自社サイトの重要度が増しているウェディング業界
あなたは「結婚」と言えば何を思い浮かべるでしょうか。私の場合、真っ先に思い浮かぶのはリクルートが出版しているゼクシィですね。加藤ローサの花嫁姿と「パパパパーン」で始まる曲の2004年のテレビCMを思い出します(参考:CM ゼクシィ 加藤ローサ、Youtube)。
さて、リクルートが毎年発行するゼクシィ結婚トレンド調査によると、披露宴・披露パーティー会場を検討する際に利用した情報源として、1位は予想通り結婚情報誌ですが、2位はインターネットという結果になっているのをご存じでしょうか。以前は非常に大きかった、1位と2位の差が2008年はその差は20%程度になっています。ウェディングドレスも1位は結婚情報誌、2位はインターネットで、会場同様に1位と2位の差は縮まっている模様です。
結婚検討期にある私の友人達にも聞き取り調査をしてみると、ゼクシィシンパとアンチゼクシィにきれいに分かれます。前者は「便利だから」「あまり考えなくてもゼクシィnetがナビゲートしてくれるから」、逆に後者は「ゼクシィ経由だと会場側があまり割引してくれないから」という理由からだそうです。また、ゼクシィシンパであっても、ゼクシィでいいなと思った会場については、その会場や会社の公式Webサイトを見て、雰囲気を確かめてから会場候補を絞り込み、参加するフェアを選ぶという行動もあるとのことです。
以上のような背景から、結婚検討期にある人の情報収集の変化を踏まえ、ウェディング業界もネットに力を入れる企業が増加中です。その中で業績を伸ばしている会社の方によると、訪問者の経路にも大きな変化がではじめているようです。
ウェディングサイト訪問者の3つの特徴
自然検索からの流入増
結婚に関する情報誌やサイトは巷にあふれています。ゼクシィ、シティウェディングなどの専門誌から、Yahoo!やOZmallなどのウェディングカテゴリなど、実にさまざまな媒体があります。そこに多くのウェディング企業が広告を出稿しているのが現状です。
そのため、ウェディング企業の自社サイトへの流入は、そのような広告媒体からが多いと思うかもしれません。しかし“実は専門広告媒体からの流入はそこまで多くはない”のです。むしろ検索エンジンからの流入が多いサイトも増えており、あるサイトへの流入は、実に80%以上が検索エンジン経由という結果になっています。
検索エンジンの内訳を自然検索とリスティング広告で分けてみると、うまくやっている企業は自然検索の割合が非常に高く、しかも社名やブランド名、会場名ではなく「グアム 結婚式」「花嫁 ヘアメイク」「結婚式 和装」といった浮動ワードでユーザーを取り込み、ランディングページの工夫により直帰率を下げることに成功しています。
つまり、検索エンジンの日常への浸透や結婚検討者ニーズの多様化が、ユーザーの検索エンジン利用増につながり、それを“うまく獲得している会社と、逃している会社の差が広がっている状態”なのです。(次ページへ続く)