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自動入札管理ツールに対する広告主のホンネ


広告主の認知状況と利用意向について

 では、自動入札管理ツールについて、需要者側の広告主は現状自動入札管理ツールをどのように見ているのであろうか。2009年2月に、リスティング広告の運用を積極的に行なっている数社の広告主企業に自動入札管理ツールに関してヒアリングを実施した。

IT関連企業

 月額数百万円規模の予算でリスティング広告を運用しているある広告主は、自動入札管理ツールの存在は知っているものの、その詳細についてはまだ情報を得ていないようであったが高い関心を寄せていた。この広告主は広告代理店を介さずに、自社で厳格な運用ルールを決めてリスティング広告への出稿をしている。

 費用対効果を厳しく追求する広告主であればあるほど、自動入札管理ツールに関しての関心が高く、そのメリット・デメリットを冷静に判断出来し、必要であれば導入への判断は早いのではないかと感じた。

Eコマースサイト運営企業

 Eコマースサイトを運営する広告主は、現在自動入札管理ツールを利用して、月額数百万円規模の予算でリスティング広告の運用をしている。この広告主は、自動入札管理ツールの導入により、導入前と比較してコンバージョン件数を大幅に増やすことができたとのことである。

 ただしそこに至るまでには、日々の継続的なメンテナンスを広告代理店にサポートしてもらいながら実施する必要があるとのことだ。

 また自動入札管理ツールは導入した当初は投資効率の改善効果は出るであろうが、それを継続させるには、多くの地道な作業が必要であるという。このことから、自動入札管理ツールを導入すれば、あとは自動的に効果が次々と現れるというものではなく、そこに新たな作業を付加することで投資効率が改善され続けていくというものであることが理解できる。

情報サイト運営企業

 大手情報サイトを運営し、月額1,000万円以上のリスティング広告を運用する広告主は、以前ある広告代理店からポートフォリオ管理型の自動入札管理ツールを勧められたが、導入は見送ったそうだ。

 この広告主企業の担当者の見解は、自動入札管理ツールの機能的優位性についての評価はしているが、もし仮に現状のリスティング広告予算に一定の料率でコストが上乗せされた場合に、そのコストを吸収するまでの投資効率の改善効果が出るかどうかは、実際に運用を開始してみないとわからないというものだ。現状のリスティング広告運用予算に一定の料率でのコストが発生することにリスクを感じているというものであった。

 また、コンバージョン数が例えば2,000以上であるなど、一定規模に達しないと効果は未知数なのではないかとの見解も示していた。ただし、「自動入札管理ツールの料金体系が、リスティング広告料金に一定料率を乗じた変動的なものでなく固定金額性であれば、導入するインセンティブは高まるかもしれない」とも付け加えていた。

 この意見はあくまでも一例であるが、一定規模以上の予算をリスティング広告に投下している広告主の自動入札管理ツールに対する評価は、導入に際して一定のリスクヘッジがなされれば、その利用についてはやぶさかではないのかもしれない。

 自動入札管理ツールによるサービスを受け入れる広告主側にとり、広告代理店側から、広告主がツールを導入することに対してのリスクコントロールができる形での提案をしてもらえることが、望ましいということなのであろう。

第5回記事は明日公開です。バックナンバーは以下よりどうぞ。
自動入札管理ツール誕生の背景
リスティング広告運用の効率化だけではない 2008年が自動入札管理ツール元年になったワケ
自動入札管理ツール、9製品を徹底比較

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この記事の著者

野下 智之(ノシタ トモユキ)

株式会社デジタルインファクト 代表
ExchangeWire.jp 編集長

1983年設立の市場踏査会社、株式会社シード・プランニングの独立プロジェクトとして、2014年10月にデジタルインファクト(Digital InFact)を設立、2016年4月に法人化。

デジタル領域を対象とする市場・サービス...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/06/01 17:31 https://markezine.jp/article/detail/7204

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