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貝印の見据える「これから」
貝印社員に聞く 「カイタッチ・プロジェクト」の裏側

 河野武が貝印社員に聞く「カイタッチ・プロジェクト」の裏側! 最終回となる今回は、ブログコメントならではの難しさや、プロジェクトの今後の展開について語っていただきました。【この記事はトーキング.jpからの転載記事です】

今回インタビューをお願いした貝印株式会社について
有名なカミソリをはじめ、キッチンウェア、ビューティーケア用品といった生活用品から医療用品や業務用刃物など、1万点にも及ぶ刃物を作っている貝印株式会社。創業は明治41年、日本最大の刃物の都、岐阜県関市で小さなポケットナイフ製造所からスタートされており、2008年で100周年となる歴史のある企業です。

ブログコメントならではの難しさ

河野
あ、そうだ。コメントをつける練習とかは、されたんですか?
郷司
特にはしてないです。最初は、ドキドキするんですけど、みんなそれぞれ書かせて、自分なりの文体もありますんで、それで僕が全員が書いたのを一回見てですね、まぁ、そんな変なの、無いじゃないですか。
河野
まあ、ないですよね。
郷司
じゃあ、あとはみんな好きにしようよ、ということで。ただその、何かを悪く言ったりだとか、あとはフレンドリーになるのはいいけど、当然、相手はお客さまなんで、一定の節度を持って接するとか、そのくらいですね。それ以上やるとなんか堅くなっちゃうんで。
河野
機械が書いた文章みたいになっちゃいますからね。
郷司
まぁ、そこの基本スペックは日々の業務で鍛えてあるはずなんで、という認識のもとで(笑)。
遠藤&河野
あははは。
郷司
最初だけだよね? 文面を見たのは。
遠藤
そうですね、最初だけ一応チェックをして、まぁ、基本的にこの姿勢であれば、大丈夫でしょうという形で。
郷司
あとは一応、後で見れますんでね、全部。そこで見てますけど、やっぱり変なのはないんで、今はもう安心してます。
河野
実際にぼくのブログに遠藤さんが残されたコメントもそうだし、他の人のブログに残されてるコメントもいくつか見たんですけど、距離感がすごくうまいなと思ったんですよね。このコミュニケーションにおける相手との距離感って、けっこう教えるのが難しいと思ってて、まぁ、社内でも距離感が取れない人っているじゃないですか?(笑)。
郷司&遠藤
あははは(笑)。
郷司
私とかそうですね(笑)。
河野
またまた(笑)。ましてや、特にネットのやり取りって、それまでのカスタマーサポートみたいに、1対1じゃないじゃないですか。
これまでの顧客対応って基本的にメールとか電話とかクローズドな環境ですよね。もちろん録音したりコピペしたりして、どこかに公開されることはあるんですけど、まあそんなことはほとんどないわけです。

でも、ブログにコメントを付けるっていうのは、その瞬間に、それが10人か100人か1000人かわからないですけど、ぜんぜん関係ない第三者がたくさんいる、衆人環視のもとで、1対1のコミュニケーションやるんで、ちょっと慎重にならざるを得ないなと思っていて。そこでまさにおっしゃったように節度な距離感を取るっていうのは、ひとつのスキルだと思っているので、ぼくはもうちょっと、社内でトレーニングされてるのかなと思ってたんですよね。いや、すごいなと。
郷司
ありがとうございます。でもこのために何かをしたとかはないですね。
遠藤
結果的には、なんですけど、私自身はたとえばメルマガのチェックやお客さまへのご案内を担当していたのが、役に立ってると思います。そういうコミュニケーションは、業務としてやっていたんですね。その時の一応、感覚値みたいなのはあるので、私としてはそれがもっと1対1の密なものになったという感覚なんですね。我々、本当に実務をやっている者としては。
河野
なるほど。まったくのまっさらということでは、なかったと。
郷司
まぁ、僕たちの日々の業務というのはそういうことばかりなので。あとは指針というほどのことではないんですけど、いくつか徹底したことがあります。まず、自社製品はプッシュしないこと。それから、人を悪く言わないこと。最後に、感謝の意を持って接すること。これぐらいですかね、あ、あと、ウソをつかない。わかんないことはわかんないって言う。これぐらいですね。

