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MarkeZine Day 2026 Online

AI時代の新戦略「価値創生CX」とは何か?(AD)

「購入」はゴールではない?その先の生活行動まで見据え、市場を創る「価値創生CXモデル」5つのステージ

【ケーススタディ】キシリトールはなぜ「生活文化」になったのか

 価値創生CXモデルが実際にどのように機能し、巨大市場を創り出すのか。その鮮やかな事例が「キシリトール」です。かつて日本の歯科医療は治療型が中心で、生活者には「甘いものを食べれば虫歯になるのは仕方ない」という常識がありました。しかし、キシリトールはこの前提を覆し、「虫歯を予防する」という新しい生活文化を創り出しました。

 この取り組みを価値創生CXモデルの5段階で整理すると、次のようになります。

ステージ1:問題提起(常識への問いかけ)

 まず提示されたのは、「虫歯の原因は糖ではなく、ミュータンス菌である」という科学的事実でした。これにより、「虫歯を治療する」ではなく「菌をコントロールして予防したい」という新しい課題(ジョブ)が顕在化しました。

ステージ2:課題認識(専門家との合意形成)

 次に、研究者や歯科医を巻き込み、「予防歯科は実現可能である」という認識を形成しました。特に、治療中心で経営難に陥りつつあった歯科医に対し、「定期検診で虫歯を防ぐ」という新しいビジネスモデルを提示し、強力なパートナーとしました。

ステージ3:解決行動(家庭・学校への導入)

 具体的な解決策として、「食後にガムを噛む」という行動を提案しました。信頼できる歯科医からの推奨に加え、学校給食後の導入や、「菌は母子感染する」という事実の啓発を通じて、親心に訴求。家庭や学校単位での導入(購入)を一気に加速させました。

ステージ4:習慣化(お菓子から健康習慣へ)

 これまで「虫歯の原因」として敬遠されがちだったガムが、「歯を守るための健康習慣」へとカテゴリーそのものの意味が転換されました。飴やタブレットなど商品形態も多様化し、日常のあらゆるシーンで摂取されるようになりました。

ステージ5:生活文化の形成(社会インフラ化)

 最終的に、予防歯科は自治体の健診や学校教育にも組み込まれました。今や「歯磨き+キシリトール、定期的な歯科検診」は当たり前の習慣となり、かつてのような「痛くなったら行く歯医者」という常識は過去のものとなりました。

生活文化の形成を目指すために重要な視点

 キシリトールの事例で重要なのは、メーカー1社だけで市場を作ったのではないということです。歯科医、学校、自治体、そして保護者という多様なステークホルダーを巻き込み、予防歯科という大きな目的のために共創する「エコシステム」を築いたからこそ、文化として定着したのです。

 単に商品を売るのではなく、社会的な課題を解決し、関わる人すべてにとってメリットのある仕組みを作る。この市場創造の考え方・プロセスが価値創生CXモデルの本質です。

【次回予告】実践のヒントを探る

次回は、いよいよ実践編です。自社の商品で、どうやって潜在的な「ジョブ」を見つけ、今回ご紹介した壮大なシナリオを描けばいいのでしょうか?4つのステップで解説します。

※本記事は制作中の書籍の情報を含みます。図版など一部が刊行時の内容と異なる可能性があります。

書籍のご紹介

本記事は、5月刊行の書籍『至高のCX 生活文化の形成を見据えた「新しい顧客体験」の戦略と実装』の一部を抜粋・再構成したものです。書籍では、価値創生CXモデルの概要や、実現のためのステップを詳しく解説。さらに9カテゴリのケーススタディとフレームワークを用いて、価値創生CX設計の勘所を学べます。

「低迷する既存ブランドを回復させたい」「戦略に変化が必要だが、何を変えたいかわからない」という悩みにお答えする1冊。ぜひ、ビジネスにお役立てください!

至高のCX 生活文化の形成を見据えた「新しい顧客体験」の戦略と実装

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至高のCX
生活文化の形成を見据えた「新しい顧客体験」の戦略と実装

著者:TOPPAN×インテグレート CX研究プロジェクト
発売日:2026年5月25日(月)
定価:2,420円(本体2,200円+税10%)

本書について

 モノが多すぎて売れない、似た商品ばかりでブランドが埋もれる……本書はそのような課題の解決として、新戦略「価値創生CX」を提唱するものです。戦略を5段階で整理し、実践ステップに体系化・フレームワーク化。9つの仮想事例を用意し、理論の理解と実践を可能とします。消耗戦を脱し、選ばれ続ける存在になるための1冊です。※書影は制作中のものです

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AI時代の新戦略「価値創生CX」とは何か?連載記事一覧
この記事の著者

TOPPAN✕インテグレート CX研究プロジェクト(トッパン インテグレート シーエックスケンキュウプロジェクト)

TOPPAN株式会社と株式会社インテグレートによるCX研究プロジェクト。
広告やPR、キャンペーンなどのマーケティングコミュニケーショ ンの設計、オンライン・オフラインのシームレスな購入接点の開発、コールセンターの応対履歴・CRMのデータ分析、CDP(顧客データ基盤)の構築、商品パッケージのデザインまで、購入前から購入後...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社インテグレート

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2026/04/10 11:30 https://markezine.jp/article/detail/50579

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