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織田浩一の近未来マーケティングガイド

第3回 MySpaceが示すティーンとSNSブランドの「危うい関係」


「危うい関係」と言っても、別に出会い系の話をしている訳ではないが、MySpaceを出会い系として認識しはじめたために、「危うい関係」ができはじめたと言ってもいいかも知れない。急成長を遂げるMySpaceについて解説する。

月間PVはYahoo!に続き2位!のマンモスサイト

 MarkeZineの読者はすでにアメリカ最大のソーシャルネットワークサービス(SNS)、MySpaceのことはご存知だろう。元々は、ファイルシェアリングのサイトとして起こり、紆余曲折はあったものの、現在の形として2003年から運営されている。それからのメンバーやトラフィックの伸びはすさまじく、SNSのトップサイトであったFriendsterをラクラクと追い抜き、いまではティーンや20代を中心にメンバーが8700万を超え、月間ページビューではGoogleを超えてYahoo!に続き2位、そしてGoogleにトラフィックをもたらすトップはMySpaceである。

 今回、MySpace内で生まれる検索連動型広告を狙って、マイクロソフトなどが熾烈な交渉を行っているというニュースが流れている。検索エンジンにとってMySpaceがいかに重要なパートナーであるかがわかる。また、広告インプレッションのシェアでも14.6%がMySpaceでのものであり、広告媒体としても重要であることが感じられる。

自分の個性を出せる場として、急成長

 MySpaceは、自分のバンドの音楽を送るためのファイルシェアリングのために創始者によって作られたサイトであるため、音楽との親和性は高く、ミュージックプレーヤーで自分の音楽やお気に入りの音楽を流せたりでき、さらに壁紙やレイアウトなどを自在に変えられるようなカスタマイゼーションが可能で、“自分の個性を出せる自分サイト”をつくりたいティーンなどに受け入れらたようだ。また、MixiGreeなどと違い、オープンネットワークで友達の紹介がなくとも入れることもメンバー増加に役立っているのだろう。

 MySpaceを所有するIntermix Mediaは昨年7月に20世紀フォックスやテレビネットワークFoxの親会社であるメディアコングロマリットのNews Corporationに買収された。5億8000万ドルという価格が高すぎるのではないかという議論もあったが、News Corporationトップのルパード・マードックは、MySpaceを新時代のポータルと息巻き、また同社幹部も「MySpaceはNews Corporationの長い買収歴の中で最もいい買い物だった」としている注1)。

 だが、News Corporationは政治的に保守的なメディア会社である。また、露骨なまでの競争心を持っている会社として知られており、買収当時からMySpaceの将来への行く末についてさまざまな憶測が流れていた。

(注1)
INTERNET Watch 『マードック氏率いる米News社がSNS、MySpace.comを買収 』 青木大我著、2005/07/19
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この記事の著者

織田 浩一(オリタ コウイチ)

デジタルメディアストラテジーズ社代表、アドイノベーター編集長。 広告・メディアビジネスコンサルタント。米シアトルを拠点とし、欧米の新広告手法・メディアテクノロジー・IT調査・コンサルティングサービス、記事執筆、講演を行っている。最近では有力ブログをネットワークするAgile Media Networkの立ち上げに関与した。監修書に「テレビCM崩壊~マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0(Joseph...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2006/07/18 11:12 https://markezine.jp/article/detail/61

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