ROAS4,000%超も!「コカ・コーラ」が仕掛けた2段階の設計
──「コカ・コーラ」と取り組まれたキャンペーンではROAS3,750%を達成されたそうですね。
村田:「コカ・コーラ」との取り組みは、2025年の夏からスタートしました。最初から大規模に展開したわけではなく、まずはどのメニューが売上に寄与するのかを可視化するため、3つのメニューを別々の期間で実施し、効果検証しました。
その結果、ROAS3,750%と最も成果が高かったのが「ショッパブルディスプレイ」でした。これは、ブランドの世界観を伝えるメイン画像の下に、商品を表示するフォーマットです。また、スポンサードアイテム単体でも1,370%と、想定を大きく上回る成果が出ました。
これらの結果を踏まえて、現在は「毎月5がつく日は10%オフ」という定常施策へ進化させました。前日にキャンペーンの予告を行い、キャンペーン当日に割引を訴求する2段階設計により、テスト時を上回るROAS4,000%超えを実現しています。
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──この成果の要因をどう分析されていますか。
戴:Criteoの強みである、AIによるレコメンド技術が奏功したと考えています。この技術は、ユーザーの閲覧・購買履歴やリアルタイムの行動データに、商品・在庫データを掛け合わせることで、「ユーザーが今最も興味を持ち、かつ求めている商品」をより高精度に予測・配信できるのです。
また、ショッパブルディスプレイとスポンサードアイテムの併用で、フルファネルをカバーできた点も大きいですね。グローバルのケーススタディでも、両方の広告に接触したユーザーは、どちらか一方のみに接触したユーザーと比べて、コンバージョン率が約1.5倍になる結果もあります。
また、ショッパブルディスプレイとスポンサードアイテムのソリューションを同一プラットフォームで運用し、共通の指標と一貫した計測方法で効果を可視化・最適化できたことも、高ROASを達成できた大きな要因と言えます。
売上純増+40%の裏には「ついで買い」を生む仕組み
──ここまでROASが高いと、「広告を配信しなくても売れていた分が含まれているのではないか」という見方もありそうです。広告による「売上の上積み」についても検証されていますか。
村田:我々は単なる広告経由の売上数値だけでなく、「セールスリフト(売上の伸長率)」という指標を用いて、広告による純増効果を検証しています。
具体的には、広告配信期間中の売上を、配信前などのベースラインと比較することで、「広告によってどれだけ売上が押し上げられたか」を測定しています。これにより、既存の自然な売上を除いた、広告施策そのものがもたらした「真の売上貢献度」を可視化できます。
実際、夏のテストにこの算出ロジックを用いたところ、売上成長率+23.4%を記録し、施策が定着した現在では+40%という高い売上リフトを実現しました。
こういった高い成果は、「コカ・コーラ」に限らず、他の飲料や食品、日用品など、他のカテゴリーでも同様に出ています。その背景には、Criteoのソリューションに加えて、Uber Eats特有の非計画購買への強みと「ついで買い」が生まれやすい仕組みがあると考えています。
特にサブスクリプションサービス「Uber One」では、一定金額以上で配達手数料が無料になるため、ユーザーには「あと数百円で送料無料」という心理が働きます。そこに、飲料や日用品は「カゴの隙間埋め」として非常に相性が良く、購買単価のアップを後押ししているのです。

