1割の購買行動はすでに「AI型」へ移行
3,000社以上の支援実績を誇るSpeeeは、国内最大規模の体制でSEO・AEOコンサルティングサービスを展開する企業だ。「AIリサーチ&イノベーションセンター」を擁し、長年培ったデータ解析力を武器に、戦略策定から実行までを多角的に支援する「データマーケティング集団」として市場を牽引している。
セッションの冒頭、藤井氏は「昨今、ChatGPTやGeminiで情報収集をしたり、購買行動が変化したりしている方は多いのではないでしょうか」と問いかけた。ビジネス・プライベートを問わずAIの利用が広がるなか、藤井氏は、ユーザーの購買行動モデルが次の3段階で進化していると分析する。

- 従来型モデル:ユーザーがGoogle、SNS、特定アプリなどを利用し、自ら情報を探しに行くモデル
- AI型モデル:ChatGPTやGeminiなどの対話型AIに情報を収集・比較させ、その提案をもとにユーザーが判断を下すモデル
- エージェント型モデル:AIがユーザーの過去の行動やニーズを先回りし、購買を提案・代行するモデル
「現在は、『従来型』と『AI型』が織り重なる過渡期にあると考えられます」と藤井氏は語る。実際に、AI対話ツールの利用データはその勢いを裏づけている。分析データによれば、2024年末から2025年にかけて、ChatGPTの利用者は約3倍、Geminiに至っては17倍という急激な伸びを見せた。
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さらに、業界別のAIアクセス比率にも顕著な傾向が見られる。BtoB SaaS、金融、高単価ECなど、「合理的な比較検討が必要な商材」において、AI経由のアクセスが非常に高い。これは、情報過多な現代において、ユーザーが「自分で探す苦労」をAIにアウトソーシングしはじめている現状を映し出している。
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マーケターの足かせとなる「ROIの不透明性」
一方で、多くのマーケターがAI対策、すなわちAEO(回答エンジン最適化)に踏み切れない最大の要因は「ROI(投資対効果)の可視化」の難しさにあると藤井氏。
「直接的なコンバージョン(CV)率だけを見れば、AI経由はまだ全体の1〜2%に過ぎません。この数字だけを評価指標にすると、ROIが合わないと判断し、マーケターは予算投下に二の足を踏んでしまうのが実態ではないでしょうか」(藤井氏)

しかし、藤井氏はここで「間接CV」という視点を提示する。ユーザーがまずAIで選択肢を絞り込んだあと、最終的にGoogleなどの検索エンジンで改めて指名検索を行い、公式サイトから問い合わせに至る、という行動モデルだ。
実際に、Speeeの支援実績においても、問い合わせの約10%がAIを介した間接CVであるという。つまり、デジタルの売上全体の1割は、すでに「AI型」の購買行動へとシフトしているといえる。

藤井氏はこの現状を踏まえ、「AEOは単なるSEOの代替ではない。フロントエンドがAIへと集約されていく時代における、マーケティング戦略の根幹である」と指摘した。

