最良のインターネット体験をさまざまなデバイスで
Opera Software社は、1994年に設立された、ノルウェーに本社を持つウェブブラウザ専門メーカー。600名の社員のうち400名もがエンジニアとしてブラウザの開発に携わっている(日本は社員50名)。PC向けのOperaデスクトップは1億7千万以上のダウンロード、モバイル向けは一億件以上のインストール実績があり、携帯電話向けにはauの『PCサイトビューアー』やWillcomの『WILLCOM03』、その他Windows Mobile端末にも多く採用され、組み込み機器でも、ニンテンドーWiiやニンテンドーDSi、ソニーのデジタルフォトフレームなどにも搭載されているという。
同社のビジョンは、「最良のインターネット体験をさまざまなデバイスへ」だ。PCや携帯電話だけでなく、ゲーム機などにもブラウザを提供している中、安江氏はそのビジョンを実現するために今後注目されるのが“ウィジェット”だとし、「Operaウィジェット」の概要を説明した。
ウィジェットは、天気や地図、ニュース、メールなど、単機能に特化したWebアプリケーション。ブラウザの外側で動作するので、デスクトップに置くなど、好きなときに利用できるのが特徴だ。Webサイトの場合、ソースコードをすべてダウンロードする必要があるが、ウィジェットの場合、データはサーバの中にあり、必要なときに差分データを必要なだけダウンロードする形が一般的だ。
Operaウィジェットは、こうしたWebアプリケーションを携帯電話もしくはその他のデバイスでローカルに動作させる技術。HTMLとAjaxなど、Web標準技術を用いて開発できるため、短期間での開発が可能。異なるソースのデータをマッシュアップしたアプリケーションも可能で、現在PC向けにはWindows、Mac、Linuxに対応し、日本の携帯電話では、KDDIが『au oneガジェット』という名称で採用している。
Windows Mobile端末向けには、『Opera Mobile 9.5 beta』をインストールすれば、Operaウィジェットの利用が可能。また、PC向けには1,500以上のウィジェットが既に公開済みで、現在デバイスを超えて動作するウィジェットのコンテスト「X-Widgets チャレンジ」を実施しているという。このコンテストは、PCだけでなく、携帯電話など、クロスプラットフォームで動作するウィジェットを募集するもので、優秀作品には賞金が授与されるという(参考:Opera Widgets blog)。