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MarkeZine Day 2025 Retail

事例から読み解くユーザービリティ改善の勘所

第1回 ユーザビリティでまず何を考えるべきか


人間中心設計プロセスからみえてくるユーザビリティの落とし穴

 もう少し、具体的な例で考えてみましょう。

 例えば、オンライン予約サイトで、「『予約ボタン』はサイト内で共通の位置に目立つように配置を改善したし、商品説明⇒予約という流れもスムーズに移動できるように改善した、にも関わらず予約件数が思うように伸びない」といった問題を考えてみたいと思います。

 ここで、ユーザーの実際の利用状況を調査してみると、実はユーザーは予約をしようと予約ボタンをクリックするところまでは行っているものの、その先のプロセスでユーザーが想定している予約プロセスと異なっているために、なかなか予約完了ページまでたどり着けないといった問題が生じていたりします。

 これは、設計による解決ばかりを試みようとして実際の利用状況の調査と把握ができていないことに起因したユーザビリティ問題の一例です。

 こういった場合、サイト運営者の意図していたプロセスと実際のユーザーのサイト閲覧プロセスの間にギャップがあり、ターゲットユーザーがどのようにサイトを利用しているのか? が把握できていなければ、いくら表面的な改善を繰り返しても根本的な解決に至りません。

 私たちは、「使いやすさ」というところにばかり注目して、前提となる「ターゲットの選定」や「サイトの目的の決定」「サイトの利用状況の把握」といったプロセスをきちんと通らないまま、サイトの戦略が間違ったまま、ユーザビリティの表面的な部分(例えば効率問題)にばかりに目を向けてしまっていたのです。

 初回のトピックスとして、ユーザビリティの現状を取り上げました。「ユーザビリティは使いやすさだけではなかったのか」という点を理解できたと思います。

 さて、次回以降は、具体的な事例を使って、ユーザビリティに関連するいろいろな手法を読者のみなさまにご紹介していきたいと思います。お楽しみに。

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この記事の著者

矢野 絵美(ヤノ エミ)

中央大学大学院理工学研究科で感性工学を専攻。修了後、株式会社ミツエーリンクスに入社。現在はWebアナリストとして、アクセスログ解析やユーザビリティに関するサービスを担当している。これまでに、80社を超える大手企業サイトの診断・コンサルティングを実施している。
日本感性工学会 会員。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/02/13 15:12 https://markezine.jp/article/detail/703

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