを仮説立てることができます。キーワード全体はもちろん、そのなかのクラスター、そして一人ひとりの分析にまでご活用いただけるツールです。

眼鏡と裸眼くらい違う、生活者への解像度

MZ:Meltwaterのオーディエンス<Audiense>を活用して消費者インサイトを調査した事例があれば、具体的に教えてください。

近藤:一例として、マイナー製品のリニューアル事例を紹介します。ブランドチームから「リニューアルに向けた調査をしたい」と要望があったものの、マイナーゆえに通常の定量調査では回答数が集まりにくいことがこれまでの課題でした。一方でSNSでは当該製品の投稿がある程度見つかったため、分析を試みることにしました。

 今回は発話者の属性やライフスタイルはもちろん、製品を楽しんでいるタイミングなども分析しました。たとえば、リラックスという文脈で製品についてSNSに投稿されている場合も、クラスターによってリラックスのタイミングやシーンは異なります。「この商品はリラックスしたい時に有用だと思われている」と表層的に理解するのではなく、どんな人が・どんな時に・どんなふうにリラックスしていて、製品とどう関わっているか……と深く理解を進めました。

画像を説明するテキストなくても可
オーディエンス<Audiense>を用いたインサイト分析:あるセグメントに属するショッパーのインサイトを導き出した(※インタビュー事例とは異なる取り組みの事例です)

 あわせて競合調査も実施し、「なぜ競合製品ではなく当社の製品を選んでくれているのか」を解明しています。消費者インサイトを明確にすることで、リニューアルの方向性が定まりました。得られたインサイトの詳細はお伝えできませんが、現在リニューアル製品を鋭意開発中です。

MZ:分析結果を伝えたブランドマネージャーの方の反応に従来と変化はありましたか?

近藤:明らかに違いました。「なぜ」を深く説明できたからだと思います。停滞しかけていたプロジェクトがソーシャルリスニングの分析結果によって前進しました。これは大きな成果だと感じています。

MZ:近藤様ご自身でも、インサイト解像度の高まりや、工数削減効果を感じられますか?

近藤:あくまで個人的な感覚ですが、以前の解像度が30~40%だとしたら、オーディエンス<Audiense>を活用することで80~90%まで高められています。眼鏡と裸眼くらい違うのです。手を動かす作業も50%以上削減できていると感じます。ツールは使う人の技量に左右される部分もありますが、分析ツールに慣れているマーケターなら直感的に使いこなすことができるのではないでしょうか。

MZ:Meltwaterはどのようにネスレ日本のサポートに入っているのでしょうか。

近藤:分からないことがあればすぐにお問い合わせしており、細やかに対応いただいています。「こんな分析もできるのでは?」というアイデアを思いついて相談すると、すぐに実現してくださる体制が整っていると感じますね。

グローバル企業でありながらローカルに重きを置く、両社の共通点

MZ:ネスレはグローバル企業であるものの「ネスレ日本」として裁量を持ち、ツール選びから分析までローカルで実施されている点がユニークですよね。同じくグローバル企業でありながら、日本にローカライズして開発・サービス提供をしているMeltwaterの魅力はどこにあると考えられますか。

近藤:ネスレが扱う食という領域は、地域文化と密接に関わっています。そのため、ローカルを非常に重視しています。Meltwaterさんもグローバル企業でありながら日本にオフィスを構え、日本の慣習や文化、市場に精通している担当者がサポートにあたってくれるので、非常に安心感があるものです。

田中:まさにネスレ日本様と同様に、グローバルでありながらローカルに通じていることがMeltwaterの強みです。当社のオフィスは全世界で60拠点ありますが、サービスを提供しているすべての地域に文化や状況を理解した現地の担当者を配置しています。

 たとえば、SNSに投稿される「ヤバい」という言葉は非常にハイコンテクストです。日本で暮らす日本語話者でなければ、なかなか文脈を理解することが難しい。このようにローカルならではの言葉のニュアンスやSNSユーザーの特徴も捉え、サービスに反映させています。

AI時代のソーシャルリスニング、意識すべきは「仮説立て」

MZ:MeltwaterのツールはAI機能も搭載され近藤様も活用されていますね。企業がAIも活用してソーシャルリスニングを行ううえで、意識すべき点はどこにあるでしょうか?

