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Criteoのコマースメディア戦略(AD)

コカ・コーラがROAS3,750%達成 非計画購買を捉えるUber Eatsのリテールメディアの全容

 消費者の購買行動が多様化する中、「非計画購買」を捉える新たな一手としてリテールメディアへの注目が高まっている。特に存在感を増しているのが、クイックコマース領域を拡大するUber Eatsだ。「コカ・コーラ」のキャンペーンでは、ROAS3,750%という驚異的な数字を記録。なぜこれほどの成果が実現できたのか。Uber Japanの村田和紀氏と、リテールメディアのソリューションを提供するCriteoの戴晶氏へのインタビューから、その仕組みを紐解く。

Uber Eatsの「リテールメディア事業」は毎年2桁成長中

──まず、Uber Eatsの事業内容とリテールメディア事業について教えてください。

村田:当社は、タクシー事業とデリバリー事業の2軸で展開しています。デリバリーに関しては、当初はレストランと提携したフードデリバリーが中心でしたが、近年は300社超のコンビニエンスストアやスーパーマーケットと連携し、日用品や食料品を扱うクイックコマースの領域を大きく広げてきました。その結果、Uber Eatsは様々な購買シーンに接点を持つプラットフォームへと進化しています。

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Uber Japan株式会社 Uber Advertising Client Partner CPG 村田 和紀氏

村田:CPGチーム(リテールメディア事業)は、Uberの広告事業内で最も後発の事業としてグローバルで2022年に立ち上がり、急拡大している事業の1つです。売上は毎年2桁成長を続けており、非常に高いポテンシャルを示しています

──Uber Eatsならではの、リテールメディアとしての強みは何ですか?

村田:ECサイトと比較するとわかりやすいです。一般的なECでは、ストック目的の「計画的な購買」が中心になります。一方、Uber Eatsでは「お腹が空いた」「今すぐ何か欲しい」という即時的な欲求が起点です。

 アプリ起動時に何を注文するか決まっていないユーザーが約7割を占めており、意思決定までも3〜6分程度と非常に短い。その限られた時間内に、広告を通じてユーザーにダイレクトに選択肢を届けられる点が、Uber Eatsのリテールメディアの大きな特徴です。

 また、Uber Eatsが持つ注文履歴や嗜好性のデータに加えて、Uber Taxiの移動データを統合したIDベースの1st Partyデータを活用し、ライフスタイルに沿った配信ができることも強みです。これらを活かし、単なる獲得にとどまらず、認知から購買直前の後押しまでフルファネルでご活用いただける広告メニューを展開しています。

「認知」から「購買」まで。3つの広告メニューの役割

──どのような広告メニューを提供しているのか、具体的に教えてください。

村田:リテールメディアとしては、主に以下の3つの広告メニューを提供しています。

  1. スポンサードアイテム:検索キーワードや閲覧カテゴリーに連動して商品を上位表示する
  2. ショッパブルディスプレイ:上部にブランドの世界観を伝える画像、下部に商品を並べて表示。視覚的な訴求力が高く、認知から検討層にアプローチする
  3. オファー:Uber Eats独自の販促機能。割引や特典を設定し、購買を直接的に後押しする

 このうち、「スポンサードアイテム」と「ショッパブルディスプレイ」において、Criteoのソリューションを採用しています。

──Criteoのソリューションの特徴を教えてください。

戴:Uber Eatsの「スポンサードアイテム」には、Criteoの「スポンサード広告」の技術が採用されています。一般的に検索連動型広告というと、キーワード選定や除外設定など、運用に多くのリソースがかかるイメージを持たれがちです。しかしCriteoは、AIによる自動学習に強みがあります。

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CRITEO株式会社 リテールメディア ソリューションセールス マネージャー 戴 晶氏

戴:具体的には、閲覧履歴などの行動データと、商品説明文などを自然言語として深く理解する「セマンティックシグナル」を掛け合わせて分析しています。これにより、手動でのキーワード管理を不要にしながら、ユーザーの意図と商品の関連性を高い精度でマッチングさせ、配信をスケールさせることが可能です。

