誰でも「SNSマーケター」を名乗れてしまう時代、「メディアマスター」の存在意義
MarkeZine:SNSマーケティングは特に変化の激しい領域です。そういった領域で上流から下流までをカバーして支援するというのは、なかなかにハードルの高いことだと思います。NAVICUSではどのように支援体制を構築していますか?
富田:NAVICUSでは「メディアマスター」という制度を設けています。メディアマスターとは、各SNSの深い専門知識をもち、キャンペーン企画やマーケティング戦略といった多角的な業務を提供できるプロフェッショナル人材のことです。2026年2月現在、メディアマスターはコンサルティングディビジョン内に、私を含めてInstagram2人、X1人、TikTok1人が認定されています。厳格な審査項目によって評価しているため、永続的な役職ではなく、場合によっては降格するケースもあります。
前職はトリマー(犬の美容師)という異色の経歴を持つ。プライベートでのSNS活用やInstagramへの深い知見を活かし、未経験からSNSマーケティングの世界へ転身。2021年4月にNAVICUSへ参画し、2026年4月で入社丸5年を迎える。現在はコミュニティマネージャーとして、自身の「SNSが好き」という熱量を武器に、企業のファンコミュニティ形成やInstagram運用の戦略立案・支援に携わっている。
MarkeZine:審査はどのような項目で判断されるのですか?
富田:マーケターとしての基礎力が20項目、さらにメディアやコミュニティ形成に関する専門分野の項目が23項目設けられており、そのすべてにおいて高い基準を満たす必要があります。単に「知っている」だけではなく、「マーケターとして望ましいスタンスでコミュニティに向き合えているか」「実務においてお客様の期待を超えるコミュニケーションができているか」といった定性面も含めて厳しく判断されます。
MarkeZine:このように厳しい認定制度を設けられた背景も教えてください。
佐久間:現在、SNSマーケターを名乗る人材はごまんといますが、そのスキルや知見の深さは千差万別です。「本当にプロが運用しているのか?」と疑問を感じるケースも正直少なくありません。私たちはそうした「自称SNSマーケター」と明確に土俵を変えて勝負したいと考え、この制度を設けました。SNSマーケティングは小手先のテクニックで乗りこなすものではなく、ブランドの周りに集う人々のコミュニティを築いていくための活動であるべきでしょう。
今後、メディアマスターが直接メインでご支援させていただくメニューなども作っていければと検討しています。
目的ドリブンで、媒体特性×コンテンツ×アルゴリズムを掛け合わせていく
MarkeZine:さて、富田さんはInstagramのメディアマスターだとお聞きしました。Instagramを含めたSNS戦略を策定する際、富田さんはどう考えていきますか?
富田:私たちが特定のプラットフォームありきで戦略を組むことはありません。企業ごとの目的や状況に合わせ、最適なプラットフォームを手段として提案します。
たとえばInstagramなら、「世界観や空気感を伝えたい」「ブランディングを強化したい」といった目的に適しています。Instagramユーザーがブランドのアカウントに求めるのは、「憧れ」や「少し背伸びした理想」。ポジティブな読み物コンテンツやリール動画を投稿することで、ストック型のファンダム形成に寄与できるでしょう。
一方で、情報の拡散性が高く、バズを起こしやすいXでは「本音が見える」「ツッコミの余白がある」ようなコンテンツが好まれやすいです。Instagramが「未来」なら、Xは「今」を生きるメディアと言えるかもしれません。
このように、各プラットフォームの特性と、ユーザーが求めるコンテンツ、そして最新のアルゴリズムといった要素を掛け合わせ、目的に合った手法かどうか見極めることが大切だと考えています。
MarkeZine:ちなみに、富田さん自身Instagramが好きだったりするのでしょうか?
富田:実はそうなんです、前職はまったく畑の違う仕事に就いていたのですが、当時から仕事の延長線上でInstagramで発信していました。NAVICUSに入ったのも「とにかくSNSが好きで、SNSを仕事にできないか?」と考えたのがきっかけです。自分の好きなことを仕事として追究できる日々はとても楽しいですし、やりがいもあります。何より、その分成果も出やすいように感じますね。

