“Kaizen”は日本人の大きな強み
ここまで説明すると、単なる米国ビジネス礼賛に聞こえるかもしれません。しかし実際、米国出張のたびに、“なるほど!”と心がワクワクさせられるインターネットを活用した新しいサービスやシステムとの出会いがあるのも事実です。一方、日本では心トキメク機会が少ないように感じます。自戒を込めて言えば、日本人はオンリー1といった独自の発想を持つのが苦手なのかもしれません(それができていれば、私は既にオンラインビジネスで億万長者になっていたかもしれませんね)。
とはいえ、私は日本の市場、ひいては日本人がオンラインビジネスにおいて不利であるとは思いません。というのも、日本人の強みとして他者から学ぶ姿勢と、“改善”という知恵があるからです(米国のコンサルタントに聞くところによると、“Kaizen”は今やMBAの授業でも取り上げられているとのこと)。実際、米国で作られた様々な手法を日本のお客様に提供するとき、米国ではあまり見られない方法で活用されるケースがあります。
日本のマーケターは、米国の背中を追っているという状況を逆手にとると、米国の成功も失敗も見たうえで、自分たちに必要な手法だけを吸収し応用する、というメリットを得ることができます。それでは、このようなチャンスを、自社に生かすためにはどんなことに気をつける必要があるのでしょうか?
ひとつは、自社のビジネスの中核は何で、ビジネスゴールは何なのか明確化すること。これにより、自社に応用すべき手法を選別し、常に必要な情報にアンテナを張ることができるようになります。そしてもうひとつは、ビジネスゴールを最大化するために、SaaSやコンサル的なサービスを活用する受け皿をきちんと用意すること。どんなに優秀なツールやサービスでも、それらを使いこなし、ビジネスでのリターンを得るために組織内で必要なリソースや実行力がなければ、なかなかチャンスを生かすことは難しいのです。
やや抽象的な2つではありますが、2009年もはじまったばかりなので、今一度、見直してみてはいがでしょうか。