 一方「ショッパブルディスプレイ」は、Criteoの「ディスプレイ広告」技術を活用しています。このソリューションは、店舗ごとのリアルタイムの在庫状況を加味しながら、閲覧ページのコンテキストに合った広告を表示できます。アプリとの相性も非常に良く、スムーズなユーザー体験を叶えています。

ROAS4,000%超も!「コカ・コーラ」が仕掛けた2段階の設計

──「コカ・コーラ」と取り組まれたキャンペーンではROAS3,750%を達成されたそうですね。

村田:「コカ・コーラ」との取り組みは、2025年の夏からスタートしました。最初から大規模に展開したわけではなく、まずはどのメニューが売上に寄与するのかを可視化するため、3つのメニューを別々の期間で実施し、効果検証しました。

 その結果、ROAS3,750%と最も成果が高かったのが「ショッパブルディスプレイ」でした。これは、ブランドの世界観を伝えるメイン画像の下に、商品を表示するフォーマットです。また、スポンサードアイテム単体でも1,370%と、想定を大きく上回る成果が出ました。

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(クリックすると拡大します)

 これらの結果を踏まえて、現在は「毎月5がつく日は10%オフ」という定常施策へ進化させました。前日にキャンペーンの予告を行い、キャンペーン当日に割引を訴求する2段階設計により、テスト時を上回るROAS4,000%超えを実現しています。

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定常施策のイメージ画像。「ティザー」では「明日は5のつく日」と予告し、「ローンチ」では割引を訴求。※画像と異なり、現在の割引率は10%
(クリックすると拡大します)

──この成果の要因をどう分析されていますか。

戴:Criteoの強みである、AIによるレコメンド技術が奏功したと考えています。この技術は、ユーザーの閲覧・購買履歴やリアルタイムの行動データに、商品・在庫データを掛け合わせることで、「ユーザーが今最も興味を持ち、かつ求めている商品」をより高精度に予測・配信できるのです。

 また、ショッパブルディスプレイとスポンサードアイテムの併用で、フルファネルをカバーできた点も大きいですね。グローバルのケーススタディでも、両方の広告に接触したユーザーは、どちらか一方のみに接触したユーザーと比べて、コンバージョン率が約1.5倍になる結果もあります。

 また、ショッパブルディスプレイとスポンサードアイテムのソリューションを同一プラットフォームで運用し、共通の指標と一貫した計測方法で効果を可視化・最適化できたことも、高ROASを達成できた大きな要因と言えます。

売上純増+40%の裏には「ついで買い」を生む仕組み

──ここまでROASが高いと、「広告を配信しなくても売れていた分が含まれているのではないか」という見方もありそうです。広告による「売上の上積み」についても検証されていますか。

村田:我々は単なる広告経由の売上数値だけでなく、「セールスリフト(売上の伸長率)」という指標を用いて、広告による純増効果を検証しています。

 具体的には、広告配信期間中の売上を、配信前などのベースラインと比較することで、「広告によってどれだけ売上が押し上げられたか」を測定しています。これにより、既存の自然な売上を除いた、広告施策そのものがもたらした「真の売上貢献度」を可視化できます。

 実際、夏のテストにこの算出ロジックを用いたところ、売上成長率+23.4%を記録し、施策が定着した現在では+40%という高い売上リフトを実現しました。

 こういった高い成果は、「コカ・コーラ」に限らず、他の飲料や食品、日用品など、他のカテゴリーでも同様に出ています。その背景には、Criteoのソリューションに加えて、Uber Eats特有の非計画購買への強みと「ついで買い」が生まれやすい仕組みがあると考えています。

 特にサブスクリプションサービス「Uber One」では、一定金額以上で配達手数料が無料になるため、ユーザーには「あと数百円で送料無料」という心理が働きます。そこに、飲料や日用品は「カゴの隙間埋め」として非常に相性が良く、購買単価のアップを後押ししているのです。

グローバル基準と運用効率。Uber EatsがCriteoを選ぶ3つの理由

──グローバルの方針として、Criteoをパートナーとして選定されているそうですね。実務上で、メリットを感じている部分はありますか?