田中:おっしゃるとおりソーシャルリスニングツールにおいてもAI搭載が一般的になってきました。だからこそ、重要なことがストーリーを捉えることだと考えています。

 ブランド名や商品名はあくまで「記号」であり、その記号の裏には「ストーリー」が隠されています。ストーリーを解き明かすことがソーシャルリスニングです。そのうえで、まず企業が意識すべきは「仮説を持つこと」。問いを正しく立てることからすべては始まります。

 次に重要となるのは「データの透明性」です。たとえばbotやフェイクアカウント、キャンペーン投稿などの除外は基本中の基本です。Meltwaterでは投稿頻度や投稿文・自己紹介文に含まれる文言などからこれらのアカウントを検知する独自ノウハウを持っているため、クリーンなデータを提供することが可能です。

 最後に大切なのが「データ」を「ストーリー」に変換することです。いくらAIが発展し、膨大なデータを計測できるようになっても、データでできた「点と点」をつなぎ、ひとつのストーリーにするのは人間です。

 どの企業様へも、「AI活用で削減できた時間は、人間が考える時間に使いましょう」と、繰り返しお伝えしています。その点、ネスレ日本様は仮説立てやAIが作った成果物のジャッジが鋭く、この道のスペシャリストだと感じます。

近藤:ありがとうございます。私は「本当に立てたい仮説」は地球で例えるならば地核だと考えています。いきなり地核には到達できません。まず、世の中の状況、カテゴリーの状況、自社製品の状況などを調査して、様々な角度から仮説を立て、球体の中心を探りに行くような感覚です。SNSは社会のすべてではありませんが、様々な事象に対する多くの声が集まっています。オーディエンス<Audiense>を用いることで壁打ちと細かな仮説検証、発見を効率的に実施できていると感じますね。

ネスレ日本の次なる目標は「SNSで売れる方程式の解明」

MZ:Meltwater導入後、社内でソーシャルリスニングに対する意識変化はありましたか?

近藤:役員やブランドマネージャーといったステークホルダーの意識はかなり変化しています。これまでソーシャルリスニングによる分析内容に対して懐疑的な姿勢をとる社員もいましたが、Meltwaterで量的に分析できるようになったことで、ソーシャルリスニングの信憑性が高まりました。ソーシャルリスニングが意思決定のための「武器」になってきています。

MZ:では、今後ネスレ日本ではどのようにMeltwaterを活用していきたいと考えていますか。

近藤:SNSを通じた「売れる方程式の解明」に取り組んでいきたいですね。具体的にはインフルエンサーの分析などを、Meltwater社と協力しながら取り組んでいきたいと考えています。

田中:SNS上に現れるトレンドワードが「どれだけの量」「どのくらいの期間」「どの層が」言っているのかを多角的に分析することで、その商品が売れるのか、売れないのかを可視化することも可能でしょう。これからも収集したデータの「点と点」をつなぎ合わせ「ストーリー」を見つけながら、ネスレ日本様の次なる挑戦を支援していきたいと考えています。

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この記事の著者

安光 あずみ(ヤスミツ アズミ)

Web広告代理店で7年間、営業や広告ディレクターを経験し、タイアップ広告の企画やLP・バナー制作等に携わる。2024年に独立し、フリーライターへ転身。企業へのインタビュー記事から、体験レポート、SEO記事まで幅広く執筆。「ぼっちのazumiさん」名義でもnoteなどで発信中。ひとり旅が趣味。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:Meltwater Japan株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2026/03/31 10:00 https://markezine.jp/article/detail/50161