プロモーションの全体設計:瞬間的な認知拡大を持続させるポイント
MZ:では、BeRealで展開したプロモーション施策について教えてください。
仲村:2025年12月のクリスマスシーズンに合わせて約3週間、広告を配信しました。具体的には「バランスリーチ」と「MAXテイクオーバー」という2つの広告プロダクトで設計しています。
バランスリーチは、数日間を通してキャンペーンを展開できる広告商材です。数日かけてフリークエンシーを重ね、ブランド認知や利用意向を高めていくもので、KPIに合わせてCPM保証かCPC保証かを選択できます。
もう1つのMAXテイクオーバーは、BeRealのメインフィードの広告枠を24時間ジャックできるメニューです。瞬間的にユーザーとの接触頻度を上げ、広告認知や利用意向を加速させることを得意としています。イベント開催やCMスタートのタイミングなどで利用していただくことが多いですね。

この2つを組み合わせると「MAXテイクオーバーで瞬間的に強く上がった認知を、バランスリーチでキープする」といった設計が可能になります。今回はいずれも地域や性別の区別なく16歳以上のユーザーを対象に、CTRが高いクリエイティブに予算を最適化して配信しました。
青春の1ページを応援する!成果に繋がるクリエイティブのポイント
MZ:プロモーションの成果はどうでしたか?
仲村:ブランドリフト調査の結果を見ると、MAXテイクオーバーの配信で平均より3倍ほど高いブランドリフト値が出た後、さらにバランスリーチでフリークエンシーをキープしたことで、「住信SBIネット銀行のデビットカード Point+(Mastercard)」をしっかりユーザーの記憶に残すことができていました。MAXテイクオーバー×バランスリーチという組み合わせの有用性が、改めてわかる結果となりました。
紺野:今回は「当行やデビットカードをまだ知らない層」が対象だったため、数値が跳ね上がりやすかったという前提はありましたが、よい成果が出たと思っています。しかし、真の成果は数値そのものではなく、別のところにあります。
理想は広告から新規利用まで繋げられるとよいのですが、デビットカードの利用には「銀行口座を開設する」という高いハードルが伴います。そこで今回は「未来の顧客候補が、こうしたアプローチに対してどの程度反応するのか」という指標(ものさし)を作ることに主眼を置いていました。
MZ:これから若年層向けに施策を展開していく上での指針作りも、目的として置かれていたんですね。
紺野:ええ。若年層がデビットカードの利用を意識するのは、留学や海外旅行、あるいは修学旅行といったタイミングです。そうした人生の局面で、数ある選択肢の中から「住信SBIネット銀行のポイントプラス」を想起してもらえるか――今回のクリスマス時期のBeRealでのチャレンジは、その流れを作るための一歩になったと感じています。
MZ:なるほど。成功の要因は何だったのでしょうか?
笹川:やはり、クリエイティブがポイントだったと思います。BeRealのトンマナをご理解いただき、親和性の高いクリエイティブで訴求を行うことができました。
BeRealは「ユーザーの日常を上げる」プラットフォームです。また、ユーザーの87%がZ世代であり、彼らは「いかにもな広告」を忌避する傾向があります。そんなBeRealで広告を展開する際のポイントは、「物を売る」というスタンスを捨て、学生たちの「青春の1ページを応援する」といった姿勢を持つこと。商品の機能を前面に押し出すのではなく、彼らが直面している悩みや日常のモーメントに寄り添うことが不可欠です。
今回のプロモーションでは、クリスマスマーケットという「若者が集まる日常の楽しい風景」の中に決済シーンを溶け込ませました。実際にユーザーへのインタビューでも「横浜赤レンガの広告は覚えている」という声があがっており、クリスマスの楽しそうなワンシーンとして広告が記憶されたのだと思います。

