物価高騰による生活防衛意識の高まりから、節約志向やコスパ重視の消費行動が顕著になった2024年上半期。ビジネス面では生成AIの目覚ましい成長が、各社に事業戦略や業務プロセスの変革を迫る大きな要因となりました。
未来を見据えた変革が求められる中、マーケティング業界ではどのようなトピックに注目が集まったのでしょうか?
MarkeZine編集部では、2024年1月1日~7月31日の間に掲載した記事を独自に点数付けし、ランキング化しました。本稿では、その上位20位を発表します。MarkeZineの人気記事から、業界の注目トピックを振り返ってみてください。
1~10位 Googleの今後と1st Party Dataデータの活用に注目が集まる
1位は、米国大手IT企業・プラットフォーマーを数社にわたり経験してきた著者が、「NHK受信料制度を廃止するビジネススキーム」について構想を語ったコラム。NHKの視聴ログデータを有効活用する方法を提言しています。
「1st Party Dataを活用してビジネスを作り変えるとしたら……」という頭の体操だと思って読んでみると、気付きが多く得られるかもしれません。
2位は、1位と同じ著者によるコラムがランクイン。3rd Party Dataに依存するGoogleから、「1st Party Data プラットフォーマーの時代」に移行が進む今、世界のリーダーたちが利用している検索エンジンのトレンドを解説します。
「1st Party Dataプラットフォーマーの時代」の空気感をつかみたい方は、1位と2位、そして8位「なぜGoogleのシェアが落ちているのか?」のコラムを含む、著者の連載をまとめたコーナー「マーケティングの近未来」をチェックしてみてください。
3位は、サントリーホールディングスが取り組むInstagram施策がテーマ。生活者との新しい向き合い方やデジタルプロモーション領域におけるInstagram活用、特にインフルエンサーマーケティングのメリットや課題、それを踏まえた今後の展望を語っています。
続く4~10位は下記の通りで、様々なトピックがランクインする形となりました。
4位は、デジタル時代におけるマーケティング人材の流動性と、求められるスキルセットの変化を示唆する記事。5位はSNSを活用したそごう・西武の集客施策、6位は急成長企業の差別化戦略、7位と9位は若年層にアプローチする方法、10位は顧客の行動変容を促すデータ分析手法を解説する記事で、具体的な失敗例を挙げたわかりやすい内容が好評だったようです。
4位 大手広告代理店出身者などマーケティングのトップ人材がアクセンチュア ソングに集結するワケ
5位 Xで集客→LINEに集約!デジタル施策からリアルへの来館につなげる、そごう・西武のSNS戦略
6位 【2年でARR17.5億円】Sales Markerの急成長を支えた、カテゴリ戦略とは?
7位 Z世代・α世代に届く!“マス不在”の時代における、サブカルチャーを絡めたコンテンツ制作の極意とは
11~20位 新規事業立ち上げ・新会社設立など新たなチャレンジに関心が集まる
ここからは人気記事の11~20位をご紹介します。新規事業の立ち上げや新会社設立など、新たなチャレンジについて企業トップに聞いたインタビュー記事が多数ランクインしました。
そのほか、アフターコロナで注目度が高まっているOOHの事例を紹介した記事も人気でした。
11位 プロダクトが強力なら未完成でも売れる なぜ人は「NOT A HOTEL」の虜になるのか
12位 ビジネス全体への寄与を考え遂行できる人材へ、アクセンチュア/ディレクター職の社員が語る成長と価値提供
13位 なぜ「顧問編集者」は月額100万円以上なのに依頼が途切れないのか?
14位 博報堂DYグループの新会社「Hakuhodo DY ONE」小坂社長が示す、業界トップを狙う戦略
15位 顧客とつながり続けるには?電通グループ 日本事業のCXプレジデントが率いる「CX-Connect」
16位 「Google検索は死んでいる」という指摘から得た着想 変容しつつある価値形態
17位 ハレの日のニーズだけでは産業が衰退する 着物リメイクブランド「ケニマリ」創業者のピュアな商い
18位 2023年下半期に話題となった「オフライン広告」 立地よりもコンセプト・余白・演出で拡散を狙う
11位、13位、17位は、アナグラム代表取締役の阿部圭司さんによる人気連載「小さな会社、大きな仕掛け」の記事です。また4位に続き、アクセンチュアを取り上げた記事が12位と19位にランクインしました。
2024年前半の人気ランキングは、施策改善など現場感のあるテーマより、事業・組織・人材などマーケティングを大枠で捉えたテーマに注目が集まった結果となりました。2024年の業界トレンドをキャッチアップするために、押さえておきたい記事ばかりです。2024年後半に向けて、まとめ読みしておくのはいかがでしょうか。