ログにメールからのアクセスを記録するには
メールに書かれたURLをクリックしてWebサイトを訪れたという記録は、そのままではログに残りません。リファラの部分が「"-"」となって、単に直接アクセスしてきた、という記録になるだけです。他の直接アクセスと区別がつきません。そこで、メールからの来訪を判別するには、少し工夫が必要です。また、同じページへリンクするURLが同じメールに2ヶ所出てきたとして、どちらがクリックされたのかも判別すべきです。
そのためには、入口をすべて変えると良いでしょう。普通にトップページから来た人でもアクセスできるページAにリンクをする場合、
http://www.×××.co.jp/a.html
といったURLになるでしょう。メールからこのページにそのままリンクしたのでは、トップページから来た人と区別がつかなくなります。そこで、このa.htmlをコピーして、a2.htmlとして別名で保存、サーバに追加します。メールからのリンクは、
http://www.×××.co.jp/a2.html
と書けば、a2.htmlには一般のページからはリンクしていないので、このページに訪れた人は全員メールからと仮定できます。機能的にはa.htmlとまったく同じなので、そこからの移動などでは問題はありません。
アクセス解析では、a2.htmlが入口になった回数、直帰された回数などを確認します。参照されたURLでa2.htmlを見れば、どれぐらい実際にこのページから移動が行なわれたかがわかるでしょう。プログラムを作って、リファラにa2.htmlが含まれる行だけを抜き出せば、そこからどのページに移動したかもつかめます。商品などでは、購入CGIなどに移動した数を把握することです。
クッキーを与えての分析
ログをきちんと設定すれば、クッキーが記録されますから、a2.htmlでクッキーを与えれば、サイトに訪れてからの行動を詳細に捕捉できます。a2.htmlに来た時に例えば「froma2」という値のセッションクッキーを出せば、そのユーザセッションが続いている間は、ずっとそのリクエスト行にfroma2という値が含まれたまま移動するわけです。後でfroma2を含む行を抜き出して解析すれば、メールのそのリンクから来た人が、どれだけ目標ページにたどり着いたかがわかります。例えば商品購入後に表示されるページがthankyou.htmlだとすると、
a2.html 500PV
thankyou.html 30PV
といった数字から、500人来て30回買い物が行なわれたことがわかります。

froma2をセッションクッキーにしておけば、いったんアクセスを終了するとクッキーが消え、次回のメールで同じ人が今度はb2.htmlに訪れても、クッキーの混乱は発生しません。Apacheサーバでは、クッキーそのものはログに残りません。しかし、工夫次第では使えます。
例えば、a2.htmlに来た時点でfroma2というクッキーを与え、測定したいページでクッキーを読み取り、もしfroma2クッキーを持っていれば、特別な画像を呼び出すようにスクリプトを書きます。特別な画像と言っても、真っ白で1ピクセル四方の目に見えない画像で良いので、デザインに影響は与えません。後で、その画像のリクエスト数をログから集計すれば、どこに移動させられたかをつかむことができます。複数のページで測定するなら画像の名前をわかりやすく違えておく必要があります。例えば、a2.htmlのページビューが500PVあったとすると、

といった形で、ページごとに違う名前の画像を呼び出せば、来訪後、どのようなページを巡回したか、購入に至ったかがわかります。上記の例では、商品購入ページには50回移動したが、実際に購入したのはそのうちの30回だけだった、ということがわかります。
