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貝印の見据える「これから」
貝印社員に聞く 「カイタッチ・プロジェクト」の裏側

取材を終えて

 以上でインタビューは終了です。最後に同行してくれた藤田さんとぼくの感想を。

企業担当者にとって大きなヒントに(藤田)

 個人的にもこの取材で得るものは多かったのですが、もっとも印象的だったのは担当者の方のバランス感覚と、このひと言。

 「マーケットの声に直接触れて、悪いことなんて、絶対ないはず

 トレンドに流されることなく、何が自分たちにとって必要で、そうでないものは何かを見極め、地道に経験を積んできた結果として得られたものだと思います。

 今回、インタビューの内容をほぼそのまま掲載しているので、ネットやブログに対してどう取り組もうかと悩んでいる企業担当者の方は、かなりヒントになることが詰まっていると思います。ぜひ参考にされることをお勧めします。

カンバセーショナルマーケティングの実践事例(河野)

 本当のカンバセーショナルマーケティングは、企業の担当者がネット上のあちこちで「すでに」行なわれている会話に「自ら」参加することです。

 それは企業ブログにトラックバックを送ってもらうことでも、ブロガーイベントを開催することでもなく(もちろんそれらは大事な試みだと思うけど)、ユーザーのブログを訪問してコメントを残し、そこで会話することだとぼくは考えています。そして、それを実際にやられているのが貝印さんだったのです。

 担当の郷司さん、遠藤さんに話を伺って感じたのは、地に足がついているなということです。自分たちがやりたいことと、今できることをきちんと整理して、その折り合いをちゃんとつけているのはなかなかできることではありません。

 郷司さんは、ネットへの取り組みを手探りで慎重に進めてきた一方で、書き込む内容には特にルールを設けず、社員を信じて任せる大胆さも兼ね備えています。

 遠藤さんは、ぼくへのコメントでも感じたことだけど、本当に距離感が素晴らしい。なれ合いにならず、それでいてフランクさを保った文章力は本当にすごいと思いました。

 今回の取材で、かつての企業ブログもそうでしたが、先例のない企業コミュニケーションは「顧客と繋がりたい」という強い意志を持った、優秀なプロジェクトチームの存在が不可欠なんだなと再認識しました。

 こういう試みがもっともっと他の企業に広がっていくといいですね。

 バックナンバーはこちらからご覧いただけます。

 第1回―「なんで、囲い込まなきゃいけないの?」貝印社員に聞く 「カイタッチ・プロジェクト」の裏側

 第2回―お客さまの声に直接触れて、悪いことなんて、絶対ないはず 貝印社員に聞く 「カイタッチ・プロジェクト」の裏側

 第3回―アピールよりもコミュニケーション 貝印社員に聞く 「カイタッチ・プロジェクト」の裏側

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この記事の著者

河野 武(コウノ タケシ)

1974年7月3日生まれ。立命館大学経済学部卒。コミュニケーション・デザイナー。マーケター。企画屋。
1997年、ニフティ入社。2001年にニフティ退職後、フリーターとして数年過ごし、2004年から2005年までオンライン書店ビーケーワンの専務取締役兼COOを務める。ECサイト初となるトラックバックを導入し、また「入荷お知ら...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2009/05/05 11:00 https://markezine.jp/article/detail/7031

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