セマンテックウェブ技術による人物検索サービス「SPYSEE」
最近、ちょっと気になるくらいの知名度の人物を検索すると、Wikipediaやはてなのほか、「あのひと検索 SPYSEE(スパイシー)」がヒットした、という経験はないだろうか。SPYSEEは、「ひと」についてWeb上で公開されている情報を自動的に収集・整理し、1つのページにまとめて表示するサービスである。
ユニークなのは、検索した人物について、さまざまな角度から情報が表示されることだ。プロフィールや生年月日といった基本的な情報はもちろん、画像、さらには、検索した人と他の人物がWeb上でどのくらい一緒に登場しているか、分析してランキング形式で表示。どのような人間関係か推定できた場合は、「共演者」「友達」など、関係の詳細も表示される。
視覚的な見せ方にも長けていて、人間関係については、テレビドラマのキャスト相関図のような形式でも紹介されるので、ひとめで検索した人物の人間関係が把握できるのも面白い点だ。関連ニュースや関連商品、関連動画も表示されるので、SPYSEEで人物検索すれば、Webにある情報は横断的に取得できると考えていいだろう。現在で約35万人の人物が登録(2009年5月20日現在)されていて、さしずめWeb上の人物図鑑といって差し支えない。
このSPYSEEを運営するのが、2008年3月設立の、オーマ株式会社。現在の社員は代表取締役の石田啓介氏ひとりという、生粋のネットベンチャーだ。
しかしながら不思議なのは、なぜこれだけの詳細検索が可能かということ。石田氏に、SPYSEEの技術的なバックグラウンドについて尋ねてみたところ、次のような答えが返ってきた。
「核となるのは、Web上に存在する大量の情報の意味を理解し、必要なものをピックアップして編集して提供する『セマンテックウェブ技術』です。次世代検索エンジンを実現する技術として世界各国で研究開発・実用化が進められていて、当社ではいちはやくこれに注目して、サービス化を実現しました」(次ページへ続く)