アメリカの最新トレンドから見るソーシャルメディアマーケティングと日本とのギャップ
2009年10月、New Yorkで開催された「Digital PR Next Practices Summit」という、アメリカのDigital PR Agencyが参加して、ベストプラクティス(成功事例)を共有し合うカンファレンスに参加する機会があった。そのカンファレンスのタイトルが、『Using Social Media to (Really) Advance Your PR & Bottom Line』。ソーシャルメディアを活用していかにPR活動を発展させ、企業の利益につなげていくかというテーマで、かなり活発なプレゼンテーションが展開されていた。
また、翌月の11月には、「ad:Tech New York」が開催され、筆者は参加しなかったものの、ここでもやはり、ソーシャルメディアが非常にホットトピックスとして取り扱われていたようだ。
では、日本ではどうだろうか? 「ad:Tech Tokyo」が9月に東京で開催されたが、そこでも同様に、ソーシャルメディアについての議論が多くのセッションで語られていた。特にゲストキーノートスピーカーのジョシュ・バーノフ氏が、自身の著書『Groundswell(グランズウェル)』を通じて論じている企業のソーシャルメディア活用は、非常にインパクトの強いメッセージとして日本でも受け止められている。
なぜ今、ソーシャルメディアマーケティング?
まず、アメリカではなぜ今、ソーシャルメディアマーケティングがHotなのか? それに対する答えとして、「規模感」が重要なキーワードとなる。NetRatings社の調査によると、アメリカでの各ソーシャルメディアの利用者(PCのみ)は、Facebookが1億500万人、Twitterが2600万人、You Tubeが9200万人という規模にまで達している(2009年9月時点)。このことはすなわち、ソーシャルメディアがマーケティング上無視することができない巨大なプラットフォームに成長したことを意味する。
では、日本ではどうか? Facebookは100万人、Twitterは200万人、You Tubeは2200万人となっており、You Tubeの人気の高さが顕著に表れているものの、FacebookとTwitterはまだまだ市民権を得ているとは言えない規模感である。トレンドとしては今後の成長を期待させるベクトルを示しているが、どの規模まで成長するかは引続き注目しておく必要がある。
ここで、日本のソーシャルメディア環境も見ておきたい(図表1)。日本のソーシャルメディアで、最もアクティブに口コミに活用されているのはブログであり、次いで動画共有サイト、掲示板となっている。