最終コンバージョン以外をいかに評価するのか
Mui氏によればGoogle Analyticsで計測しているCVRの平均は2%であるが、言い換えば最終コンバージョンのみで成否を判断すると残りの98%をきちんと評価できていないことになると指摘している。そのため、マイクロコンバージョンと言われる中間ゴールの設定を彼は勧めていた。
マイクロコンバージョンについては、アメリカ大統領選挙という格好の材料を用いたキーノートスピーチが3日目に行われたので後日掲載のレポートで解説していく予定だ(当該のキーノートスピーチはオバマ大統領の選挙チームのWeb解析担当マネージャーが行った)。
プロセスの最適化/訪問者価値の定義/アシスト数の評価
最後に登壇したのはWeb Analytics AssociationのチェアマンであるJim Sterne氏だ。彼はWeb解析について以下の点を提案している。
- 特定のプロセスを最適化しよう
- 訪問者価値を定義しよう
- アシスト数を評価しよう
これらはすべて重要な項目を含んでいるのでそれぞれ簡単に触れよう。
特定プロセスの最適化
特定のプロセスに注目しそれを最適化していこうという意味だ。
例えば、ショッピングカートの場合、購買にいたるまでのステップは通常5~6ステップ程度となるが、プロセスの中で特に離脱している部分を見つけ出しそれを解析することが重要となるわけだ。
ちなみに、究極的に最適化されたショッピングカートの例としては、アマゾンの1-Click注文が紹介されていた(1-Click注文はステップが1つしかないの離脱の起きようがない)。
訪問者価値の定義
ある施策からの訪問について、訪問時間によって5点、ページビューによって1~10点、購買すれば100点、購買単価によって200~400点というように定義し、訪問者を点数化することによって施策間の評価をできるようにする方法である。
アシスト数を評価
SEMを実施した際、直接コンバージョンに結びついたキーワードだけを評価してはいけない。
例えば、4つのキーワードに注目しそれぞれのCVRを出したとする。そこから、訪問は多いがコンバージョンに結び付いていないキーワードへの入札を止めてしまったとしよう。すると、ほかの3つのキーワードのコンバージョンと訪問が減ってしまうという現象が起こることがある。
これは、実は入札を停止したキーワードに接触したユーザーが、後々サイトに戻ってくることがあるためである。こういった効果をアシスト効果と呼び、それらについてもしっかりと評価しないと、全体的なCVRを下げてしまう事態も起こりかねない。
以上、駆け足で見てきたがいずれも言われてみれば当然で、実施するべきものであるが確実にすべてを実施するのはなかなか難しいのではないだろうか。この記事を機会に自社のWeb解析について見直していただければ幸いである。