Wolfram Researchが公開したWolframAlphaのトップページには、検索エンジンとおなじように入力欄が用意されている。しかし、このサービスの目的はGoogleのようなウェブ検索ではなく「計算(compute)」。WolframAlphaは現在、10兆以上のデータと5万種類以上のアルゴリズムとモデル、1000以上の言語についてのデータを持っている。
検索エンジンはウェブページへのリンク情報を提供するが、WolframAlphaは内部のナレッジベースとアルゴリズムを使って特定の質問に対する答えを計算する。また、Wikipediaはトピックについて語られた情報を提供するが、WolframAlphaは特定の質問に対する答えとして、物語ではなく事実を提供する。つまり、自身を専門的な知識を提供する知識エンジンだと定義している。
以下は「Japan」と入力して表示されたページ。日本についてのさまざまなデータが表示されている。また現在、世界的な規模でひろまっているインフルエンザについて調べてみると、WolframAlphaでは「Influenza」という言葉についての解説が表示されるが、Googleでは、インフルエンザに関するニュースなど現在進行形の情報が多数表示される。これによって両者の目的の違いがわかるだろう。
WolframAlphaを開発したWolfram Researchは、計算、モデリング、シミュレーション、可視化が可能な計算ツール「Mathematica」を開発・販売しており、この20年以上もの歴史を持つ計算ツールの成果を利用してWolframAlphaは開発された。WolframAlphaのナレッジベー スのほとんどはより体系化された一次ソースをもとにしている。また、情報ソースについては結果ペー ジにあるリンクをクリックすると表示される。
WolframAlphaは、すぐには成果を出そうとしておらず、今度数十年間にわたって開発を続けていくとしており、広告展開についても将来の目標だとしている。
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