CMSをめぐる状況は変化している
企業を支える各種のソリューションを提供する株式会社アシスト。同社の看板製品の1つに、I-ON COMMUNICATIONS社のWebコンテンツ・マネジメント・システム(CMS)『NOREN』がある。最近では、利用目的を限定したクイックスタートブランド『NOREN Entry Box』シリーズに力を入れているという同社の、のれん力強化事業推進室 室長 根津豊氏(写真:右)に、2009年のNOREN関連サービスの取り組みと、今後の展開について聞いた。
根津氏は「CMS案件の傾向は、ここ1年ほどでお客様の状況が変わってきているように思います」と語る。NORENのプロジェクトを始めた当初は、顧客企業の担当者は広報のセクションが主導だったのが、最近では広報担当者と一緒に情報システム担当者や経営企画担当者が同席するようになり、広報だけでなく、顧客企業全体の課題を解決する要件にまで発展しているという。
経営課題を解決する提案が求められている
情報システム担当者とのやりとりによって、導入前のコミュニケーションはさらに綿密なやり取りができるようになった一方で、関わる部署が増え、納品まで時間がかかるという課題も出てきた。また、Webサイトへの要件は増えているとはいえ、経済不況が叫ばれている状況でもあるので、Webサイトへの投資はかなり吟味されてくると根津氏は予測する。「我々はCMSの専門家ではありますが、Webをどうビジネスに活かすかは、パートナー企業が専門。単に『CMSを導入すれば楽になりますよ』というだけでなく、彼らとしっかり手を組んで、お客様の経営戦略にとって本当に必要なものを整理し、ベストな提案をしていきます」と、パートナー企業とのより密接な連携の必要性を述べた。
さらに「提案にあたっては、お客様のニーズが明確な場合は案件が進みやすいのですが、潜在的なニーズを掘り起こす必要がある案件の場合は、手間がかかり、機敏な対応ができないという課題もあります」と根津氏。この課題を解消するために生まれたのが、目的別に機能をまとめた『NOREN Entry Box』シリーズだ。
目的を明確にし、低コストとスピードを実現
根津氏は『NOREN Entry Box』シリーズをリリースした目的は大きく2つあるという。
1つは、“費用の明確化”だ。CMSの導入費は要件によって変わるため、顧客は初期段階で全体でいくらかかるのかが分からない場合が多い。これに対し『NOREN Entry Box』シリーズはシステム、テンプレートセット、マニュアルなどすべて含んだ価格を提示しているため、顧客が容易に検討できるようになっている。もう1つの目的は、“ニーズの明確化”だ。「目的が明らかな製品なので、Webの技術的な話や『CMSとは?』といった話をしなくてもすぐに理解してもらえます」と根津氏。