でも、これぐらいの決めごとがあったら、書けることっておのずと決まってくるはずなんですよ。あとはまぁ、みんな会社の代表でやってるという意識を持ってやってますんで、一般社会人ならなんとかなるでしょう、って思ってます。
ただ、全社プロジェクトとする時はちょっとね(笑)。
河野
そうですね、さすがにいろいろありそうですしね(笑)。
郷司
ちょっとね、怖いんで(笑)。いきなり、はいスタート、っていうわけにはいかないと思ってますけど。まぁでも、スタッフのスキルってのはあると思いますね。多くの人には簡単なことでも、やっぱりできない人っていますから。今のところは、スタッフに恵まれているっていうことじゃないですか。(コメントの文面に対して)線引き、引けないじゃないですか。
河野
引けないですよね。
郷司
これは95点だとか(笑)。
河野
それは難しいですね(笑)。けっきょく、最終的には、表に出さなきゃわかんないじゃないですか。こっち側で、これはいいんじゃないって言ってても、出してみたらすごい怒られることだって、あるわけですし。

特にコミュニケーションの難しいところって、単純にそこにある言葉や文章がどうこうじゃなくて、読み手が、たとえば前の日にすごいいいことがあったら、多少のヤバいことでも笑って受け入れてくれるし、でも彼女にフラれた後だったら、ちょっとしたところでイラッときちゃって、怒ったりするんで。

同じ文章を出しても、受け取り手側の精神状態で、ぜんぜん印象が変わったりするんで
、そういう意味ではトレーニングや準備の限界はあるんですよね。
郷司
あとは書いたことに対しての、コメントを必ず全部チェックしてるわけじゃなくて、こっちはある意味、書きっぱなしになっちゃってるところがありますので、後で見返して「あー、マズかったかな……」みたいなやつはあるかもしれません。ないように祈ってますけどね。

ただ、お客さまの反応を見きれてないといったところは、さっきと一緒で、今後の課題のひとつではありますよね。今のところは喜んでくださってるコメントが多いですけど、もしかすると「なにこれ!?」みたいなのが出ているのに放置している可能性もあるわけですから、そういう意味では怖いですけどね。まだまだ、先は長いな……。
河野&遠藤
あははは(笑)。
河野
でも、本当に大きな取り組みだと思います。実際に、どの会社もやってないことでもありますし。数字が当初、読めなかったっていうのも、前例がないことをされてるんで、当然だと思いますし。

ぼくも今日伺うにあたってけっこうな件数を拝見したんですけども、あれだけの喜びようをブログ上で表現することって、そうそうないですよね、ひとり一人が。だから、誕生日とかもちろん、その人にとってのハッピーなイベントがあれば、すごくテンション上がって書くんですけど、それに匹敵するぐらい、彼らの心理変化を起こしているなと。
郷司
あ~、そうですか。
遠藤
ありがたいですね。
郷司
ちょっと、社長に言ってもらえないですかね。
全員
あははははは(笑)。
遠藤
ちょっと、給料日前くらいに(笑)。
郷司
ボーナス査定時期ぐらいに(笑)。
遠藤
そうですね、ボーナス査定前日ぐらいがいいですね(笑)。
河野
あははは(笑)。

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この記事の著者

河野 武(コウノ タケシ)

1974年7月3日生まれ。立命館大学経済学部卒。コミュニケーション・デザイナー。マーケター。企画屋。 1997年、ニフティ入社。2001年にニフティ退職後、フリーターとして数年過ごし、2004年から2005年までオンライン書店ビーケーワンの専務取締役兼COOを務める。ECサイト初となるトラックバックを導入...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2009/05/05 11:00 https://markezine.jp/article/detail/7031

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