村田:大きく3つあります。

 1つ目は、グローバルで統一された計測ルールが使える点です。Uberはグローバルで事業展開していますし、日本はリテールメディア事業としては後発の市場になります。国や案件ごとに状況は異なりますが、ROASなどを同じ手法・同じ指標で評価できることは非常に重要だと考えています。他国の成功事例を参考にしたり、グローバルで知見を共有したりする際にも、共通の数値を使って議論できる。この点は大きなメリットだと感じています。

 2つ目は、管理画面の統合や運用効率の高さです。スポンサードアイテムとショッパブルディスプレイという2つの広告メニューを横断して管理・最適化できるため、運用の負荷を抑えながらスピーディーにPDCAを回せています。

 3つ目は、ソリューションの構成。既にお伝えしてきた通り、単なる獲得目的の広告配信にとどまらず、認知から獲得までをカバーするフルファネルでの広告設計が可能になる点です。

リテールメディア事業の課題と展望

──急成長しているUber Eatsのリテールメディア事業ですが、今後の展開に向けて課題はありますか。

村田:広告プロダクトとしての成果には確信を持っていますが、メーカー様側でクイックコマースという新しい波にどう適応するか、その社内体制は過渡期にあると感じています。

 クイックコマースにおけるデリバリーは、「アプリで注文が入り、実店舗の棚から商品が動く」ハイブリッドな性質を持っており 、従来の縦割り組織では担当領域の境界線が引きにくい側面があります。しかし、このデジタルと実店舗がリアルタイムに連動し、顧客の「今すぐ欲しい」に応える機動力こそが、 リテールメディアとしての真骨頂です。既存の販路では捉えきれなかったラストワンマイルの切実な需要を、確実な購買へとつなげる 。これはメーカー様にとって極めて大きな成長機会となります。

 私たちは単なる媒体提供にとどまらず、部門横断的な体制構築のフェーズから伴走し、メーカー様の次なる成長の柱をともに創り上げていきたいと考えています。

──最後に、今後の展望について教えてください。

村田:目指しているのは、消費者のライフスタイルに最も近いフルファネルのマーケティングプラットフォームです。消費者が「いつ、どこで、何を」求めているかというモーメントの予測精度を高め、広告主には確実な売上成長を、ユーザーには新しいブランドとの出会いを提供していきたいですね。

戴:次のステップとしてぜひご検討いただきたいのが、「動画広告」です。動画はフルファネル戦略において、特に「認知」を補完する重要な役割を担います。Criteoでは粒度の高い視聴完了率や他ソリューションとの相乗効果などの詳細な分析も可能ですので、Uber Eatsのようなプラットフォームで活用できれば、より強力なマーケティング支援ができると期待しています。

 私たちは、リテールメディアを単なる広告収益のツールとして捉えていません。このソリューションを通じて、ユーザーに「欲しいものがすぐ見つかる」というワクワクする購買体験を提供しながら、Uber Eatsと、広告主であるメーカー・ブランド、双方の売上を伸ばす仕組みを提供していきたいです。

「Criteo コマースメディア・ガイド」

最新ガイドでは、コマースメディアに関するグローバルの動向から導入の効果まで、独自のリサーチから得たデータに基づく「次の一手」をわかりやすく解説。ビジネス成長を加速させるヒントが満載です。ダウンロードは、Criteoの公式サイトから

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この記事の著者

太田 祐一(オオタ ユウイチ)

 日本大学芸術学部放送学科を中退後、脚本家を目指すも挫折。その後、住宅関係、金属関係の業界紙での新聞記者を経て、コロナ禍の2020年にフリーライターとして独立。現在は、IT関係を中心に様々な媒体で取材・記事執筆活動を行っています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:CRITEO株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2026/04/09 10:00 https://markezine.jp/article/detail/50325