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ビジヲタ必見!「すべらない事業」の作り方

占いコンテンツのASP事業で成功したGT-Agencyの「ベンチャーらしからぬ」経営のコツ

Q9.  すべらせないために心がけていることはありますか?

 当たり前ですが赤字を出さない、ということです。

 意味的には「欲を出さない」「無理をしない」と言い換えることもできます。リスクを取ることもよくありません。ハイリスク・ハイリターンという単語をビジネスにおいてギャンブル的に捉えてしまうと取り返しのつかないミスにつながると思います。小さくスタートして、大きな成長を目指さず、地道に進んでいくことが大切じゃないでしょうか。天竺への旅路は遠い、という話です。

 急激な組織の拡大や、営業支援会社への投資などなど「お金とマンパワーで解決できるビジネスの近道」はあてにならないと思います。

Q10.  新規事業のAppBankとはどのようなものですか?

 iPhoneアプリを紹介しているサイトです。

Q11.  AppBankのマネタイズはどのようにするのでしょうか?

 今、一生懸命考えているところです。現在AppBankはおかげさまで月間1200万PV程度のメディアになっていますが、一般的な広告収益やタイアップなどと言ったメディアビジネスを柱にする予定はありません。

 実はもう単体として黒字化してしまっているので、すべる、ということに関しては心配なくなったのですが、一点言うとしたら、日々多くのビジネスの誘い・提案がやってきます。それらに時間を取られず、気分やノリで新しいビジネスを始めず、自分たちが決めたことを一個ずつこなして、初めて次のアクションを取る、ということを心がけています。

 AppBankというビジネスは私含めて2名でやっていますので、興味があるから、と言って多くのことに手を出している時間はありません。できるだけ多くのことに興味を持たずに、自分たちが信じている手法を順番にちゃんと実現していくことに注力する、というのは大切にしたいですね。

Q12.ではGT-Agency 全体に関しては如何でしょうか?

 GT-Agency =占いコンテンツなのですが、占いビジネスに関しては、新規開拓フェーズではなく、運用フェーズに現在いると状況を位置づけていますので、現在はディフェンスしかしてないですね。いかに工数やコストをかけずに、現状維持し続けることができるか、ということばかり考えています。

Q13.  今後の目標を教えてください

 難しいですね・・・あまり目標を立てるということをしていません。

 ベンチャーらしくないのですが、マイナス成長だけはしない、着実に地道に成長する、というのを心がけていますので、○年後に○%成長とか○億円、みたいな具体的な数字はありません。

 そろそろ10億円単位のビジネスをやってみたいなぁ、という漠然とした気持ちはどこかにありますが、それは風が吹く、もしくは吹かせるタイミングにちゃんとその場所にいれるかどうかがキーだと思うので、日々地味な感じでやること淡々とやるだけだと思います。

インタビューを終えて

 筆者が数年前にはじめて村井氏の占いASP事業を聞いたとき、料金設定・契約期間・導入のしやすさなど、使う側にとってのメリットがとにかく高いサービスなのは勿論、サービスの提供形態をASPにするなど、仕組みで売れることが前提の上で成り立っているビジネスモデルだと感じたのを覚えている。

 更に驚いたのは400社強のクライアントに対し、運営メンバーは村井氏を含めたわずか3人以下とのことで、事業の収益性の高さにも驚かされたことも記憶している。村井氏のようにターゲットを徹底的に絞りこみ、仕組み化を追求すればニッチながらも高収益な事業を生み出すことは、まだまだ可能なものは十分に存在するという好例だろう。

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この記事の著者

矢作 嘉男(株式会社ハチワン)(ヤハギ ヨシオ(カブシキガイシャ ハチワン))

株式会社ハチワン代表取締役。New Jersey City University卒。
中国人観光客向けクーポンサイトなどインバウンド媒体を運営。
2011年、中国のインターネットプロモーション事業を行う北京博洛密網絡科技有限公司と提携し、中国向けプロモーション事業を開始。本当に成果の出る中国市場向けインターネットマーケティングのみをを提供し、インバウンド向けから中国現地進出向けまで数多くの実績を持つ。
プロモーションのご相談:info@813.co.jp

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/11/24 10:00 https://markezine.jp/article/detail/8887

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