AEOが目指すべきゴールは、「推奨率」と「情報の質」の両立
AI時代において、自社がAIに「推奨」される状態を作るための施策がAEOだ。市場にはLLMO(LLM最適化)やGEO(生成エンジン最適化)といった呼称も存在するが、Speeeはあえて「AEO(回答エンジン最適化)」という言葉を提唱する。
「ChatGPTなどのAIは、自身の知識だけで回答しているわけではありません。最新情報などを問われた際、AIは自らWeb上を検索し、そこで見つけた情報を読み取ったうえで回答を生成します。したがって、AIというプログラム単体ではなく、検索機能を含めた『回答エンジン全体』を最適化することこそが、実効性のある対策となるのです」(藤井氏)
AEOが目指すべきゴールは極めてシンプルだ。あらゆる文脈で自社について言及される「高い言及・推奨率」と、「狙った文脈での正確な言及」。この2つを両立することにある。
「自社が発信している強みがAIの回答に正しく反映される確率を上げ、同時に誤った内容が生成されないように制御することが重要です。量と質、その双方を管理していくことが、AEOにおけるKPIとなります」(藤井氏)
成果を最大化する「ボトルネックの特定」と独自指標「AI Visibility Score」
藤井氏は、「AEOはSEOよりも広範なアクションを要するため、闇雲な施策の羅列は避けるべき」と説く。
「AI検索対策として、自社のブログ記事を増やしたり、Wikipediaを修正してみたり……といった施策にいきなり着手してしまうケースはよくあります。巷に出回っている『AI検索に効く施策リスト』などを参考に手を動かしても、課題にヒットしていなければ成果につながりません。『AI検索対策はやっても無駄』という失敗体験が組織に植えつけられてしまうのは、非常に残念なことです」(藤井氏)
こうした“空振り”によるリソースの浪費を防ぎ、確実な成果を出す鍵は、課題の所在を明確にする「ボトルネックの特定」にある。
そこでSpeeeは、独自の「AIレコメンデーションファネル」を提唱している。ユーザーが意思決定に至るプロセスを「AIに見つけてもらう」「AIに理解してもらう」「AIに推奨してもらう」「AI推奨をCVにつなげる」という4段階で定義したものである。
この各ステップを評価する独自指標が「AI Visibility Score」だ。次の4つの要素から構成されている。
- AI探索訪問率:AIが回答を構成する際、自社の情報を参照ソースとして見つけ出せているか
- AI言及採用率:参照した情報の中から自社の特徴やメリットをAIが正しく理解し、回答文に採用しているか
- 第1位推奨率/推奨順位:競合比較の文脈において、自社が最適な選択肢として推奨されているか
- AI推奨率CVR:AIの回答を通じて、実際にコンバージョンが発生しているか
Speeeでは、このわかりやすいスコアによってボトルネックを特定し、改善施策までを一貫して支援している。その具体的な支援事例として、タレントマネジメントシステムを展開するBtoB SaaS企業のケースが挙げられた。同社は、「AI探索訪問率」と「AI言及採用率」は100%だったが、AI上の「推奨順位」では競合に劣っていた。つまり、「AIが常に言及してはいるものの、競合より低い順位で推奨されている」状態だったということだ。

「分析の結果、今回の該当プロンプトでは、AIが客観性を担保するために比較サイトやメディアといった第三者の声を重視して参照していることが判明しました。そのうえで、外部サイトで語られている内容が不十分であったことが推奨順位を下げている要因だと特定。そこで、まずは外部メディアの言及内容を整え、AIが参照するデータの質を改善しました。さらに公式サイトとの整合性を高めることで、推奨順位の大幅な向上に成功したのです」(藤井氏)
真の課題が「露出量」にあるのか、「情報の質」にあるのか、あるいは「外部メディアでの言及」にあるのか。ボトルネックを見極めずに場当たり的な施策を講じても効果は薄い。課題を特定し、狙いを持った対策を講じることが、成果を出す最短ルートといえる。

